転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.12.4 10歳の秋

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「僕は魔力の流れを眼で見る能力があります。
だからこういった呪文は魔力発動の方法を細かく文書にできるんです。
発動させる文面を書くのは簡単かも」

「世界を覆いつくすほどの洪水によって魔法陣の神髄が書かれた書物は流れ、口伝も失われた。それ以降は、昔に書かれた魔法陣をどのように組み合わせると新しい魔道具として使えるかが研究の主でした。
ですが、こうして一瞬にして発動型の新しい魔法陣ができた。
これは今のクロスロードでの魔法陣の研究を覆す大発見ですよ」

「今までの過去はどうでも良いよ。
いや違う意味の過去は必要だけど。
とにかく、この方法が確かなら鍵や空間魔法の魔法陣を読み解かないと。
まず言語を特定して、余計な文面を消してどんな風に書けばよいのか。
そして文書を改良できるのか」
「私が持っている魔法陣の書物だけでなく複数の言語辞典が必要ですね。
なんとなく近いと思っていたのは、古語とエルフ語でしょうか」
「え、エルフっているの?」
「いますよ。人間族以外で文字を持つのはエルフと古竜の一族ですね」
「ふーん、それでエルフと竜語の言語辞典はあるの?」
「古語は王都で売られています。
入手可能ですよ。
現代の外国語はこちらの領主館にもあるでしょう。
ジルベール様からお母様に尋ねてください」
「ああ、そうするよ」


 オメガ・パテックスさんは、空間魔法のレベルが2と魔道具鑑定レベル4を持っている。
 ジルベールほどの大きさはないが、マイストレージが使える。そこに写本した魔法陣の書物と自分の荷物を入れていた。王都から移動してきた割に軽装だったのは空間魔法持ちだったからのようだ。
 魔道具鑑定は、魔道具だけに使える鑑定能力で魔道具の機能や消費魔力、寿命などを調べることができる。
 僕の上位鑑定と比べると完全に下位版のスキルになる。ただ一つの違いは寿命推定ができるころだろう。

 持っている能力からみても、オメガさんはサポート側の人だ。攻撃魔法の特性も低く、生産職なのだと言っていた。

 その日のうちにリリアーナ母様とアメリとレイブリングさんにオメガさんを紹介する。元々受け入れが許可されていたのでクロスロードに住むことは許可されていたが、僕の専属研究員として雇ってもらうように交渉した。
 オメガさんは家族もいるので、領内に家をもらい通いで領主館まで来てくれることになった。研究室は、領主館に付随する離れの建物の一部屋を開放して貰った。隣はヘイゼルさんが植物の研究をしている部屋だ。

 そして、辞典が必要と言うと、他国の辞書はそろった。
 その話のついでに解ったことは、いつの間にかアメリがティアマトが交渉してエルフ語と竜語の辞典を入手していたことだった。
 すでに、ティアマトのストレージに入っていた数々の書物を買い取っていたそうだ。さすが、アメリ。リリアーナ母様と同じく二人とも本好き。入手の機会を逃すことなく書物を入手しているとは驚きだった。

 それもストレージに入っていた書物なので古い物も時間経過無し。なので新品同様だった。物語に書かれていた内容はラルクバッハ建国のころの話が多くグランスラム帝国をどうやって撃退したのかが書かれていた本が多かった。
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