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背後に居た人。
しおりを挟む振り返って静かに目を開くと人がいた。
「せ…ら」
その一言が呟かれた時何故が安心した。
どこか甘味を感じるエッジの聞いた声。
私より少し高い身長。
濡れ羽色のスーツ。
柔らかそうな黒髪が真っ直ぐ下を向いている。
長いまつ毛に白い肌。
水を弾いてしまいそうな肌
顔全体が純粋そうなイメージを持たせる。
だが1部だけ純粋というイメージからかけ離れたてんがあった。
隈だ。暗めの。
かっこいい。
その単語が頭に浮かぶ。
誰?
「えっとどちら様ですか?」
どこか悲しそうに壁を見つめた男の人。
しばらくの沈黙のあと男の人が口を開く。
「そこにあるフィギュア」
真っ直ぐに刺された先を見ると目がぎゅっと丸くなってしまった気がした。
なぜならそこに落ちていたのは目の前の男の人にそっくりな人形。
部屋の対角線の位置に転がっていて、ベットから落ちた毛布を少し被っているのに
はっきりそれが目の前の人に似ている事がわかった。
頭に浮かぶ言葉。
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