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第4章 10歳王都編
4.16.6 フィンレワードにて
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「ここをご覧ください」
「これが動力を司る魔法陣だと思うのですが」
「へー、細かい魔法陣ですねジルベール様」
「相変わらず平常運転かバーニィは。もう少し驚こうよ、この魔法陣のすごさに。
魔法陣に使われている言葉は、イントラ皇国の言葉では無いようですね。
古語が使われているみたいだ」
古い言葉で書かれている内容を読み取り、鑑定魔法も使って中身を調べる。ふむふむ。なんとなくだけど解った。
「風魔法を使ってタービンを回しているのか。だけどそれなら直接風魔法で進めば良いような気がするのだけど」
「普通の風魔法は術者を反対側を吹き飛ばさないでしょ。それは術に反動を無効化する魔法が組み込まれているからです。
だから外に向けて風魔法を使っても船が進まないのですよ。
これは、風の魔法を使って船の内側の羽を動かし、外のスクリューを使って船を進ませているのではないかと」
「ああ、なるほど。だからこの風魔法の魔法陣が普通と違うのか。
そうすると疑問は二つか。
これだけの風魔法を使う為の魔力をどうやって貯めていたのだろう。こんなに沢山の魔法陣があると相当な魔力消費だよ。それと、魔法を受ける外のスクリューも。普通なら壊れる」
「ふむ、魔力を貯めているのは隣にある箱です。
これは、イントラ皇国から購入したランプに使われている物と同じなら箱の何に入っているのは水銀でしょう。水銀に魔石を溶かし巨大な魔力炉として使っているのではないかと。
水銀に魔石を溶かし封入する技術が重要なのです」
「魔石って水銀に溶けるの?」
「はい、人の血液と同じで水銀も30度以上に温めれば魔石が溶けます。
血液の場合は、溶けた後は常に撹拌(かくはん)していなければ固まっていきます。
ですが、水銀に溶かした魔石がどの程度で固まりだすかは知りません。おそらくかなり長い時間撹拌(かくはん)しなくても魔石が溶けたとなる可能性が高いのです。
ランプの水晶を実験した場合ですと外気と接触をさせなければかなり長い時間使えます」
「空気との接触か」
「水銀の調査は、気を付けないと調査人が死亡するのです。ですので分解は禁止されております。詳細は不明なままですが、ジルベール様も勝手に分解などされないように」
「OK,危険性は理解してる。
水銀は開けっ放しにすれば気化するだろ。気化した水銀を吸えば死ぬからね、特に締め切った小部屋でやったらダメ。やるなら常に換気をして、人が気化した水銀を吸わないようにしないとね」
「おや、ジルベール様は水銀の扱いに詳しいのですね、さすがです」
「この程度で詳しいのかな、まあラルクバッハであまり取れない材料だよね確か。
でも先日のバンガロール子爵が探し当てた採掘場から鉛の他に少しだけ水銀があったな。
湖を掃除した時にも取れたし。多少は持ってるから研究は可能か」
「ジルベール様、そのような危険な物を扱うのはおやめください」
護衛として後ろに立っていたトシアキが声を出した。
「ああ、安易には使わないよ。ストレージの中で処理ができるかもしれないし、できなければガラスの中にいれて作業するから」
「本当ですか、安全には注意してくださいよ。後で問題になるような事が無いようにしてくださいね」
「ああ、解ってるって。トシアキも心配性だな」
「どうしたバーニィ」
「いえ、今の私は立場が違うと認識しただけです」
「ふむ、だが主従の関係であった方が言えぬこともある。
そういう場面でジルベール殿と助けるようにすれば良い」
「はい、クレイマー様」
バーニィが丁寧に頭を下げていた。僕の所にいた10年ほどは爵位が関係しない仕事をしていたからちゃんとやれるのか心配していたけど、上司部下と言う立場なのか爵位の違いなのか、きちんとした対応をするようになったのだな。
「ふふ、ジルベール様がバーニィの事を父親のように見ておられますなあ。
