転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.17.3  異世界植物の育て方

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 ゴルゴさんが、独自に酢やお酒を造っていた時の事。
 ゴルゴさんとミレーユさんをいれて3人で話していた。

「ジルベール様は、漢字も良く覚えているようですが、異世界の知識を調べることが出来るからですか?」

「え? まるで日本語の読み書きできないみたいな言い方だね」
「ええ、難しい漢字は書けませんよ。
渡された資料はなんとか読めましたが、醤油を書けと言われてもおぼろげです」

「ああ、読めるけどかけないってやつ。前世を思い出してからも長いし、そうだよね」

「いえ、おそらくですが、私も前世の記憶を思い出した時に漢字は書けませんでしたよ。
こちらの世界の言語を理解し、読み書きができるようになっていたせいかもしれませんけど。
ただ、話すことはできます」

「そうなの」

 ミレーユさんからの報告によると、前世の記憶は自信の思い入れの深い所しか覚えていないということが解った。
 どうやら詳しく確認したところ、二人とも高度な数学はほぼ覚えていないらしく、こちらの世界で覚え直しだったらしい。
「え、じゃあ僕がその辺りを良く覚えているのは前世の職業が大学関係者だったからと言うこと」
「そうでしょうね。
例えば野球のルールを覚えてますか?」
「野球。
もちろん、そのぐらい…
ほんとだ、覚えてない。
あれ、サッカーは。
うん、覚えてないな。
確かに」

「私は、地元の野球チームに入っていたから覚えてますよ。
でもサッカーは覚えてません。
リバーシは覚えてますが、将棋はダメ」
「わたくしは、座学は全滅に近いかな。
絵画や工芸品はしっかりと覚えてるけど」

「そうか、確かに。僕はその方面はダメかな」
「音楽関係も覚えてないのではないですか、ジルベール様は」
「うーん、『さいたさいた』ぐらいは。
小学校で習ったのも怪しいな。
前世の記憶をもったまま転生と言っても、けっこう制約あるんだね」
「そうですね。
ある領域はしっかり覚えてますが、それ以外が今一つ。
醤油や味噌にしても、前世で作った事もあるはずなんですが、部分欠如してますから」

「そうか、確かに。
僕も料理系の知識は穴だらけだもんな。
自分で作れる気がしない。
中途半端に覚えているから、自分だけだと何も完成しなかっただろうな」

「おそらく、これだけの転生者がいても、それほど科学が発展しない理由はそう言った知識の欠如も原因なんでしょうね」

「なるほど、存在するだけで影響を振り撒くのかと思っていたけど、米一つ世界に広まってなかったのが現実だもんね」
「でも、こうして沢山の転生者が集まれば、不足した知識を補えるのかもしれませんね」

「なるほど、メリーナ様の『力の制約』のなかで、僕ら好みに世界を変えるには転生者は集まった方が良いわけか」
「まあ、集まっても変えられる事は僅かですけどね」
「まあ、そうか。
多少食事が変わるぐらいは、誰でもやっている日常でもあるしね」
「そうですね。
わたくし達が及ぼせる影響など、しょせん世界が急変するような事は起こせないでしょう」

 ミレーユさんもゴルゴさんも別に世の中が急に崩壊するような大変革はそう起こせないから問題ないと言っている。

「多少人数が集まっても原子爆弾を作れるわけじゃないしね。
それよりは、この世界はいろいろと不便があるから、もっと転生者は集めて便利にしたいね」
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