転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.7.1 城での訓練

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 エリンとはそこで時間切れとなり別れた。

「ジルベール様、明日の昼はエミリア様のお母さまとの会食があります、ですから午前中は自由時間です」
「そう、じゃあその時間はエイミーたちと訓練でもするよ。トシアキ、王城の訓練所に行けるように申請をしておいて」
「了解しました。ジルベール様」

 翌日、午前中に訓練場に行く。
 あれ、なんで見学者がこんなにいるの?
 それにステパン?
「トシアキ、見学者が多くないか」
「そうですね。使用申請したので軍の方が知っていますからね。それにしても多いですね」
「気にするな、ジルベール。時間もない。始めるぞ」
 ティアマトがやる気満々で声をかけてきた。
 ティアマトはシドニアへの移動前まで休眠状態だった。魔力の回復を優先させていたので訓練もエイミーとしかしていない。今日は久しぶりの訓練だ。
 まずはいきなり打ち合いの稽古でなく、基礎訓練から始めた。
 どうやらステパンはトルステン様が学園に行っている間に兵士の訓練を引き受けているようだ。なぜかステパンがかけ声をかけると騎士達が同じように型の訓練を始めたのだ。
 
「よし、ではジルベールそろそろ組手を始めるか」
「まあまあ、折角なのであっしも混ぜてくれやせんか?」
 ステパンがこちらに近づいてきて声をかけてきた。
 僕らと同じレベルと剣技が使えるのはエイミー、ティアマトと僕だ。まだスザンヌはこの打ち合いには入れない。だからいつも一人が休憩だった。混ざってくれれば相手が増えるのでかまわないが。
「では、まずは私と打ち合いなさい」
「え、エイミーじゃなくてこの綺麗なお姉様が。それは嬉しいでござるねー。ですがあっしは強いでやんすよ」
「御託は良い。まあハンディに魔法無しでやってやろう。さっさと来い」
 そう言って対面する二人。その直後にステパンがこちらを向いた。
「ジルベール様。このご令嬢はどこのどなたで。ただの公爵家の令嬢がこれは。エイミーよりも強いじゃないですかい。聞いてないでござるよ」
「あー、ティアマト。竜のお姫様」
「ひっ。やっぱり」
「相対してから逃げることは許さぬぞ。さっさと来い」
「くー。あっしの信条は『強い敵とは戦わない』なんですがね」
「これは訓練だ。諦めろ」
「いきやす」
 腹を決めたのかステパンの初撃はいきなりの全力攻撃だった。それを難なく受けて流すティアマト。いまだに本気のティアマトには僕もエイミーも勝てない。それは剣帝であるステパンとも一緒のようだ。

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