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第7章 女神の封印
7.2.7 再封印
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「100年。先に言って欲しかった。僕はコハクと虎鉄にはもう会えないんだ。せめてお別れぐらい…… どうして言ってくれなかったんだ」
「元々500年も眠っていたことがある。そしてコハクは虎鉄と共に歩むことを選んでいる。今回も虎鉄が一緒に眠っている。女神も共にあり一人では無い」
「そうだろうけど……。やっぱりコハクにとって人間は希薄な付き合いだったのかな」
「そうではない。ジルベールの事もマリアテレーズのことも気にしていた。だから別れの挨拶もせずに離れたのだ」
マリアテレーズも僕にくっついて泣いている。
僕も涙が止まらない。
「ジルベール、皆と今生の別れではない。コハク殿は少なくとも10年に一度、意識のある時間があるからその時に話だけはできる。その時に会えるようにしよう、他の聖獣とも会えるから心配するな」
「え、そうなの」
「ああ、10年おきに魔道具の微調整が必要になるそうだ。マーリン殿もそのたびに来てもらうことになる」
……
「今はそれ以上に問題な事がある」
「コハクたち以外にも問題が?」
「主に人族にとってはな」
「人族ですか」
「実際のところアークロン様の再封印だったわけではない事を理解してくれたと思うが、外からの状況としてはすべての女神がここに封印されてるのと一緒だ」
「そう言えばそんな状況かもしれませんね」
「そうだ、そのため今後100年は女神からの祝福が無い」
「そうなりますね」
「女神の祝福が無ければ土地がどうなるのか、人々への影響がどうなるのかグランスラム帝国の状況を見ればわかるだろう」
「土地の収穫量が減り、魔物が増える」
「そうだ、ラルクバッハでの土壌改良技術も今の女神の祝福の上でのことだ、今後徐々に土地の実りは減っていく」
「なるほど、農地を増やさなければならないと言うことですね」
「それに魔獣の増加だ」
「なるほど」
「それだけではない、加護持ちの人に特に顕著に現れるが加護の影響が無くなる」
ああ、僕のように加護の力でさらに底上げされている能力が消えるのか。
「加護持ちは貴族に多い、そういった人は女神の力が消えていくのを実感するはずだ。女神の力の消失は黙っていれば自然現象で片付けられるものではない。下手をすると100年の間に女神信仰が薄れる可能性がある。そうなると神の力が予定以上に奪われる。それはあまり好ましくない結果につながる」
「好ましくない結果ですか」
「それを防ぐには、4女神全員を信仰する新しい宗教が必要だ。特にグランスラム帝国へ広める必要もある」
「宗教ですか、信仰の変更は下手をすると戦争になりますよ」
「正しく現状を踏まえたうえで世界に広めるのだ。アークロン様はアロノニア様の下に下った。今後は、アロノニア様が力が弱まればアークロン様の力も弱くなる。4女神全体へ祈りを捧げる必要がある。それをお主たちの国以外、特にグランスラム帝国に広めて欲しい。それと共に女神たちは戦いの影響で少なくとも100年の休眠期に入っている、人々を見放したわけではない。皆の信仰が高ければそれだけ早く復活するが、信仰が薄れると復活が遅くなる。そういったことを伝える必要がある」
「はあ、そうですか」
「気の無い返事だが、ちゃんとやらなければコハク殿の復活が遅れるのは本当だぞ。それだけでは無い、信仰が薄れ長期化するとコハク殿が女神に吸収され、復活できなくなる」
「それはだめです」
「そうだろう、だからしっかりと4女神を信仰するように広めるのだ」
なぜか宗教を広める立場になった。
「元々500年も眠っていたことがある。そしてコハクは虎鉄と共に歩むことを選んでいる。今回も虎鉄が一緒に眠っている。女神も共にあり一人では無い」
「そうだろうけど……。やっぱりコハクにとって人間は希薄な付き合いだったのかな」
「そうではない。ジルベールの事もマリアテレーズのことも気にしていた。だから別れの挨拶もせずに離れたのだ」
マリアテレーズも僕にくっついて泣いている。
僕も涙が止まらない。
「ジルベール、皆と今生の別れではない。コハク殿は少なくとも10年に一度、意識のある時間があるからその時に話だけはできる。その時に会えるようにしよう、他の聖獣とも会えるから心配するな」
「え、そうなの」
「ああ、10年おきに魔道具の微調整が必要になるそうだ。マーリン殿もそのたびに来てもらうことになる」
……
「今はそれ以上に問題な事がある」
「コハクたち以外にも問題が?」
「主に人族にとってはな」
「人族ですか」
「実際のところアークロン様の再封印だったわけではない事を理解してくれたと思うが、外からの状況としてはすべての女神がここに封印されてるのと一緒だ」
「そう言えばそんな状況かもしれませんね」
「そうだ、そのため今後100年は女神からの祝福が無い」
「そうなりますね」
「女神の祝福が無ければ土地がどうなるのか、人々への影響がどうなるのかグランスラム帝国の状況を見ればわかるだろう」
「土地の収穫量が減り、魔物が増える」
「そうだ、ラルクバッハでの土壌改良技術も今の女神の祝福の上でのことだ、今後徐々に土地の実りは減っていく」
「なるほど、農地を増やさなければならないと言うことですね」
「それに魔獣の増加だ」
「なるほど」
「それだけではない、加護持ちの人に特に顕著に現れるが加護の影響が無くなる」
ああ、僕のように加護の力でさらに底上げされている能力が消えるのか。
「加護持ちは貴族に多い、そういった人は女神の力が消えていくのを実感するはずだ。女神の力の消失は黙っていれば自然現象で片付けられるものではない。下手をすると100年の間に女神信仰が薄れる可能性がある。そうなると神の力が予定以上に奪われる。それはあまり好ましくない結果につながる」
「好ましくない結果ですか」
「それを防ぐには、4女神全員を信仰する新しい宗教が必要だ。特にグランスラム帝国へ広める必要もある」
「宗教ですか、信仰の変更は下手をすると戦争になりますよ」
「正しく現状を踏まえたうえで世界に広めるのだ。アークロン様はアロノニア様の下に下った。今後は、アロノニア様が力が弱まればアークロン様の力も弱くなる。4女神全体へ祈りを捧げる必要がある。それをお主たちの国以外、特にグランスラム帝国に広めて欲しい。それと共に女神たちは戦いの影響で少なくとも100年の休眠期に入っている、人々を見放したわけではない。皆の信仰が高ければそれだけ早く復活するが、信仰が薄れると復活が遅くなる。そういったことを伝える必要がある」
「はあ、そうですか」
「気の無い返事だが、ちゃんとやらなければコハク殿の復活が遅れるのは本当だぞ。それだけでは無い、信仰が薄れ長期化するとコハク殿が女神に吸収され、復活できなくなる」
「それはだめです」
「そうだろう、だからしっかりと4女神を信仰するように広めるのだ」
なぜか宗教を広める立場になった。
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