転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.18.3 7歳冬の館で

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 2か月と言う長い時間だったが、何か事件が起きるわけではないのであっという間に日が過ぎた。
 この冬の館で過ごした期間で、同学年や上の子供達とは仲良くなった。
 あくまでも僕の主観だ。

 ただ、この世界は身分制度がしっかりしているし、ここでは僕が最上級の身分なのである一線を越える事は無い。

 最終日の今日は、魔力の扱いの練習だ。

 春の種植えに向けて倉庫に蓄えられている種に魔力を注ぐそうだ。

 中学年以上の子供が集められ、倉庫に備え付けられた魔道具に魔力を注ぐ。
 これで丈夫な麦が育つらしい。

 一つの倉庫で100人ほどの貴族が魔力を込めるそうだ。
 僕は、7歳なので本来は担当ではないが、バーニィの勧めで今年から魔力を込めることになった。
 割り振られたのは新しく建てられた米の倉庫だ。

 去年までは育成用の種が少なく、倉庫一つにも満たなかったが今年は倉庫一つ分溜めこんであった。

 バーニィ達が知っている僕の総魔力量は大神官様の鑑定した5000と言う数字。
 それは下級貴族10人分を軽く超える数字だ。
 実際の総魔力量はすでに10万を超え、下級貴族100人分を軽く超えている。

 結局用意されていた魔道具を1人で満たすことができ、バーニィの想像よりも多いことを知らせてしまった。

 バーニィは、大神官様が鑑定した5000を超えていることは予想していたが、桁が違う総魔力量は想像できなかったようだ。

 ジャックリーンはもうすぐ13歳。
 冬の館での生活を終え、もうじき王都へと行くらしい。
 転移門で送ろうかと話をしたけれど、旅も経験と一人旅を楽しむと言っていた。
 ジャックリーンの母親のウルラーレさんは心配していたけどラオブールさんは大丈夫だろうと気楽な答えだった。
 
 出立の日、小さな荷物を持って乗合馬車で出て行った。

 寮で必要になる荷物は別便で送った後だとそうだ。
 荷物は先に送っても後で到着するそうだ。
 この世界で運送業者は、国営では無く民間だ。
 転移門でポンと送る方が国営で許可制。
 これは、領主などが重要な物品、手紙を送るのに使う。
 民間は、魔法でポンと送るわけでは無いらしい。
 馬車で延々と。
 速度に多少の違いが出る事を想定して行動しているのだからみんな、こういった仕組みを理解して使いこなしているようだ。
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