532 / 532
第7章 女神の封印
7.4.3 余談:剣神アッシモの戦い
しおりを挟む
翌日、ティアマト様は魔力の使い過ぎで転移ができないと言うので、賢者様に転移で村へと連れて行って貰った。
竜の魔力回復は遅い。竜専用の魔力を回復させる魔法薬を発見したが毒が含まれているため緊急時以外は飲まないそうだ。その毒も竜には効かないそうだが、薬そのものがまずいらしい。
まあ、毒なのだかまずいのは良かったのかもしれない。
世の中、死んでも食べたい毒ありの食物もあるのだから。
ティアマト様のように綺麗な女性は無理をしないのが良い。
賢者マーリンは200年程前に剣神たちの村に行ったことがあるそうだ。
ジルベール殿も場所を覚えたいからと一緒に付いて来た。
バハムートからの話で、私の村にあったダンジョン内に封印されていたモノは今回の戦いで力を使い切り消滅したそうだ。
だからダンジョンは消えた。
それと共に長く守って来た縛りも無くなった。
まあ、そのために聖獣のクロエもいなくなったが。
成人して以来、妻よりも長い時間隣にいた女性?なのに。急に別れることになり残念だ。
一晩たったが、いまだに心の中にぽっかりと穴が空いている。
そういうわけで、守る盟約もなくなったので、違う場所に移動しても良いらしい。
だが、我らが守って来たあの地は「剣の聖地」として続いて来た歴史がある。
ダンジョンが無くなっても当面はこのままここが聖地として残したい。
過去の剣神たちが守って来たのはダンジョンだけでないのだ。私が消滅させる必要はない。
まあ、土地の縛りが無くなるのだから未来の剣神が場所を変えることはあるかもしれない。神の加護が消えるために、受け継げる者も出なくなるかもしれない。
だが、消えるのは今ではない。
「シルビア。この戦いで私は技の使い過ぎと治しては貰ったが怪我のしすぎで思ったように剣が振るえなくなった。聖女の診断では1年程休めば戻るらしい。だがそもそも、時を止めて切る技と、人ならざるモノを切る技。剣神となるにふさわしいと言われる二つの条件のうち私が取得できたのは人ならざるモノを切る技術だけだった。時を止めて切る技術はクロエから力を借りなければ使えん。だが彼女はもういない。1年の休みを経ても使える剣技は1種のみ、ならば、そなたが継ぐか、クリスタに剣神を継がせても良いと思うのだが、どう思う?」
「元々時を止めて切る技は、過去の私の代で途切れた技です。今代では剣神が受け継ぐ技術は人ならざるモノを切る技術しかなかったのです。私が転生したのは偶然。幸いなことに今世においては時を止めて切る技術をエイミーが継承できました。あなたは、あなたが持つ技術を次代に受け継がせなさい。剣神は義務がなくなり、飾りの地位になりましたが急いで引き継がせる必要はありません。それに今回の村の復旧をクリスタに押し付けてはいけませんよ。剣を振るうのに1年もかかるのなら、ちょうど良いではないですか、事務仕事に集中して体は休めてください」
「やっぱりだめか」
「良いことを教えてあげましょう。実はスザンヌ様が文官を派遣して下さると約束してくださいましたよ」
「なんだって、本当か」
「ええ、彼女はラルクバッハ王国第1王女ですからね」
「そうか、そうか。良かった。剣を使えないからここぞとばかりに事務仕事を押し付けられると思っていたが、良かった。うん、良かった」
「大丈夫ですよ。あなたにすべてを任せたら復興も延び延びになりますからね、それでも体を休めつつでも良いので、最低限の事務仕事はしてくださいね」
帰ってきたらダンジョンを中心にめちゃくちゃになっていた。
ダンジョンを破壊し、外にまで影響が出た。
数体の竜を含めた戦いとは言え、結果がすごすぎる。
ここでも相当な戦いがあったのは、戦いの後を見れば解る。
今回、バハムート様から保障として金銀を沢山貰っては来たが、復旧は大変そうだ。
その後、賢者と共にジルベールが一緒に移動して転移場所を覚え、ラルクバッハから文官と共に剣を学びたいと言う騎士を数名連れて来た。
数年後、クリスタが剣神の技を受け継ぎ剣神となり、ジルベールとは別の隊で魔物の討伐隊を率いて活躍した。
アッシモも剣神の立場を退いた後は、外の世界を見たことが無かった反動なのか、一人自由に世界を回り魔物の討伐をして回ったそうだ。
