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第6章 新しい命
6.8.4 ゴブリンの襲撃
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「今回は運が良かった。ジルベールが王城に居たのが幸いだった。そして騎士隊長も現場で即座に権限を最大限活用して兵士を集めた。迅速な対応で規模の割に小さい被害で済んだ。もちろん、スタンピードの規模の割にはだぞ」
「集めた魔石は全部提供しますよ」
「普段なら、スタンピードで倒して得た素材や魔石を国が買い取り、被害額を捻出し余った費用を恩賞として報奨金を支払うのだが、今回は素材が無い。魔石だけだ。ゴブリンの死体は素材にはならん。対してそなたが壊した小屋や家が多すぎる。つまり、恩賞は出ない」
「それは良いですよ。今回はエレノア達を助ける為でしたから、兵を出してもらっただけでもありがたかったですよ」
「そういうわけにもいかんのだが、今年はその彼女らの移動費の負担も多かったのだ、勲章ぐらいは出すのでそれで勘弁してくれ」
「それもエレノア達に出してください。僕は良いですよ」
「もちろん彼女たちの功績のしっかりとするが、そなたも受け取るように」
ファールじいちゃんとの話が終わり、国王陛下達との話はファールじいちゃんがまとめてくれるそうだ。
壊したモノのことでごちゃごちゃと言われずに済んで良かった。
翌日エレノア達の様子を見に行った。
10歳式の令嬢たちは誰も断念せず、元気に出発して行った。
僕は、10名のもどき騎士のご令嬢方と共に王都に帰還した。
カトレア様の予測では20名ぐらいが戻ると予想していたので、想定より少なかった。
10名のリタイヤの原因は、昨日の魔物との遭遇が原因では無かった。慣れない馬での移動に足腰を痛めたなどの理由だった。
腕が悪くても、学園で騎士訓練を受けた者が選抜の条件になっているので、学生時代に魔物との戦いは経験している。それが原因にならないだろうとカトレア様も言っていた。
カトレア様がいうには、成人した女性にはいろいろとお悩みが事があり、本人の思いと体は別なのだと言われた。
つまり、一定数が途中脱落することは想定されていたそうだ。
その後、特に問題もなくエレノア達一行は王都に到着した。
ゴブリン達の殲滅の噂は王都中の民が知ることとなり、彼女たち一行が王都に入った時の歓迎はすさまじい物だった。
そして、問題なく新年のお披露目会が開催され10歳の子供達の紹介が行われた。
今年の新年式では昨年同様に婚約の発表。
もちろん、フィリップ王子の婚約者の発表だ。
相手はクリシュナ様だった。
エレノアは、なんとカルスディーナ公爵家のオレリアン様と婚約した。
昨年、ルカディック様、マクシミリアン様、スザンヌ様と婚約が決まっていたが上が決まるまでオレリアン様の婚約話は延期となっており、次にようやく決めようとしたら同年代の女性は大半が決まっていたと言う結果になり、フィリップ王子の婚約者として保留していたエレノアの婚約が無くなり、即座に決まったらしい。
二人の間に親交があったとは思えないので完全な政略結婚だ。
オレリアン様はルカレディック王子と同じ13歳、エレノアは10歳。
まあ3歳差なのでおかしくはない。
2人に親交が無いと思っていたのは僕だけで、去年からルカレディック王子たちと訓練をするときに会ってはいたらしい。
意外なことに2人はその時からちょくちょく話をしていたそうだ。
「お兄様はスザンヌ様とマリアテレーズ様しか見ていなかったからですよ。わたくしはフィリップ王子だけでなく、他の男性方とも均一に交流をしていましたよ。それにわたくしにとってはフィリップ様が候補の筆頭であっただけでオレリアン様以外に、お兄様の同学年ですとロベール・アンセルワード様、アイヴィー・マリンワード様、モーゼス・ヤンロード様も候補になっていましたので、昨年のお披露目会の後で交流はしていましたよ」
「知らなかった」
でも、13歳が10歳の子を見ていたのか、ロリコンじゃないよな?
