転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.8.4 5歳ごろ

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 トシアキから剣技の教育を受けるようになった。
 最初にジャックリーンとトシアキが撃ち合って現状確認をした。
 当然だがジャックリーンがコテンパンにやられた。

 トシアキがかなりの腕前だってことは見てわかった。
 そして剣の太刀筋が綺麗だった。

 前にケネスさんが見せてくれた剣と似た太刀筋だった。

「最初は基礎の型を覚えることからです。ジャックリーンも基礎からやり直しだ」

「ええ、また。そろそろ打ち合いをする時期なのに」
 ジャックリーンは10歳。
 どうやら同年代の子供たちはそろそろ打ち合い稽古が主になる年らしい。

「ジャックリーン、貴方がどれだけ基礎の型を練習したのか知りませんが先ほどの打ち合いを見た限り、型がまったく自分の物にできていません。
そのように中途半端に型を覚えると自己流の型となりその後の成長に影響します」
「でも」

「大丈夫です。焦る必要はありません。かのケネス様は、学園に通うぐらいまではおからだが弱く剣技は型を繰り返すだけ。
 激しい運動は禁止されていました。
 逆にそれがケネス様の型に忠実な美しい剣技を身につける基礎になりました。
 ケネス様は学園に入られたころから丈夫になられた体で打ち稽古を始めましたが、そこからめきめきと才能を伸ばされたのです。
 そして我がブルンスワード領地にも名が届くような剣士となられました。
 その力の源は、幼い頃にひたすら打ち込んだ基礎の型。
 型が基本としてしみついていたからこそと言われていました」

 なるほど、トシアキはケネスさんのことに傾倒しているのか。

「私が、10代の頃、ケネス様が指導に来てくださったことがあるのです。
 その時にケネス様の剣技に見惚れました。
 とても美しい型を見せていただきました。
 そして私もそれを目指し、型を大事にしました。
 そして私も剣技ではかなり上位の腕前になることができました」

「ジャックリーン、焦る必要はありません。
 今は型を覚え、体にしみこませる時です。
 さあ一緒に稽古を始めましょう」

 それから日々型の繰り返し。

 トシアキの知っている剣の流派はケネスさんと同じ流派らしい。
 たまにクロスロードとの交流もあったらしい。

 去年の交流の場にもケネスさんが来ていた。

 その場で、ケネスさんが僕の護衛と剣の師範の話をしてくれたそうだ。
 あこがれのケネスさんからの依頼。

 身軽な身分だったトシアキは親を説得してあっさりブルンスワードでの剣の道場を辞めてこの地に来たそうだ。

 それからしばらく。

 さすが、ブルンスワードで剣を教えていただけあり剣技の指導に関しては一流だった。
 あのジャックリーンもあっという間に型を習得していった。

 僕も同じペースで型を覚える。
 攻撃の型、防御の型。

 特に防御については剣で剣を受ける難しさについて説明された。

 いなす、のる、とめる、払う、打つ、切るなど場面に応じた切り替えが必要で単に型を覚えるというのがとても難しい。

 確かに繰り返しが必要だ。
 2人でペアになって、打ち込む、防ぐと交互に繰り返す。

 ひたすら繰り返す。

 1日にそれほど長い時間ではない。
 続けることが重要だそうだ。
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