転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.9.7 魔法の勉強

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「ジャジャジャジャーン。魔道歯ブラシ!」

「ジャジャジャジャーン魔道歯ブラシって長い名前ですね」

「いやいや。ジャジャジャジャーンは、ほら出すよって意味合いの掛け声だよ」

「はじめて聞きましたわ。...それで魔道歯ブラシって何ですの。まあ先についているブラシでなんとなくはわかりますけれど」

「とりあえず口で説明しても効果は解らないから体感してみてよ。使う時にここに触ると魔力が流れるから、その状態で歯ブラシを歯に当てるだけだから」

「はい。よくわかりませんが、この粘土で囲った奇妙な歯ブラシを使えば良いのですね」

「ボタンは、歯にブラシを当ててから触るんだよ」

 そういって、2人は洗面に歯を磨きに行った。
 行く時はのんびり歩いていったのに、戻ってくるときは2人とも走ってきた。

「ジルベール様、すごいですわ。これ。なんですか。ただの子供のおもちゃと思ったら、歯がきれいになりましたわ」

「ねえねえ、どうやって振動させたの。例題には振動の魔法陣は無いよね。風魔法なの」

「いや、簡単な魔法陣だよ。魔力の充填が終わった魔石に魔力を込めると揺れるでしょ」
「ええ、揺れますわね。ですがこんなにぶるぶるとは揺れませんわよ」
「だから、この小さい魔石に魔力を充填させてるんだよ。小さき魔石は振動の周期が早いんだ」

 豆粒サイズのくず魔石に魔力を込めてみせる。
「それって充填できない魔石。なんで充填させるの?」
「揺らしたいから」
 2人して変な顔をしている。
 2人にわかるように、歯ブラシをばらして中の魔法陣を見せる。
 すぐにバーニィが理解したのか、すっきりした顔で言った。

「なるほど。振動させる魔法陣を作ったんじゃなくて、単純に揺れる現象を使った魔道具。魔法陣も魔力を吸い上げるだけ。単純だね」
「すばらしいですわ。ジルベール様。これ、沢山作りましょう、ニナの歯ブラシ嫌いをなんとかできるわ」

「とりあえず、今は粘土を固めて作ったものだから、これを参考にして工房で型を作ってもらおうと思ってるんだ。これだと握ってるうちに形が変わるし」

「そうですわね」

「工房に聞いてみようかなと思っているけど、木をくりぬいて表面に塗料を塗れば大丈夫だよね。水に強いのは、黒と赤だったかな。明日、工房に行きたいから、よろしくねバーニィ」
「そういう方面は、トシアキに任せた方が良いですね。伝えておきます」

補足説明
 ※魔法陣は魔力操作スキルが無くても使えるように魔力を吸い出すことが出来ます。
  魔力が無い時に魔力を吸い出すかどうかは、魔法陣に設定されている安全レベルの定義によります。
 一般に使われる魔法陣は安全レベルの高い定義がされているので魔力枯渇するような現象は起きません。
 魔力枯渇を狙う魔道具は攻撃特性を持つ魔法陣になり、術者に対する罠として動く魔法と共に作らなければ発動しません。
  現状の魔法研究者は、古代の魔法陣を組み合わせてつかっていますが、何となくしか理解していません。
  今後の魔法陣の解析でジルベールが秘密にたどりつきます。

 ※水魔法の下位の生活魔法クリーンで体を綺麗にすることができるが口の中を綺麗にするには効果不足。
  クリーンの上級魔法であるバブルウォッシュなら雑菌を除去できるので口の中も除菌効果ですっきりする。
  上級と言うだけあり、生活魔法の適性が高くないと使えない。
  クリーンは、8割ぐらいの人が使える。
  バブルウォッシュは2割もいない。

 ※農民を入れた魔力を持つ者は全体の10%
  貴族は1%から2%
  貴族落ちを含めて魔法を使えるのは、全体の5%です。

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