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第4章 10歳王都編
4.1.4 ブルンスワードへの移動
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平地には街があり、宿屋もあった。高級とは言えなくても屋根があり壁があるのだ。食事も出るし、ベッドもある。野営に比べれば何倍も休める。
早速宿屋に入り、休憩を取った。
山越えは日数の短縮にはなったが、途中の街がなかったので移動が大変になった。水や食料をマジックバッグに入れてあったから問題なかったが、もしそういった道具を持っていない商隊なら大変だっただろう。ここを新たな流通路にするには周辺整備からしなければならない。稼働させるまでには時間がかかりそうだ。
とにかく、今日は宿屋の主人が作った食べ物だ。
ブルンスワードの田舎で食べられる郷土料理が食べられるだろうか、期待する。道中の記念すべき最初の宿屋だからと、一番高い物を選択してもらったのだから期待しても良いはずだ。
残念ながら食事はまずくはないが、特別でも無かった。普通の貴族向けの料理だった。特別に地方で食べられる料理を追加で出してもらったがただのスープで具材が少し違うぐらいだった。
同じ宿泊客や宿屋の店主から薬草の取引停止について情報を集めたがわかったのはあの村だけではなく、近隣ほとんどで薬草の取引が停止され、流通量は2、3割に落ちているということだけだった。
そして近隣の山岳地帯に住んでいる若者が、平地に降りてきて農業をやる人が増えたことがわかった。
さらに、鉄の農機具を与えられのが3年前で薬草停止と同時だったらしい。
「わかるのかジルベール?」
ティアマトから質問されたが、この情報だけではさっぱりだ。
「さっぱりわかりません。オブスレイさんの考察を聞かせてください」
「わたくしも王都にいた時にこの近隣や薬草の価格上昇は気に留めていなかったのでなんとも。ただブルンスワード全体が農業に力を入れているわけではないはずです。全体的な収穫量が上がったという情報も聞いたことがありませんから」
「もしかしたら、薬草が手に入らないことは伝えてあるが、農業関係の収益が急に上がったことは伝えていないのでは。
農業が儲かるので、そのまま薬草の取引を停止させて、山から人を降ろし労働力にしているとか」
「現状だけで推察するとその結論ですね。わたくしも同じ考えです」
「そうか、ここの領地は子爵家だよね」
「そうですね、ここはバンガロール子爵が収める区画ですね」
「明日挨拶に行くか」
「わかりました、まだ間に合うでしょうから訪問の連絡を入れておきましょう」
翌日、朝一番で押し掛けるわけにもいかず、街を見学して連絡した通り昼過ぎにバンガロール子爵家を訪問した。
バンガロール子爵は、30代の後半だろうか。
数年前に世代交代があり、現在のこの地域を管理しているそうだ。
「良くいらっしゃいました。クロスロード領地からの客と言われて驚きました。
地図上は隣ですが、移動経路では遠い地になりますから。
ジルベール様はお披露目に向けての旅の途中とのことでしたね。
この街の宿屋ではご不便でしたでしょう。本日は我が家でゆっくりされてからご出発ください」
「ええ、ご厚意に甘えたいと思います。
ところで、『あなたも転生者だったのですね。
農業チートを始めたのは領主になったからですか?』」
途中から日本語で話しかけたので、かなりびっくりしているようだ。
『久しく聞かぬ言葉で戸惑いました。
ジルベール様も転生者だったのですね。
この世界に来てから初めてです。
お会いできて嬉しく思います』
『変な感じがしたのですが、同郷のよしみ、駆け引きを辞めて話し合いをしたい』
「単刀直入にお聞きします。まずは、薬草の取引を停止している理由を教えてください」
「そうきましたか、どこまでを聞いているのか知りませんが、薬草は取引を停止しているのではなく、不作なのです」
「僕は、クロスロードとブルンスワードの境にある山に魔法でトンネルを掘って直接山側から入って来ました。