竜の魔力回復は遅い。竜専用の魔力を回復させる魔法薬を発見したが毒が含まれているため緊急時以外は飲まないそうだ。その毒も竜には効かないそうだが、薬そのものがまずいらしい。
まあ、毒なのだかまずいのは良かったのかもしれない。
世の中、死んでも食べたい毒ありの食物もあるのだから。
ティアマト様のように綺麗な女性は無理をしないのが良い。
賢者マーリンは200年程前に剣神たちの村に行ったことがあるそうだ。
ジルベール殿も場所を覚えたいからと一緒に付いて来た。
バハムートからの話で、私の村にあったダンジョン内に封印されていたモノは今回の戦いで力を使い切り消滅したそうだ。
だからダンジョンは消えた。
それと共に長く守って来た縛りも無くなった。
まあ、そのために聖獣のクロエもいなくなったが。
成人して以来、妻よりも長い時間隣にいた女性?なのに。急に別れることになり残念だ。
一晩たったが、いまだに心の中にぽっかりと穴が空いている。
そういうわけで、守る盟約もなくなったので、違う場所に移動しても良いらしい。
だが、我らが守って来たあの地は「剣の聖地」として続いて来た歴史がある。
ダンジョンが無くなっても当面はこのままここが聖地として残したい。
過去の剣神たちが守って来たのはダンジョンだけでないのだ。私が消滅させる必要はない。
まあ、土地の縛りが無くなるのだから未来の剣神が場所を変えることはあるかもしれない。神の加護が消えるために、受け継げる者も出なくなるかもしれない。
だが、消えるのは今ではない。
「シルビア。この戦いで私は技の使い過ぎと治しては貰ったが怪我のしすぎで思ったように剣が振るえなくなった。聖女の診断では1年程休めば戻るらしい。だがそもそも、時を止めて切る技と、人ならざるモノを切る技。剣神となるにふさわしいと言われる二つの条件のうち私が取得できたのは人ならざるモノを切る技術だけだった。時を止めて切る技術はクロエから力を借りなければ使えん。だが彼女はもういない。1年の休みを経ても使える剣技は1種のみ、ならば、そなたが継ぐか、クリスタに剣神を継がせても良いと思うのだが、どう思う?」
「元々時を止めて切る技は、過去の私の代で途切れた技です。今代では剣神が受け継ぐ技術は人ならざるモノを切る技術しかなかったのです。私が転生したのは偶然。幸いなことに今世においては時を止めて切る技術をエイミーが継承できました。あなたは、あなたが持つ技術を次代に受け継がせなさい。剣神は義務がなくなり、飾りの地位になりましたが急いで引き継がせる必要はありません。それに今回の村の復旧をクリスタに押し付けてはいけませんよ。剣を振るうのに1年もかかるのなら、ちょうど良いではないですか、事務仕事に集中して体は休めてください」
「やっぱりだめか」
「良いことを教えてあげましょう。実はスザンヌ様が文官を派遣して下さると約束してくださいましたよ」
「なんだって、本当か」
「ええ、彼女はラルクバッハ王国第1王女ですからね」
「そうか、そうか。良かった。剣を使えないからここぞとばかりに事務仕事を押し付けられると思っていたが、良かった。うん、良かった」
「大丈夫ですよ。あなたにすべてを任せたら復興も延び延びになりますからね、それでも体を休めつつでも良いので、最低限の事務仕事はしてくださいね」
帰ってきたらダンジョンを中心にめちゃくちゃになっていた。
ダンジョンを破壊し、外にまで影響が出た。
数体の竜を含めた戦いとは言え、結果がすごすぎる。
ここでも相当な戦いがあったのは、戦いの後を見れば解る。
今回、バハムート様から保障として金銀を沢山貰っては来たが、復旧は大変そうだ。
その後、賢者と共にジルベールが一緒に移動して転移場所を覚え、ラルクバッハから文官と共に剣を学びたいと言う騎士を数名連れて来た。
数年後、クリスタが剣神の技を受け継ぎ剣神となり、ジルベールとは別の隊で魔物の討伐隊を率いて活躍した。
アッシモも剣神の立場を退いた後は、外の世界を見たことが無かった反動なのか、一人自由に世界を回り魔物の討伐をして回ったそうだ。
27
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる