転生者はめぐりあう（チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー）

第3章 竜の襲撃

3.14.7 家に竜王バハムートがいる生活

「おっと、雑談が過ぎたな。
魔法陣の基礎はそれであっている。
我が持っている書物は初級ゆえに魔素の流れについて書かれている文面の簡単な物しかない。残念ながらそれ以上は無いのだ。
だが、何もなく手探りでたどり着けるほど簡単ではない。
だが、そなたらは既にかつての人類が短い人生を繋ぎ合わせて出来た集大成である完成品を持っているのだろう。
読み方さえわかれば読み解くのは簡単であろう」
「世に残されている魔法陣は、製作者以外が改良できないように暗号化されているのです。
それは高度な魔法陣ほど高度な暗号が使われています。
一つは普段使われている言語と違う言語で書かれていること。
もう一つは文面の間にさらに違う言語を挿入されていることです。
たいはんの魔法陣が複数の言語で書かれているのです」
「ほう、見せてみるが良い、我もいくつかの言語が読める」
「たとえはこれが空間魔法を固定化する魔法陣です。
200年前の賢者が残した魔法陣なのでかつての魔法陣と一緒なのか不明ですが」
「ふむ、これはエルフ語と当時の500年前の言語だが。
魔法陣として有効なのはエルフ語か」
「どの部分ですか？」
「ここだ、これは違う。
ここは言語ですらないな、ただのいたずら書きだ」
「だが、エルフ語にしてもこのような単語は聞いたことが無いな」
「ここにあるキーが暗号の鍵だと思います。二つ文字を戻すみたいですが」
「ふむ、エルフ語の一覧表は。
あった、これだな」
カイが空間魔法で一覧表を取り出して文字を書き換える。
「ふむ、これで意味がわかる。
確かに拡張した空間を維持するための魔素の使い方が書かれているな。
これを訳すとこうなる。
これが辞書だ」
　訳を見ると納得の文面が並んでいる。
　空間維持、蓋の開閉によって空間を繋ぐ、中に物を入れる、取り出すなどのルールが書かれている。大半の文面が中に入れることができる物に関するルールのようだ。
　空間維持の消費魔力を減らすには、蓋を閉じる後に漏れる魔素を減らすしかないようだ。作りよりも結界を工夫して魔素の漏れだしを工夫して完全密封する必要があるとカイが説明してくれた。

「魔法陣にも詳しいのですね」
「記述内容は知らぬぞ、それを開発した人物と話したことがあるだけだ」
　予想外の答えがきた。
「もしかして200年前の賢者ですか」
「いやもっと昔だ、この近くに住んでいた700年前の賢者だ。
だが、200年前の賢者にも会ったことがある。
転移門を作るのに材料が足りないと言ってな。
空間魔法を安定化させるために聖樹が欲しいと言っていた。
エルフと取引した時に同行したからな」
「カイ様はわりとラルクバッハの歴史にかかわっていることが多いのですね」
「そうだな、ティアの母がこの地を大事にしていたからな。
300年前のそなたにも会ったぞ。確かティアが生まれる少し前だったな」
「女神さまにも言われましたが、記憶にはないし実感もありませんけど」
「だろうな、だが髪の色が違うだけでそっくりだぞ」
「おじいさまが金眼だったのだし、さかのぼれば初代様の血は受け継がれてきたのは明らかです。ラルクバッハには似た人が生まれる確率も高いと思いますけど」
「まあ、その可能性がある中に魂だけを入れ込んだのだろう。
まあ良い、その血があるからこそ以前よりも神の力が安定しているのだろう。
以前のお主ができなかった技が使えるはずだ。
明日、術を教えよう」
「わかりました」