転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.11.8 ブルンスワードへの旅行

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「最近、第1王子と年が近い上級貴族の令嬢はお茶会や、勉強会という名目で頻繁に王城に呼び出されているのよ。
レオニール様が王位を継承したからだけど、王子の婚約者を早く決めたいみたいなのよ。
そこが決まらないと対象の年齢の子たち全て相手を決められませんからね。
おかげでアナスタシアは去年、王都の屋敷で暮らすほうが多かったのよ。
せっかく兄と姉が学院に入って、自立しそうだったのだけど王都にいると休みのたびにあの子たちが甘やかしに来るの。
仲の良い姉妹もよいのですけどね」


 アナスタシア様のお母様、つまり第2夫人が、リリアーナ母様たちに向けて説明をしてくれた。

 そうか、王子の嫁探し中なのか。

「第1王子の母君がシドニアの王女、第2王子はこの国の公爵の娘。
王子2人が金眼を持って生まれましたし、年齢も1つしか違わない。
それに第3王子と続いています。
年が近い令嬢を持つ親は大変ですね」

 リリアーナ母様が返した。

「あら、何を言っているの。ジルベールは第1王女の婚約者候補として呼ばれていないの?
ジルベールは中侯爵家嫡男でしょ」
 第1夫人が質問してきた。
 そうなんだ。
 でもそんな話をされた記憶は無いな。

「ジルベールの筆頭後見人はメリルディーナ公ですから、アンジェリカ様の子である第2王女の候補にするつもりではないかと。
ですから第1王女の候補から外されているのだと思います」

 なんと、そうなのか。
 初めて知った。

「ああ、そうなの。
ジルベールくんの驚いた顔が面白いわね。
その年でちゃんとわかるようだからきちんと説明した方が良いわよ。
子供と思っても存外考えて行動できるものよ。
アナシタシアにも教えているのよ、そういう事情は。
でも、ジルベール君の賢さには学ぶところがあるわね。
アナスタシアは王城に呼ばれるのでマナー教育を優先していたからお勉強が少し遅れ気味になってしまったのよ。
でも本人がジルベールちゃんに感化されて文字を勉強したいと言うようになって良かったわ。
アナシタシア、明日から頑張りましょうね」

「はい、おかあさま。
でも、やさしめでお願いします。
ジルベール様やエレノア様と比べられるのは無理です」

「それはわかっているから大丈夫よ。
あなたのペースで頑張りましょう」

「良かった。
僕のせいでアナスタシア様が大変な目に合うのかとドキドキしました。
良かったですね、アナスタシア様」

「はい。アナもジルベール様に負けないようにがんばります」
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