バーニィもジルベール様に心配されないようしっかりとせねばならんぞ」
「これが動力を司る魔法陣だと思うのですが」
「へー、細かい魔法陣ですねジルベール様」
「相変わらず平常運転かバーニィは。もう少し驚こうよ、この魔法陣のすごさに。
魔法陣に使われている言葉は、イントラ皇国の言葉では無いようですね。
古語が使われているみたいだ」
古い言葉で書かれている内容を読み取り、鑑定魔法も使って中身を調べる。ふむふむ。なんとなくだけど解った。
「風魔法を使ってタービンを回しているのか。だけどそれなら直接風魔法で進めば良いような気がするのだけど」
「普通の風魔法は術者を反対側を吹き飛ばさないでしょ。それは術に反動を無効化する魔法が組み込まれているからです。
だから外に向けて風魔法を使っても船が進まないのですよ。
これは、風の魔法を使って船の内側の羽を動かし、外のスクリューを使って船を進ませているのではないかと」
「ああ、なるほど。だからこの風魔法の魔法陣が普通と違うのか。
そうすると疑問は二つか。
これだけの風魔法を使う為の魔力をどうやって貯めていたのだろう。こんなに沢山の魔法陣があると相当な魔力消費だよ。それと、魔法を受ける外のスクリューも。普通なら壊れる」
「ふむ、魔力を貯めているのは隣にある箱です。
これは、イントラ皇国から購入したランプに使われている物と同じなら箱の何に入っているのは水銀でしょう。水銀に魔石を溶かし巨大な魔力炉として使っているのではないかと。
水銀に魔石を溶かし封入する技術が重要なのです」
「魔石って水銀に溶けるの?」
「はい、人の血液と同じで水銀も30度以上に温めれば魔石が溶けます。
血液の場合は、溶けた後は常に撹拌(かくはん)していなければ固まっていきます。
ですが、水銀に溶かした魔石がどの程度で固まりだすかは知りません。おそらくかなり長い時間撹拌(かくはん)しなくても魔石が溶けたとなる可能性が高いのです。
ランプの水晶を実験した場合ですと外気と接触をさせなければかなり長い時間使えます」
「空気との接触か」
「水銀の調査は、気を付けないと調査人が死亡するのです。ですので分解は禁止されております。詳細は不明なままですが、ジルベール様も勝手に分解などされないように」
「OK,危険性は理解してる。
水銀は開けっ放しにすれば気化するだろ。気化した水銀を吸えば死ぬからね、特に締め切った小部屋でやったらダメ。やるなら常に換気をして、人が気化した水銀を吸わないようにしないとね」
「おや、ジルベール様は水銀の扱いに詳しいのですね、さすがです」
「この程度で詳しいのかな、まあラルクバッハであまり取れない材料だよね確か。
でも先日のバンガロール子爵が探し当てた採掘場から鉛の他に少しだけ水銀があったな。
湖を掃除した時にも取れたし。多少は持ってるから研究は可能か」
「ジルベール様、そのような危険な物を扱うのはおやめください」
護衛として後ろに立っていたトシアキが声を出した。
「ああ、安易には使わないよ。ストレージの中で処理ができるかもしれないし、できなければガラスの中にいれて作業するから」
「本当ですか、安全には注意してくださいよ。後で問題になるような事が無いようにしてくださいね」
「ああ、解ってるって。トシアキも心配性だな」
「どうしたバーニィ」
「いえ、今の私は立場が違うと認識しただけです」
「ふむ、だが主従の関係であった方が言えぬこともある。
そういう場面でジルベール殿と助けるようにすれば良い」
「はい、クレイマー様」
バーニィが丁寧に頭を下げていた。僕の所にいた10年ほどは爵位が関係しない仕事をしていたからちゃんとやれるのか心配していたけど、上司部下と言う立場なのか爵位の違いなのか、きちんとした対応をするようになったのだな。
「ふふ、ジルベール様がバーニィの事を父親のように見ておられますなあ。
バーニィもジルベール様に心配されないようしっかりとせねばならんぞ」
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