転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.23.2 エレノアの冬の館

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 僕にとっては2度目の冬の館だ

 僕の座学の勉強は終わっているので、今年も座学の時間は自分の研究に使う。

 僕自身は去年よりも進歩し、1時間程度なら集中したまま席に座っていられる。

 時々お尻がむずむずとするが、訓練の時間で体を動かしておくことでなんとか我慢できた。

 うーん、成長したと思ったけど、まだまだ精神は鍛えたり無いようだ。

 それよりも、今年はエレノアが一緒なのだ。


 まず、妹として紹介した直後に、本人がすぐに子爵家だと訂正していた。
 それが良くなかったのか、初日の男子どもの騒ぎと言ったら。

 まず、ダンスの時間がすごかった。
 子爵家以下の男子どもが、僕の次の順番を巡って大騒動があった。

 結局、食事の後にくじ引きで順番を決めたが、練習時間内で巡ってこなかった人たちの落ち込みと言ったら。

 いやー、これほどもてるとは。
 兄としては誇らしいが、ちょっといじらしいぞ。

 そして、日々の勉強が進む。
 エレノアが先頭にたって下の学年を率いているが、皆がエレノアを慕っているのか僕の学年の子供達よりもさっさと動いてピシッとしている。

 みながエレノアを褒めているのはとても誇らしい。
 ちなみにと理由を聞いたら、どうやらエレノアは特にその立ち振る舞い方が褒められていたようだ。
 おばあさま仕込みの上級貴族としての立ち振る舞いが完璧に身についていると礼儀作法の先生からも褒められ、皆の手本になっている。

 冬の館が終わる時にはエレノア親衛隊が出来ていた。
 さすがエレノア。

 ちょっと頑張れば届きそうと言うところが男子に人気。
 女子にとっても同じ子爵家、あるいはちょっと上の立場。自分とあまり変わらぬ者が出来るのだから、目指す目標として現実感があるのだろう。

 それに対して、僕は領主の一人息子。
 男性にとっては、部下として働くことを考えて名前を知ってもらえれば嬉しいが、子供の内にかかわって失礼があったらいけない相手。
 親から、成長するまではあまりかかわるなと言われている感じがある。
 そして女性にとっては、なにか努力して結婚相手になるわけでも無い。
 別格の生き物と思われている節がある。
 握手してもらえると嬉しい世界の違う有名人的な扱いだ。
 
 ダンスの練習も一度は踊りたいがそう何度も踊る必要は無い。
 あまり何度も踊って、他の女子から恨まれたくないというのが伝わってくる。
 嫌われているわけでは無い。
 だが、必要以上に仲良くなってはいけないアイドル的な存在らしい。

 実際、僕自身は女性達の相手が苦手なので、この程度の距離感はとてもありがたかった。
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