エレノアは年以上に大人びて見えるが、うーん。前世の感覚で考えるのは止めておこう。
「お兄様は、昨年のお披露目会ではスザンヌ様とマリアテレーズ様以外に目移りしないように王妃様達がいろいろと手を回してましたから知らなくても当然ですね」
「じゃあ、ニナシスティも?」
「ニナは、お城に居ることが多いでしょ。マリアテレーズ様と一緒に王都に住む同年代の方との交流会にはよく出てますよ。まだ決まった相手はいませんけど、それなりの交流してますよ」
そうか、マリアは婚約は決まったけど同年代の交流会は続いてるんだったなー。自分は最初の頃に少し参加しただけでシドニアに行って以降、参加していなかったので存在すら忘れていた。
「これでフィリップ様、マリアテレーズ様までの最上位の婚約が決まったので、その年代は次々に決まって行くと思いますわ」
さて、オレリアン様だが、カルスディーナ公爵家は長男ダリウス様が継ぐことになっているので、公爵家から出ることになっている。
継承する爵位も無いところに養女とは言え公爵家の令嬢が婚約できたのは理由があった。
第2王子が成人と共にクバルトディーナ公爵家を、ルシアナ様が結婚後にリーンディーナ公爵家を復興させる。5公爵体勢になるため国内の管理体制を大きく変えていくそうだ。
現在の3公爵に権力が集まりすぎでいるので、その分散が狙いだ。
オレリアン様は侯爵家の爵位を貰い、クロスロードの隣、現在王家直轄となっているゴヤロードの領主となる予定だそうだ。
夫婦二人とも公爵家を後援にもつので、それが可能らしい。
そのほかにも、当たらな公爵家を支えるために幾つかの家が復活するらしい。
ただし、僕らが20歳前後になるぐらいに体勢が変わる計画らしい。大きな変革を急に進める反動があるため、ゆっくりとした変化で対応していくそうだ。
そもそも、普通は功績があったところに爵位を与えるらしいが、今回は違う。
僕らが生まれる前に急激に貴族が減った時期があり、ようやく子供達が増えて来たので高位貴族の家から独立させて貴族家の数を増やすそうだ。
そして、毎年毎年いろいろな事件がそう頻繁に起きることは無く普通に新年のイベントが終わった。
エレノア達の帰りの旅も順調に終わった。
集めた女性騎士達は、半数が契約を更新し王宮での王妃達の護衛、公爵家の護衛として雇われたらしい。
今後も一定数の女性騎士の雇い入れニーズがあることがわかり、来年度から学園では女性騎士の受け入れを増やせるようにするそうだ。
スザンヌにとっては、同じコースの学生が増えるので楽しみらしい。
「集めた魔石は全部提供しますよ」
「普段なら、スタンピードで倒して得た素材や魔石を国が買い取り、被害額を捻出し余った費用を恩賞として報奨金を支払うのだが、今回は素材が無い。魔石だけだ。ゴブリンの死体は素材にはならん。対してそなたが壊した小屋や家が多すぎる。つまり、恩賞は出ない」
「それは良いですよ。今回はエレノア達を助ける為でしたから、兵を出してもらっただけでもありがたかったですよ」
「そういうわけにもいかんのだが、今年はその彼女らの移動費の負担も多かったのだ、勲章ぐらいは出すのでそれで勘弁してくれ」
「それもエレノア達に出してください。僕は良いですよ」
「もちろん彼女たちの功績のしっかりとするが、そなたも受け取るように」
ファールじいちゃんとの話が終わり、国王陛下達との話はファールじいちゃんがまとめてくれるそうだ。
壊したモノのことでごちゃごちゃと言われずに済んで良かった。
翌日エレノア達の様子を見に行った。
10歳式の令嬢たちは誰も断念せず、元気に出発して行った。
僕は、10名のもどき騎士のご令嬢方と共に王都に帰還した。
カトレア様の予測では20名ぐらいが戻ると予想していたので、想定より少なかった。
10名のリタイヤの原因は、昨日の魔物との遭遇が原因では無かった。慣れない馬での移動に足腰を痛めたなどの理由だった。
腕が悪くても、学園で騎士訓練を受けた者が選抜の条件になっているので、学生時代に魔物との戦いは経験している。それが原因にならないだろうとカトレア様も言っていた。
カトレア様がいうには、成人した女性にはいろいろとお悩みが事があり、本人の思いと体は別なのだと言われた。
つまり、一定数が途中脱落することは想定されていたそうだ。
