322 / 348
第322話
しおりを挟む
足を踏み入れた大聖堂内は、静謐な空気に満たされており、とても清らかな空間となっている。そんな大聖堂内には、祭壇やステンドグラス、祭壇の奥に置かれている巨大なアモル神の像などがある。
それらは総本山故に力の入れようが凄く、資金や人材などが惜しみなく投入されて作られたのが分かる。全てが金ぴかなどといったいやらしさは全くなく、華やかな所は華やかにしつつ、質素におさめる所は質素にした、職人たちが万全な状態で全力を出して作りだした最高の逸品たちだ。
さらに並べられている長椅子や、大理石の床などは埃一つなく綺麗に維持されていて、この大聖堂という場所がどれだけ神聖視されているか分かる。今回のローラ嬢や教皇の件を抜きにしても、アモル教がアモル神の事をしっかりと信仰しているというのが、この光景からよく伝わってくる。
「さて、ご丁寧に入り口が用意されておるぞ」
「そうだね。あそこが、暗き闇が封印されている場所へと続く、地下の入り口に間違いなさそう」
大聖堂に入る前に感じていた濃密で膨大な魔力を、ある一点の場所からもっとも強く感じる事が出来る。そのもっとも強く感じられる場所とは、アモル神の像の後ろにポッカリと開いている、地下へと向かう為の階段がある長方形の穴だ。誰もアモル神の像、神々の後ろに安易に立たないという考えから、アモル神の像の後ろに地下への入り口を作ったのだろう。
「教皇が奴らを封印の場所まで案内したという事かの」
「間違いなくそうじゃろう。恐らくは代々の教皇にのみ、封印の場所へと向かう入り口の位置や、その入り口を解き放つ方法を知っておったんじゃろう」
地下への入り口をなる長方形の穴。その穴を中心にして、大理石の床に穴よりも一回り大きな魔法陣が展開されている。この魔法陣は、地下への入り口を隠すためのものであり、普段は目に見えないように隠蔽されている様だ。それがこうして目に見えているという事は、ジャック爺やローザさんの言う様に、教皇が自らの意思でこの魔法陣を発動させ、奴らを封印の場所まで案内したのだろう。
「何があってもいい様に、俺が先頭で階段を降りていくよ」
「警戒を緩める事なく、何かを感じたら直ぐに止まり、儂らと情報を共有するんじゃぞ」
「魔力感知を常に怠る事なく、一瞬でも異変を見逃すでないぞ」
「ウォルター君、気を付けてね」
「ウォルター、絶対に皆で帰りますからね」
「皆が待ってる屋敷に全員で帰るの」
「美味しい紅茶を楽しんで――――」
「――――美味しいお菓子で幸せになりましょう」
「ああ。絶対に皆で一緒に、待ってくれている人たちの所に帰ろう」
ここから先は、奴らの主戦力である魔法使いたちが、俺たちの事を狩るために待ち構えている。俺は一度深い深呼吸を繰り返し、地下での相手は魔境に生息する魔物レベルであると考え、意識を魔境にいる時のものに切り替える。
魔境という土地では、何があってもおかしくない状況が、息吐く間もなく襲い掛かってくる事は常だ。だからこそ魔境にいる時を同じく意識でいる事で、相手が何を仕掛けて攻めてこようとも、精密な魔力感知と身体強化で鋭くなった五感で、それらを全てを見抜き防いでみせる。
そして、勇者や聖女ジャンヌの意思を継ぎ、今度こそ暗き闇を完全に消滅させる。
「それじゃあ、地下へと進みましょうか」
それらは総本山故に力の入れようが凄く、資金や人材などが惜しみなく投入されて作られたのが分かる。全てが金ぴかなどといったいやらしさは全くなく、華やかな所は華やかにしつつ、質素におさめる所は質素にした、職人たちが万全な状態で全力を出して作りだした最高の逸品たちだ。
さらに並べられている長椅子や、大理石の床などは埃一つなく綺麗に維持されていて、この大聖堂という場所がどれだけ神聖視されているか分かる。今回のローラ嬢や教皇の件を抜きにしても、アモル教がアモル神の事をしっかりと信仰しているというのが、この光景からよく伝わってくる。
「さて、ご丁寧に入り口が用意されておるぞ」
「そうだね。あそこが、暗き闇が封印されている場所へと続く、地下の入り口に間違いなさそう」
大聖堂に入る前に感じていた濃密で膨大な魔力を、ある一点の場所からもっとも強く感じる事が出来る。そのもっとも強く感じられる場所とは、アモル神の像の後ろにポッカリと開いている、地下へと向かう為の階段がある長方形の穴だ。誰もアモル神の像、神々の後ろに安易に立たないという考えから、アモル神の像の後ろに地下への入り口を作ったのだろう。
「教皇が奴らを封印の場所まで案内したという事かの」
「間違いなくそうじゃろう。恐らくは代々の教皇にのみ、封印の場所へと向かう入り口の位置や、その入り口を解き放つ方法を知っておったんじゃろう」
地下への入り口をなる長方形の穴。その穴を中心にして、大理石の床に穴よりも一回り大きな魔法陣が展開されている。この魔法陣は、地下への入り口を隠すためのものであり、普段は目に見えないように隠蔽されている様だ。それがこうして目に見えているという事は、ジャック爺やローザさんの言う様に、教皇が自らの意思でこの魔法陣を発動させ、奴らを封印の場所まで案内したのだろう。
「何があってもいい様に、俺が先頭で階段を降りていくよ」
「警戒を緩める事なく、何かを感じたら直ぐに止まり、儂らと情報を共有するんじゃぞ」
「魔力感知を常に怠る事なく、一瞬でも異変を見逃すでないぞ」
「ウォルター君、気を付けてね」
「ウォルター、絶対に皆で帰りますからね」
「皆が待ってる屋敷に全員で帰るの」
「美味しい紅茶を楽しんで――――」
「――――美味しいお菓子で幸せになりましょう」
「ああ。絶対に皆で一緒に、待ってくれている人たちの所に帰ろう」
ここから先は、奴らの主戦力である魔法使いたちが、俺たちの事を狩るために待ち構えている。俺は一度深い深呼吸を繰り返し、地下での相手は魔境に生息する魔物レベルであると考え、意識を魔境にいる時のものに切り替える。
魔境という土地では、何があってもおかしくない状況が、息吐く間もなく襲い掛かってくる事は常だ。だからこそ魔境にいる時を同じく意識でいる事で、相手が何を仕掛けて攻めてこようとも、精密な魔力感知と身体強化で鋭くなった五感で、それらを全てを見抜き防いでみせる。
そして、勇者や聖女ジャンヌの意思を継ぎ、今度こそ暗き闇を完全に消滅させる。
「それじゃあ、地下へと進みましょうか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる