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第5章 シドニア訪問編
5.13.2 グランスラムの情報
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「ジル様行きましょう」
いつもと違う場所へ向かうので、自分たちの護衛だけでなくシドニアの兵士に囲まれての移動だ。
いつもとは違う雰囲気で慣れないシドニアの城内を歩いて進む。
「こちらです」
行きついたのは、さっきまで自分たちが居た場所から3棟ぐらい離れた場所だ。そこからさらに進む。
向かう先は地下室だった。
扉が開き中へ入る。地下は、汚くて臭い地下牢と言うイメージがあったが、そんなことは無かった。
「綺麗だね」
「相手も貴族ですから一応貴族向けの牢屋です。地下にしてあるのは脱出口を一か所にして、脱獄できないようにしているのと、魔法禁止にしていますから、領域を絞るためです」
「なるほど」
「では、この部屋になります。面会相手は、手錠をして椅子に縛ってありますし、魔法も禁止されているので護衛無しで入れます。我々はあちらの入り口で待っています。護衛の方は中に入るか、扉の前で待機してください」
「わかった。じゃあエイミーたちは扉の前で待機して、中には僕とスザンヌの二人で入るから」
「容疑者も居るので、婚約者と二人きりと言うことではありませんが、あまりよろしくはないですよ」
トシアキからの指摘だ。
「今からの内容は機密性が高い。王族以外は知ってはいけないことが含まれる可能性がある。君らは聞かない方が良いよ」
「わかりました」
僕が聞くのは良いのかとは言わないのがトシアキだ。そういうところは融通が利く。
そして、文句も何も言わないエイミー。
彼女は既に外を向いて立っている。
二人で中に入ると、面会者の方から声がかかった。
「おや、ジルベール様。ようやく来られましたね」
彼の言葉には答えず、そのまま座る。
「では、先にジルベール様が聞きたいことからにしましょう」
「良いの? じゃあ、事前の調査結果を読ませて貰ってるから、そこに記載があったことの確認になるけど。良いかな」
「ええ、私はまじめに答えますので、評価の方はお願いしますね」
スザンヌに確認のつもりで言ったのだが、面会者の方がそれに答えてしまった。
否定するのも面倒なので、そのまま話を続ける。
「では、まずアークロン神の使徒と呼ばれる人のことをもう一度話して欲しい」
「はい。ここだけの話ですが、現在、存命な使徒は2名です。まず一人目は皇帝です。帝国の皇帝は、ほぼすべての代において、英雄の称号を持っております。二人目は皇帝の側室である未来視の眼を持つ巫女と呼ばれるエルフです。噂では初代皇帝の時代からずっと生きているとも言われております。確かに初代皇帝の時代から巫女を呼ばれる方が居たのは事実ですが、初代からと言うと1000年を超えていますから、嘘かどうかはわかりません。それでも数代前から代替わり指定なのも事実。彼女が今の帝国を裏から操っていると言われておりますよ。残念ながら私は会ったこともありません。ですが、エルフですからね。絶世の美女だとか。先代の皇帝は彼女に心底惚れ、正室を設けず子が生まれませんでした。まさに傾国の美女なのでしょう」
いつもと違う場所へ向かうので、自分たちの護衛だけでなくシドニアの兵士に囲まれての移動だ。
いつもとは違う雰囲気で慣れないシドニアの城内を歩いて進む。
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行きついたのは、さっきまで自分たちが居た場所から3棟ぐらい離れた場所だ。そこからさらに進む。
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扉が開き中へ入る。地下は、汚くて臭い地下牢と言うイメージがあったが、そんなことは無かった。
「綺麗だね」
「相手も貴族ですから一応貴族向けの牢屋です。地下にしてあるのは脱出口を一か所にして、脱獄できないようにしているのと、魔法禁止にしていますから、領域を絞るためです」
「なるほど」
「では、この部屋になります。面会相手は、手錠をして椅子に縛ってありますし、魔法も禁止されているので護衛無しで入れます。我々はあちらの入り口で待っています。護衛の方は中に入るか、扉の前で待機してください」
「わかった。じゃあエイミーたちは扉の前で待機して、中には僕とスザンヌの二人で入るから」
「容疑者も居るので、婚約者と二人きりと言うことではありませんが、あまりよろしくはないですよ」
トシアキからの指摘だ。
「今からの内容は機密性が高い。王族以外は知ってはいけないことが含まれる可能性がある。君らは聞かない方が良いよ」
「わかりました」
僕が聞くのは良いのかとは言わないのがトシアキだ。そういうところは融通が利く。
そして、文句も何も言わないエイミー。
彼女は既に外を向いて立っている。
二人で中に入ると、面会者の方から声がかかった。
「おや、ジルベール様。ようやく来られましたね」
彼の言葉には答えず、そのまま座る。
「では、先にジルベール様が聞きたいことからにしましょう」
「良いの? じゃあ、事前の調査結果を読ませて貰ってるから、そこに記載があったことの確認になるけど。良いかな」
「ええ、私はまじめに答えますので、評価の方はお願いしますね」
スザンヌに確認のつもりで言ったのだが、面会者の方がそれに答えてしまった。
否定するのも面倒なので、そのまま話を続ける。
「では、まずアークロン神の使徒と呼ばれる人のことをもう一度話して欲しい」
「はい。ここだけの話ですが、現在、存命な使徒は2名です。まず一人目は皇帝です。帝国の皇帝は、ほぼすべての代において、英雄の称号を持っております。二人目は皇帝の側室である未来視の眼を持つ巫女と呼ばれるエルフです。噂では初代皇帝の時代からずっと生きているとも言われております。確かに初代皇帝の時代から巫女を呼ばれる方が居たのは事実ですが、初代からと言うと1000年を超えていますから、嘘かどうかはわかりません。それでも数代前から代替わり指定なのも事実。彼女が今の帝国を裏から操っていると言われておりますよ。残念ながら私は会ったこともありません。ですが、エルフですからね。絶世の美女だとか。先代の皇帝は彼女に心底惚れ、正室を設けず子が生まれませんでした。まさに傾国の美女なのでしょう」
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