転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.11.8 王都での生活

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 新年からすでに10日が経過した。王城で開かれるパーティは10日までだ。それが終わると各家でのパーティが頻繁に行わる時期となる。
 だが僕にはお誘いが来ていない。たぶん。
 最初に聞いていた予定では、同期の侯爵家の子供達と交流を深める事になると言われていたような気がしたのだが。予定の精査はファール様とカトレア様が決めている。王城以外にお出かけしていないので、たぶん誘われていないのだろう。
 なので、派閥の行事に出かける事も無く、そんなの関係ないとばかりに王家と公爵家の子供達とばかりのんびり過ごしている。おかげで、男子は王子とオレリアン様。女子は第1王女と第2王女にサフィーナ様とクリシュナ様にアナスタシア様としか会っていない。
 だが、同じ年のロベール君やお隣ヤンロードのモーゼス君とも会っていないのは変ではないだろうか、あちらが遠慮しているなら、こちらから招待状でも出した方が良いのではないだろうか。
 とも思ったが、せかされない限りのんびりで良いや。

 そうして王家の子供達が居ない時間は、オメガさんと一緒に壊れた転移門と鑑定の魔道具を調査していた。

「これが転移門と、鑑定の魔道具ですか、最重要機密ですね。王宮魔導士が閲覧できる場所にはこの魔法陣や作り方はありませんでしたね。この中央部に使われている技術は失われた技術ですよ。魔石に直接魔法陣を刻んでいます。
これは武器に刻んだ魔法陣に比べてはるかに高度な技術が必要です。
これを魔法で刻み込んだのなら、賢者殿は相当な技術を持っていたようですね」

「そうだね、小さすぎて刻んである内容がはっきりわからないのに。
これ、僕らで刻めるのかな」
「難しいですね。あちらの世界にあった縮小コピーでも使えれば簡単でしょうけど」

「縮小コピーか。そうだねコピー機があれば。
でもコピー機か、どこかで近い物を見た気がするな」

「そうですか、コピーなんて能力も魔道具も見たことも聞いたことがありませんよ」

「コピー。複製の事だよな。
……あ、ミレーユさんだ。
複製の特殊魔法を持っていたな。
攻撃:特性を複製する。
防御:形を複製する。
生活:色を複製する。
この防御で刻んだ魔法陣を複写できないのかな。
もしかしたら生活かな。色の複製能力で複写できないかな」

「同じ物を同じ大きさに同じ色で複製ですか。できるかもしれませんね」

「まあ、それは次のステップだな。まずは魔石に描かれた魔法陣の解析からだな」

「そうですね。ミレーユさんの能力はクロスロードですから戻ってからですね」

「そうだね。あ、でもミレーユさんの複写の魔法は能力を使ってもらって、呪文や魔力の流れを見てくるよ。転移で戻ればすぐだし」

「え、転移で戻るんですか」
「戻れるよ。言ってなかった?」

「いえ、そういう事ではなく。10歳のお披露目は帰りも転移門を使わずに、足で帰らないといけないですよね。そういう決まりだったと思いますけど」
「帰りはちゃんと帰るよ。
儀式の途中で転移でも戻っても、用事を済ませたら転移で元に戻って足で帰るんだから良いでしょ」
「それありなんですか」
「転移門を使うなと言われてるけど、自前の転移はダメとは言われてない」

「普通の10歳児は自前で転移できませんよ」

「別に良いだろ。オメガさん、細かいことを気にするとファールじいちゃんみたいに禿げるよ」

「わしみたいにはとはなんじゃ」

「うひぁ」

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