転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

文字の大きさ
193 / 532
第3章 竜の襲撃

3.7.5 竜の襲撃が終わり

しおりを挟む
「ああ。
竜が鱗を使った魔道具にも違和感がある。
闇属性の武器についてはダンジョン産だと確定できるだろう。
恐らく、そのキングはダンジョンマスターだろう。
ダンジョンマスターはダンジョン内の魔力で武器や防具を作れるのだ。
闇属性の武器はダンジョン産だ。
同じように、竜の鱗も材料として入手しダンジョンの魔力で加工しただけかもしれぬ」
「そこについてはグランスラム帝国は関係ないと」
「いや、オリジナルとして最初の一つは加工したのではないだろうか。
ミスリル製の闇属性武器ならダンジョンの能力でできるはずだ。
だが、竜の鱗を使ったダンジョン以外の物質から武器を作る場合、オリジナルは外で作られているはずだ。ダンジョンの外で作られた素材についてはそういう制約があるのだ」
「ふむ、ダンジョンという特性があまり知られてないので判断できぬが、ティアマト殿の知識が間違っていることはないだろう。
すると、やはり人の影響を受けていると考えるのが妥当か」
「まあ、今回の襲撃でわかったことは操られた場合、知能が落ちる、少なくとも重力魔法を使ったり、回復魔法を使ったりという高度なことはできないということか。
次の竜が攻めてきたときに改良されている可能性もあるが」
「改良の可能性はあるだろう。だが、重力魔法は封じられている可能性が高い。
次に出ても今回の作戦は有効だろう」
「先日のティアマトとの戦いを考えると有効と思えないのだけど」
「弱点をさらすようであまり言えないのだが、高位竜には高位竜の弱点がある。
今回、一緒にいるので、ジルベールには気が付かれる可能性が高いので先に言っておこう。我ら高位竜は100歳前後なら総魔力量が5万と非常に高い数値だ。
高位な魔術師が50人から100人分の魔力を持っている。
いざ戦えば、100人分なのだ、単純に倒すのは大変だが、時間さえかければ大丈夫なのだ。
そして、竜の魔力は一度使い切るとすべてため込むの数か月から最大で1年もかかってしまう。
人間の作った魔力回復薬も効かないのだ」
「じゃあ、長時間戦えば人間が有利になると。
あれ、じゃあティアマトとの戦いは?」
「まだ、ブレスを2回ほど撃てた。だがそれで終わりだっただろう」
 2回なら受けきれたかな。
「もしかして、攻撃が通じなくて限界だと思っていたのは僕らだけでは無かったと」
「狂化状態であったので、正確には覚えていないが、われのブレスが通じずに焦っていたのは確かだった」
「イシスが出て来なくても大丈夫だった?」
「イシス様が主の危機を唱える呼びかけに答え、出て来られたのは我のためだったのかも知れぬ」

 そうか、そういう考え方もあるのか。
「では、魔力がある程度回復するのに時間がかかるのならこの冬は家で過ごしてください」
「良いのか」
「そのかわり、僕らの指導をお願いできればと」
「ふむ、良かろう。
剣の技術も魔法の技術も我の方が上であろう」

 そうして僕らは和解し、彼女は冬の間この家で静養することになった。


 イシスはティアマトがここにいる間、妖精体のままフワフワと浮いていた。
 偶にふたりで話しているようだが内緒話しらしく教えてくれない。
 イシスは僕の召喚獣だと言ったけど、僕にはあまり話しかけてくることは無い。

 どうやら自分の事を思い出すまではあまり親しく接する気が無いようだ。
 僕が悪いらしい。
 そんな事を言われても、僅か数年の人生で何かした記憶は無いし、前世と言われてもあちらの世界で聖獣に会うことは絶対にないはずだ。
 何のことを言っているのかさっぱりわからない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...