転生者はめぐりあう（チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー）

第3章 竜の襲撃

3.14.2 家に竜王バハムートがいる生活

「あ、ニナ。
僕の鑑定では体形は見れない。大丈夫だから。大丈夫」
「フーン。いちおう信じてあげるね。
ジル兄ちゃんは、良いお兄ちゃんだもんね」

「うん、そうそう。
信じて」

ふー、ニナの話術がすごい。
エレノアと違って物おじせずにどんどんとしゃべってくるのだ。
とても7歳に思えない。

「ジルベール、おぬしはどうやって総魔力量を増やしたのだ」
「一気に放出すれば増えるのでそうやってます」
「それだけか」
「それ以外にあるのですか？」
「たまに人々と話すだけなので確証が無かったが、人間の魔力量が落ちている。
代を重ねるごとにな。その中でお主だけが突出して魔力量が多い。
お主の周りもな。だが周りだけだ。それが気になった」
「つまり、良くわかっていないけど正解をひいていたと？」
「そうではないかと思った」
「カイ様は正解を知っているのですね」
「まあな」
「それを教えてくださるのですか」
「良かろう。と言っても。
実は、魔法の基礎として書いてある通りなのだ。
最初に魔力操作を学ぶ。
魔力操作の生活が自分の中の魔力を操作する。
防御が自らの手を離れて離れた魔力の操作。
攻撃が人の魔力を操作する。
これは体感しているだろうが、魔力操作のレベルが低いと生活しか使えない。レベルがあがり防御、攻撃と増えていく。
これが魔法を使う基礎の能力だからだ。
魔法に詠唱と伴う人とエルフ以外は魔力操作だけで魔法を使うのでこれが基本なのだ。
このレベルを上げて、魔力を体中に広げ巡らせる。
これが総魔力量を広げる土台になる。
その上で魔力を一気に解き放つ。
できる限り短時間で魔力を減らすのが総魔力量を増やすコツだ」
「なるほど。
やっぱりこれも基礎をしっかりとやる事だったのか。
エレノアもニナシスティも基礎をしっかりとやらせたから伸びた。
それ以外で領地の子供はまだ基礎がしっかりとできないからそれなりにしか伸びない」
「それと、人間の増える限界値だが、個人の持つ元々の魔力量の10倍が限界だ。
普段から1日に回復する魔力量を使い切れば魔力が増える。
それだけの量をおよそ1時間以内に使い切ればよい」
　そういえば総魔力量が１０万を超えてから、1日の魔力回復の限界が10万だと。そもそも僕の回復速度がおかしくて、１日の限界値に達してなかったからなるべく沢山使わせていたのか。

「つまり、エレノアは訓練前の最初が450だったから4500の魔力が限界値。
回復力は標準の5日のパターンだから1日に900回復する。
900を1時間以内に使い切れば良い。
それ以上を使っても変わらない。
総魔力量が900以下の時はなるべく限界まで使うしか無い？」

「いや違う。
魔力が少ない時も1日で回復する分を1時間以内に使えば大丈夫だ」
「では、5日で回復する人は総魔力量の5分の1を使い切れば良く。
3日で回復する人は3分の１を使えば良い」
「そういうことだ。ただ3日で回復する者も、総魔力量が増えて限界値に近づけば回復するまでに5日かかるぞ」
　つまり、僕の限界総魔力量は50万か。

「ねえ、ねえ、ジル兄ちゃん。
さっき玉から出てきたこの人、頭に耳があるけど、どうしてなの」

「この人は、コハク。銀狐の幻獣さんだよ。
耳は、なぜか出っぱなしだね。
復活したばかりだから魔法が上手く使えないのかもね。
コハクは休憩をしなくても大丈夫なの」
「ええ、コテツ様の魔力に包まれていたので、あまり消耗していません。
封印前よりも力が多いのがわかります」
「そうなの、食事とか全くしてなかったんだよね。
500年」
「ええ、封印されている間、時間がほとんど止まっていましたから。
体感的には2、3日です。
それに、妖精や精霊や、それに幻獣はこちらの世界の食事がほとんど必要ありません」

「ねえ、幻獣さんって何」
「うん、良い質問だね。
実はね、僕も知らないんだよ」
「ジル兄ちゃんでも知らないことあるんだね」

「何、ジルベールも知らないのか。
いかにも知っているような顔をして、知らないと答えるのはどうかと思うぞ。
そなたは変わっているな。
それを受け入れてるニナシスティにも驚きだが」
ティアマトが突っ込みを入れてきた。
「うーん、妖精と精霊。それに獣が混じれば妖獣と精獣になる事は知っているけど、
妖精と精霊の違い、それに幻獣に至ってはさっぱり。
そもそも妖獣と魔獣は何が違うのかとか、それぞれの呼称がどう違うのかはわからない。
何がちがうのですか」