転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.22.2 エレノア・サイレーン

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 私はエレノア・サイレーン
 なぜかクロスロード家の領主一家と共に生活をしている。

 クロスロードの家に来る前は王都に住んでいた。
 王都で学問を指導するお父様は子爵の爵位を持っていたので、それなりの大きさの家に住んでいた。
 母も勤めており、私が生まれるまでは魔法を使う護衛勤務をしていたらしいが、幼子を育てる間は魔力を込めるだけの仕事にしているそうだ。
 母は、勤めている屋敷に行く時には、私を一緒に連れて行っていた。
 母が勤めていたお屋敷に着くと、そこの女主人に預けられるのだ。
 女主人はとても子供好きらしく、母が魔道具に魔力を込めている間、私は女主人の所でいつも抱っこしてもらったり、いろいろな衣装に着替えさせられたりとしていた事を覚えている。

 だが、妹のニナシスティが生まれた頃、王都での生活が変わってきた。
 母が妹を生む間仕事を休んでいたことと、父の仕事先で派閥闘争に負けた事が原因だ。

 母がことあるごとにお金と言うようになってきた。

 私は幼いながら、母と共にいる時間も長かったので気苦労が解った。
「かあさま、カトレア様に頂いたドレスを売ればなんとかなりませんか?」
 そう尋ねた後、母はとても難しい顔をした。
 どうやら子供が言ってはいけない言葉だったらしい。

 それから数日後、お父様とお母様に連れられて、母の勤めていたお屋敷に行った。
 そこで主人のメリルディーナ公爵様から私達がクロスロードの領主館で働くのだと教えて貰えた。
 メリルディーナ公爵様から、私に領主の息子であるジルベール様の友達として過ごすことをお願いされたのだ。

 ジルベール様の家は旦那様が亡くなり、子供が一人だけ。
 領地の伯爵家には年の合う年代の子供もいないために、父と母を家庭教師に、そして私とニナシスティを姉妹として接することで人に対する教育をするのだと教えて頂いた。

 クロスロードの家は侯爵家。

 私が同年代の子供達と遊ぶとき、上位貴族の子供は高圧的に振る舞う事が多く侯爵家の子供と聞いた時にはあまり印象が良くなかった。
 怖いなと言うのが感想だったが、カトレア様も私なら大丈夫と言ってくれたし、メリルディーナ公爵が言うにはジルベール様はとても大人しい性格だと言うので少し安心した。

 そしてクロスロードへの移動。
 クロスロードは遠い所と聞いていた。
 だけどカトレア様が幼いニナと共に馬車での移動はダメと言い、転移門を使って移動することになった。

 後で、荷物だけが馬車で移動してくるそうだ。
 結局、私達は最小限の荷物だけを持ってクロスロードに移動した。
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