転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.9.4 魔法の勉強

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 今日は外での魔法演習実践編だ。
 井戸が不足して困っている地域に見学に来ている。今日は魔法見学なのでジャックリーンもエレノアもいる。
 井戸を人の手で掘るのは非常に大変だ。出来ないわけではない。農民が自分達で井戸を掘ろうとする場合、30m掘るだけでも数日間かかってしまう。しかもその間、農作業が止まるし、農民は鉄のスコップを持っていないので現実的には井戸を掘れない。

 今日は人が掘るのではなく魔法で井戸を掘る。お貴族様は、税金だけを貰うのではなく、こうして農民の生活向上のために魔力を使うのもお仕事なのだ。

 バーニィが、「お手本を見せます」と得意げに話してから、魔法を使い始めた。
 バーニィは最初に大地にひざをつき両方の手のひらを大地につけて土の下に向けて魔力放出する。どうやら土の中にある水を探しているようだ。何箇所かで同じことを繰り返し、そして良い場所を見つけたのか、1箇所で魔法を使って土を掘っていく。バーニィは一箇所をずっと掘っている。
 僕は、魔力の可視化で魔力の使い方をしっかりと見させてもらった。
 クインさんが水のありかを探し出す詠唱を教えてくれた。大地に手をついて詠唱する。1箇所でダメだったら10m以上離れてやるように言われ僕もジャックリーン、エレノアも水の気配は感じられなかった。能力やレベルによって水を探し出せる深さが違うらしい。
 クインさんに連れられて、次は穴掘りの詠唱を教えられる。そして皆で練習する。練習中にも結構な距離を掘ることができた。
 午前中は作業を行っていたバーニィの魔力が底をついたようなので、昼食を食べた。
 バーニィが食事の前に魔力回復薬を飲んだので昼食後にすぐに再開するかと思ったらそうではなかった。
 僕の場合は寝る前に8割使っても朝には回復しているが普通は空になった魔力は2、3日かけて復活するらしい。今回は魔力回復の薬を飲んで魔力の回復速度を数倍に上げる。これで明日も作業ができるそうだ。
 回復薬には2種類あって、すぐに魔力が回復する薬は戦闘中に飲む薬ですごく高いらしい。今回はもう少し安い回復速度の向上で済ますらしい。急ぎでないなら間を開けるのが一番良いそうだ。
 とりあえず、再開は明日だ。
 帰る支度をしている間に空いていた作業場所でバーニィの続きを掘ろうと思ったが、残念ながら無理だった。どうやら基本的な魔法レベルが不足しているようだ。まだ5歳になったばかりの僕には難しすぎた。

 バーニィは、次の日も作業を継続し、ようやく井戸を完成させた。
 はやく大きくなりたいと思った出来事だった。

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