その後、特に問題もなくエレノア達一行は王都に到着した。
ゴブリン達の殲滅の噂は王都中の民が知ることとなり、彼女たち一行が王都に入った時の歓迎はすさまじい物だった。
そして、問題なく新年のお披露目会が開催され10歳の子供達の紹介が行われた。
今年の新年式では昨年同様に婚約の発表。
もちろん、フィリップ王子の婚約者の発表だ。
相手はクリシュナ様だった。
エレノアは、なんとカルスディーナ公爵家のオレリアン様と婚約した。
昨年、ルカディック様、マクシミリアン様、スザンヌ様と婚約が決まっていたが上が決まるまでオレリアン様の婚約話は延期となっており、次にようやく決めようとしたら同年代の女性は大半が決まっていたと言う結果になり、フィリップ王子の婚約者として保留していたエレノアの婚約が無くなり、即座に決まったらしい。
二人の間に親交があったとは思えないので完全な政略結婚だ。
オレリアン様はルカレディック王子と同じ13歳、エレノアは10歳。
まあ3歳差なのでおかしくはない。
2人に親交が無いと思っていたのは僕だけで、去年からルカレディック王子たちと訓練をするときに会ってはいたらしい。
意外なことに2人はその時からちょくちょく話をしていたそうだ。
「お兄様はスザンヌ様とマリアテレーズ様しか見ていなかったからですよ。わたくしはフィリップ王子だけでなく、他の男性方とも均一に交流をしていましたよ。それにわたくしにとってはフィリップ様が候補の筆頭であっただけでオレリアン様以外に、お兄様の同学年ですとロベール・アンセルワード様、アイヴィー・マリンワード様、モーゼス・ヤンロード様も候補になっていましたので、昨年のお披露目会の後で交流はしていましたよ」
「知らなかった」
でも、13歳が10歳の子を見ていたのか、ロリコンじゃないよな?
エレノアは年以上に大人びて見えるが、うーん。前世の感覚で考えるのは止めておこう。
「お兄様は、昨年のお披露目会ではスザンヌ様とマリアテレーズ様以外に目移りしないように王妃様達がいろいろと手を回してましたから知らなくても当然ですね」
「じゃあ、ニナシスティも?」
「ニナは、お城に居ることが多いでしょ。マリアテレーズ様と一緒に王都に住む同年代の方との交流会にはよく出てますよ。まだ決まった相手はいませんけど、それなりの交流してますよ」
そうか、マリアは婚約は決まったけど同年代の交流会は続いてるんだったなー。自分は最初の頃に少し参加しただけでシドニアに行って以降、参加していなかったので存在すら忘れていた。
「これでフィリップ様、マリアテレーズ様までの最上位の婚約が決まったので、その年代は次々に決まって行くと思いますわ」
さて、オレリアン様だが、カルスディーナ公爵家は長男ダリウス様が継ぐことになっているので、公爵家から出ることになっている。
継承する爵位も無いところに養女とは言え公爵家の令嬢が婚約できたのは理由があった。
第2王子が成人と共にクバルトディーナ公爵家を、ルシアナ様が結婚後にリーンディーナ公爵家を復興させる。5公爵体勢になるため国内の管理体制を大きく変えていくそうだ。
現在の3公爵に権力が集まりすぎでいるので、その分散が狙いだ。
オレリアン様は侯爵家の爵位を貰い、クロスロードの隣、現在王家直轄となっているゴヤロードの領主となる予定だそうだ。
夫婦二人とも公爵家を後援にもつので、それが可能らしい。
そのほかにも、当たらな公爵家を支えるために幾つかの家が復活するらしい。
ただし、僕らが20歳前後になるぐらいに体勢が変わる計画らしい。大きな変革を急に進める反動があるため、ゆっくりとした変化で対応していくそうだ。
そもそも、普通は功績があったところに爵位を与えるらしいが、今回は違う。
僕らが生まれる前に急激に貴族が減った時期があり、ようやく子供達が増えて来たので高位貴族の家から独立させて貴族家の数を増やすそうだ。
そして、毎年毎年いろいろな事件がそう頻繁に起きることは無く普通に新年のイベントが終わった。
エレノア達の帰りの旅も順調に終わった。
集めた女性騎士達は、半数が契約を更新し王宮での王妃達の護衛、公爵家の護衛として雇われたらしい。
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