転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.18.1 7歳冬の館で

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 7歳の冬。

 13歳になると貴族は皆学園に通うようになる。
 だが急に学校生活となっても経験がなければ授業を受けるのも大変だ。
 それに、基礎学力は学園前に終わらせておく必要がある。
 だから学校生活に対応できるよう、また最低限の基礎知識を習得させる為に、地方領地に住む貴族は7歳になると、冬の1、2月の間だけ冬の館に集まり集団で授業を受ける。

 今年から僕も冬の館に行くことになったわけだ。

 残念ながら2ヶ月ほどエレノア、ニナシスティとは別々の生活だ。

 冬の館は領内南側の貴族街に作られている。
 領主館近くの貴族街は上級貴族が多く、南側は下位貴族が住んでいる。
 なので、貴族の数は南側の方が多い。

 南側の方が低地なので少し暖かくて雪が少ないので寮として皆が過ごすのにも適しているのだ。

 冬の館には宿泊部屋もある。
 家が近い下位貴族は家から通ってくるが、雪の中を馬車で送り迎えするのは大変だ。
 家から徒歩で通える貴族以外の大半の子供が宿泊する。
 もちろん、高地に住む貴族の子は雪のため通いが無理なので冬の館に泊まる。

 泊まりの子供は、家族もしくは世話係も一緒に泊まれる。

 7,8歳の子供は必ず母親か侍女が付き添ってきてくれている。
 年上の子供は、一人で来ている子供もいるようだ。

 僕は、アメリ姉様やリリアーナ母様は付き添いでは来られないのでレティーシアが侍女として付いてきてくれた。

 領主のご子息なので特別に、専属護衛のトシアキとバーニィも一緒だ。

 ジャックリーンは今年12歳なので、一緒に冬の館で過ごせる。
 楽しみだ。

 勉強の組は低学年の7,8歳と中学年9,10,11歳。
 最後に12,13歳は学園への入学準備組で別れる。

 クロスロードの領地では、貴族と呼ばれる階級の1代限りの末端まで含めると1,000人程度。

 7歳から13歳の子供を集めると全部で100名を少し超える人数が集まる。
 各学年平均すると男子7人、女子11人。
 どの学年もすこし女子の方が多いようだ。

 上級貴族の伯爵家は2家、共に13歳の子がいる。
 ふたりとも女子。
 この二人は、婚約者がまだ決まっていないので、今年の冬は領地内ではなく王都で行われる教室に行ったらしい。

 王都に集まる上級貴族の子供達で集まり、学園に行く前になるべく婚約者を見つけ、友達を作っておくらしい。

 今回の子供部屋は、僕を除くと子爵家以下になる。
 教師は、役所もしくは自警団から来てくれている。

 初日に実力把握のテストを受けた。

 僕は最終学年用を受け、もちろん満点だったので僕の必須授業はかなり少なくなった。
 テストの点数が高ければ、全ての座学が免除されるらしい。
 この世界に、皆と一緒と言う考えは無い。
 優秀であれば優秀さにあった待遇をするのが一般的だ。

 逆に成績下位は、下位に合わせた教育が行われる。

 この冬の館での勉強も年齢通りの勉強をする訳ではないらしい。
 個人個人の進捗に合わせて幾つかのクラス分けをして、自分の進度に応じた勉強をする。

 同じ年代の子供達に対して自分が遅れているのかどうかは自分で確認して追いつけと言うことらしい。

 それに対して、音楽、剣、ダンスのレッスンは年齢で固まって一緒に学ぶ。

 僕は、他の子供達が座学を勉強する時間に遊ぶわけにはいかない。
 大神官様から借りた空間魔法や回復魔法の本を読む時間に充てることになった。

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