転生者はめぐりあう（チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー）

第3章 竜の襲撃

3.6.2 竜の襲撃再び

　最初、森の方に不穏な気配があった。
　森から鳥が飛び立ち、魔物が森から飛び出て来た。
　そのまま人の住む地まで駆け抜けるわけではない。
　単に森から出て、そこで立ち止まった。

　まるで森の中に危険な何かがあると言わんばかりに。

　そして、低音の鈍い響きが繰り返される。
　レイブリングさんは、最近クロスロードの騎士達を集めて訓練を行っていた。
　不穏な気配を調査すべく、魔物討伐兵10名が調査に向かう。

　当初、何が起きているのか全く不明だったのだ。
　だが確認に行った調査隊の知らせは驚きを通り越し、領民に絶望を与える物だった。
　10m級の竜と、クロスロードの山に住む主と言われた巨大な黒狼が戦っているとの報告。

　エイミーを含め第2部隊が編成され、追加の16名が向かった。
　トシアキ、バーニィも第2部隊に組み込まれた。

　エインズワース伯爵は、後の算段を考え民の避難を担当する。
　僕はリリアーナ母様に大人しく残るように言われた。
　いざとなったら、貴族達を転移門で逃がす役割があるらしい。

　出発した後発の部隊が森についた頃だ。
　突然僕の索敵に大きな魔力を探知した。
　ドラゴンブレスの一撃だろう。
　戦いが激化している。
　もしかしたら、黒狼との戦いが終わり、騎士達との戦いに変わっているかも知れない。

　僕は皆の事が心配になり現場へ向かおうとした。
　止めるクインさんには悪いが、気絶してもらった。
　そして、瞬転で移動を繰り返した。

　数キロ先の戦いの現場まで到着する僅か数十秒が歯がゆい。
　再び大きな魔力の上昇を感じる。
　間に合うのか？

　最後の瞬転。
　そこにいたのは1体のとても美しい小型のホワイトドラゴンだった。
　大きさは10mよりも小さい、おそらく8mほどの小型だ。

　到着した時、ちょうどエイミーに向けてホワイトドラゴンがブレスを撃ち込むところだった。
　一刻の猶予もない危険な状態だった。