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第1章 誕生期
1.12.6 両金眼の子
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オルトディーナ公爵訪問日程の連絡が来た。
さすがに自分の管轄でもない地なので、ふらりと現れたわけではない。
1週間前に連絡があり、到着時間も指定された。
時間に合わせてギリギリまでジルベールを起こし、訪問時間に合わせて今度は応接室で寝かせた。
前回の失敗を反省し、有無を言わさず遠慮なく女性に寝室に入られないように対策する。
訪問したオルトディーナ公爵は、カルスディーナ公爵と全く同じ行動をとった。
5年前の事を話してから、ジルベールのところに行き、今度は左目だけをあけて確認した。
行動規範がどこかに書かれているのではと疑うぐらいに全く同じ行動をするので笑いが出そうだったがリリアーナは我慢した。
少し笑いを我慢しすぎて涙が出そうだった。
しかし、生まれる子供がおじい様と同じ右目が金眼であることは予想していろいろと調べ準備をしていたが、左眼が金眼のオルトディーナ公爵家の系統はきちんと調べていなかった。
どうやらオルトディーナ公爵家の系統は直系男児に金眼持ちがいるが、近年、直下の侯爵家に金眼の子が生まれていないらしい。
情報不足だった。
社交界をさぼっていた付けだろう。
「カルスディーナ公は子にも金眼が居るし、先日新たに系統の侯爵家に金眼の子が生まれたばかりだ。この子は左目が金眼なのだから、我が系統の侯爵領に行ってもらうのが良いはずだ。王へ私が後見人になれるように進言するつもりだ。だが今は子が生まれたばかり、急に環境が変わるのは良くない。大きくなるまではこの領地で過ごせるようにしよう。どうだろうか」
質問の様に言うがこれは決定事項なのだろう。
恐らくだが私の意見を聞く気はない。
「先日カルスディーナ公がこちらを訪問され、後見人として支援していただけると約束していただけました。出来ればこの子が大人になった時に選ぶようにできないでしょうか。もちろんオルトディーナ公からの支援はありがたいです」
「なんと、来るのが少し遅かったか。やつが左目の金眼でも支援をするとは思わなんだ。ここに来る前にメリルディーナからはそなたを移せぬといわれておるし、わかった。では両家から支援を行い大人になってから選ばせるとようにしたいと伝えておこう」
「ご配慮も感謝します」
「それで、なにか不足していることがあるかな」
「この子を守るための魔道士を派遣していただけると助かります。アナベルと共に我が領地の魔道士が亡くなりました。現在家を守る魔道士がおりません。安全のためにも、この子への魔法を教える指導も必要です。魔道士の手配をお願いします」
「それは問題ない。このバーニィをこのまま置いていこう。もとよりこの子の護衛をさせる為に連れてきたのだ。それが無ければカルスディーナよりも先に来られたのだがな。まあそれは今さらだな。このバーニィは実戦経験は無いが、無詠唱で魔法を使える。護衛としては最適だ。ジルベールはまだ暫くは外に出かけることはないだろうからその間にこの領地の兵と共に実戦を経験させてくれた。では頼むぞ、バーニィ」
「はい。承りました。命に代えてもジルベール様を必ずお守りします」
「他にはないか」
「まだ希望を言えるのですか」
「あるなら言うが良い。希望をかなえられるかどうかは聞いてからだな」
「医者か、治療士が居ると助かります」
「そうか、うむ... ちょうど来月軍を引退する医者がいたな。退役の面談をしたときに田舎で開業したいと言っていたはずだ。派遣する手続をしておこう。それではこれで良いな、ではジルベールを頼むぞ」
オルトディーナ公爵は、まとまったとばかりに上機嫌で帰っていった。
思った以上に上手く行ったのではないだろうか。
そして恐らくはメリルディーナ公が後をまとめてくれると期待した。
さすがに自分の管轄でもない地なので、ふらりと現れたわけではない。
1週間前に連絡があり、到着時間も指定された。
時間に合わせてギリギリまでジルベールを起こし、訪問時間に合わせて今度は応接室で寝かせた。
前回の失敗を反省し、有無を言わさず遠慮なく女性に寝室に入られないように対策する。
訪問したオルトディーナ公爵は、カルスディーナ公爵と全く同じ行動をとった。
5年前の事を話してから、ジルベールのところに行き、今度は左目だけをあけて確認した。
行動規範がどこかに書かれているのではと疑うぐらいに全く同じ行動をするので笑いが出そうだったがリリアーナは我慢した。
少し笑いを我慢しすぎて涙が出そうだった。
しかし、生まれる子供がおじい様と同じ右目が金眼であることは予想していろいろと調べ準備をしていたが、左眼が金眼のオルトディーナ公爵家の系統はきちんと調べていなかった。
どうやらオルトディーナ公爵家の系統は直系男児に金眼持ちがいるが、近年、直下の侯爵家に金眼の子が生まれていないらしい。
情報不足だった。
社交界をさぼっていた付けだろう。
「カルスディーナ公は子にも金眼が居るし、先日新たに系統の侯爵家に金眼の子が生まれたばかりだ。この子は左目が金眼なのだから、我が系統の侯爵領に行ってもらうのが良いはずだ。王へ私が後見人になれるように進言するつもりだ。だが今は子が生まれたばかり、急に環境が変わるのは良くない。大きくなるまではこの領地で過ごせるようにしよう。どうだろうか」
質問の様に言うがこれは決定事項なのだろう。
恐らくだが私の意見を聞く気はない。
「先日カルスディーナ公がこちらを訪問され、後見人として支援していただけると約束していただけました。出来ればこの子が大人になった時に選ぶようにできないでしょうか。もちろんオルトディーナ公からの支援はありがたいです」
「なんと、来るのが少し遅かったか。やつが左目の金眼でも支援をするとは思わなんだ。ここに来る前にメリルディーナからはそなたを移せぬといわれておるし、わかった。では両家から支援を行い大人になってから選ばせるとようにしたいと伝えておこう」
「ご配慮も感謝します」
「それで、なにか不足していることがあるかな」
「この子を守るための魔道士を派遣していただけると助かります。アナベルと共に我が領地の魔道士が亡くなりました。現在家を守る魔道士がおりません。安全のためにも、この子への魔法を教える指導も必要です。魔道士の手配をお願いします」
「それは問題ない。このバーニィをこのまま置いていこう。もとよりこの子の護衛をさせる為に連れてきたのだ。それが無ければカルスディーナよりも先に来られたのだがな。まあそれは今さらだな。このバーニィは実戦経験は無いが、無詠唱で魔法を使える。護衛としては最適だ。ジルベールはまだ暫くは外に出かけることはないだろうからその間にこの領地の兵と共に実戦を経験させてくれた。では頼むぞ、バーニィ」
「はい。承りました。命に代えてもジルベール様を必ずお守りします」
「他にはないか」
「まだ希望を言えるのですか」
「あるなら言うが良い。希望をかなえられるかどうかは聞いてからだな」
「医者か、治療士が居ると助かります」
「そうか、うむ... ちょうど来月軍を引退する医者がいたな。退役の面談をしたときに田舎で開業したいと言っていたはずだ。派遣する手続をしておこう。それではこれで良いな、ではジルベールを頼むぞ」
オルトディーナ公爵は、まとまったとばかりに上機嫌で帰っていった。
思った以上に上手く行ったのではないだろうか。
そして恐らくはメリルディーナ公が後をまとめてくれると期待した。
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