転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.3.3 昇格試験

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 朝になり身支度を整え、食事を終えてから鎧を着けてからエイミーと共に訓練場へと移動した。
 すでにシルビア様達は到着しており準備運動をしていた。
 その集団から一人見覚えのある人がこちらへと進んできた。
「やあステパン」
「ごきげんようでござる」
「今日はよろしくね」
「ははは、今日はジルベール殿の相手をする予定はないでござるが、エイミー殿のことであればいつも通りきちんと相手をするでござるよ」
「そう、ところで僕の試験の順番が決まってると聞いたけど、相手も決まっているの」
「先ほどくじで順番を決めたので決まっているでござるよ。一人はクリスタ、聞いていると思うでござるが、手ごわいでござる。エイミー殿も試験官になっているでござるから、検定試験を受ける2名に当たる人は勝てずとも良い勝負をする必要があるでござるが、ジルベール殿は勝っても良いでござるよ」
 うんうんと一人納得している。
「魔法を全く使わない制限があると、良くて引き分けだと思うよ」
「そうでござるかな、まあ頑張るでござる。さてジルベール殿も今のうちに準備運動をするでござるよ」

 そうして、最初に剣帝の試験から始まった。

 最初はエルドラの剣士からで、クリスタも、僕の相手をするもう一名の序盤で試験官を務めていた。
 2試合とのことだったが、エイミーとクリスタが相手になった試合が一瞬でおわってしまったので、シルビア様が「これじゃあ判定できないわ」と、一試合することになった。
 2人とも他の剣王と比較にならないレベルだった。
 普段は、エイミーも相手に合わせて撃ちこませるようなことができるのだが、この後で剣帝の試験があるので気が高ぶっているのか、相手に合わせてレベルと下げることができなかったようだ。

 そうして、僕と剣王の試験が始まった。
 最初にクリスタと1対1の試合が始まる。
 うーん、いまだ気が高ぶっている。と言うかさっきよりも気が高まっているように思える。

「ジル様、頑張ってください」

 応援席から声が聞こえた。
 後ろを見ると、応援席からスザンヌを初めてとして沢山の人が集まっていた。
 2階を見上げると国賓も見ていた。
 どうやら朝早くからのこの試合を沢山の人が観戦していたらしい。普段なら視線に気がつくのに、直前まで気がつかなかった。自分では気がついていなかったが緊張して視野が狭くなっていたようだ。
 改めて、深呼吸をして試合をする円の中へ入る。

 魔法を使ってはいけないとなっているが、取り付けられたエルドラが所有する腕輪、これを付けていても発動する魔法は使っても良いそうだ。
 準備運動中に腕輪の効果を確認した。
 身体強化や検知は何の問題も無く使えた。
 だが、攻撃魔法や時間魔法は全く発動できなかった。
 だが、空間魔法であるストレージの出し入れ、そして瞬転は2m以内の近距離移動なら発動した。転移はさすがに試していない。円から出たら負けなので、転移をする必要が無いので検証していない。瞬転は使えには使えたのだが、発動までの時間が少し長った。つまり戦闘中には使えないことが確定した。

 よし、やるぞ。と気合を入れて剣を構える。
「お互いに良いですね」
 シルビア様が審判役で、確認をしてきたので相手の視線を外さずに軽くうなずく。相手も同じようにうなずいた
「はじめ」
 その一言で試合が始まった。
 勝つ必要はない時間制限は3分。その間、耐えて引き分けでも良い。

 合図と共に準備していた瞬転を使う。おそらく初回の1回しか使えない。
 僕はクリスタの左側へ移動、そして剣を振り下ろす。
 視界から急に消えたために、クリスタの反応は一瞬遅れた。だが彼は自分の左側に移動したのを感じたのか、ただの直感なのか体の向きを強引に変えながら僕の剣を避けつつ体の向きの変更に合わせて無駄なく剣を振って来た。
 あまりの反応の良さにこのまま剣を振り下ろすと僕の剣が避けらた後で次の攻撃時に僕が剣を戻すよりも早く彼の剣がこちらに来ると予想され振りぬいた手を何とか引き止めながら1歩下がった。
 僕が下がったことで彼の剣は体ごと回転する。顔は僕の方を向いたままアクロバティックに体勢を整え追撃してくる。
 僕はそれを裁きつつ攻めようとするがどうも僕は1歩づつゆっくりと下がっているようだ。
 つまり劣勢。
 あちらの2の攻撃に対して1攻撃できるかと言ったところ。

 ウーム、さすがだ。
 
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