すでに見ているのですよ。
嘘は必要ない。真実をお話しください」
『まいったな。転生チートか、あの巨山に穴をあけるって何ですかそれは。
常識的にありえないでしょ』
早速宿屋に入り、休憩を取った。
山越えは日数の短縮にはなったが、途中の街がなかったので移動が大変になった。水や食料をマジックバッグに入れてあったから問題なかったが、もしそういった道具を持っていない商隊なら大変だっただろう。ここを新たな流通路にするには周辺整備からしなければならない。稼働させるまでには時間がかかりそうだ。
とにかく、今日は宿屋の主人が作った食べ物だ。
ブルンスワードの田舎で食べられる郷土料理が食べられるだろうか、期待する。道中の記念すべき最初の宿屋だからと、一番高い物を選択してもらったのだから期待しても良いはずだ。
残念ながら食事はまずくはないが、特別でも無かった。普通の貴族向けの料理だった。特別に地方で食べられる料理を追加で出してもらったがただのスープで具材が少し違うぐらいだった。
同じ宿泊客や宿屋の店主から薬草の取引停止について情報を集めたがわかったのはあの村だけではなく、近隣ほとんどで薬草の取引が停止され、流通量は2、3割に落ちているということだけだった。
そして近隣の山岳地帯に住んでいる若者が、平地に降りてきて農業をやる人が増えたことがわかった。
さらに、鉄の農機具を与えられのが3年前で薬草停止と同時だったらしい。
「わかるのかジルベール?」
ティアマトから質問されたが、この情報だけではさっぱりだ。
「さっぱりわかりません。オブスレイさんの考察を聞かせてください」
「わたくしも王都にいた時にこの近隣や薬草の価格上昇は気に留めていなかったのでなんとも。ただブルンスワード全体が農業に力を入れているわけではないはずです。全体的な収穫量が上がったという情報も聞いたことがありませんから」
「もしかしたら、薬草が手に入らないことは伝えてあるが、農業関係の収益が急に上がったことは伝えていないのでは。
農業が儲かるので、そのまま薬草の取引を停止させて、山から人を降ろし労働力にしているとか」
「現状だけで推察するとその結論ですね。わたくしも同じ考えです」
「そうか、ここの領地は子爵家だよね」
「そうですね、ここはバンガロール子爵が収める区画ですね」
「明日挨拶に行くか」
「わかりました、まだ間に合うでしょうから訪問の連絡を入れておきましょう」
翌日、朝一番で押し掛けるわけにもいかず、街を見学して連絡した通り昼過ぎにバンガロール子爵家を訪問した。
バンガロール子爵は、30代の後半だろうか。
数年前に世代交代があり、現在のこの地域を管理しているそうだ。
「良くいらっしゃいました。クロスロード領地からの客と言われて驚きました。
地図上は隣ですが、移動経路では遠い地になりますから。
ジルベール様はお披露目に向けての旅の途中とのことでしたね。
この街の宿屋ではご不便でしたでしょう。本日は我が家でゆっくりされてからご出発ください」
「ええ、ご厚意に甘えたいと思います。
ところで、『あなたも転生者だったのですね。
農業チートを始めたのは領主になったからですか?』」
途中から日本語で話しかけたので、かなりびっくりしているようだ。
『久しく聞かぬ言葉で戸惑いました。
ジルベール様も転生者だったのですね。
この世界に来てから初めてです。
お会いできて嬉しく思います』
『変な感じがしたのですが、同郷のよしみ、駆け引きを辞めて話し合いをしたい』
「単刀直入にお聞きします。まずは、薬草の取引を停止している理由を教えてください」
「そうきましたか、どこまでを聞いているのか知りませんが、薬草は取引を停止しているのではなく、不作なのです」
「僕は、クロスロードとブルンスワードの境にある山に魔法でトンネルを掘って直接山側から入って来ました。
すでに見ているのですよ。
嘘は必要ない。真実をお話しください」
『まいったな。転生チートか、あの巨山に穴をあけるって何ですかそれは。
常識的にありえないでしょ』
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