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第342話
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下に向かう階段を降りきった俺たちだが、やはり階段を降りている途中も、降りきって直ぐに奇襲される事もなかった。ここまでくると、俺たちが舐められているというのもあるが、現状を正しく把握する能力が欠如していると言わざるを得ない。
仲間内で争い合っているというのは、ミスリルゴーレムと融合した男や、グリフォンと融合した男との会話から分かっている。だからこそ、負けた者たちの事を弱かっただけだと貶し、俺たちの戦力を正しく把握しようとしないままに戦おうとする。
それがどれだけ危険な事だという事なのか、本当に戦闘経験が豊富な者ならば、絶対に分かっているんだかな。
「もはや、怒りよりも呆れが先にくるの」
「仕方なかろう。奴らは外法に手を染め、怠惰でいる事に慣れ切っている。今更相手の戦力を正しく把握しようなど、頭の片隅にでも浮かんでくるはずがない」
「戦場に身を置く者、戦闘経験が豊富な者ならば、相手の戦力把握は常識といってもいいんですが……。暗き闇の力や魔力を得た事で、慢心しすぎてしまったんですね」
戦場に長く身を置いている者や、高ランクの魔物と戦う事が多い高位冒険者など、戦闘経験が豊富な者たちは戦う相手の戦力把握を怠らない。
何故なら、それを怠る事は即ち死に繋がるからだ。
戦場での殺し合いや、魔物相手の命のやり合いに、模擬戦や試合の時の様な“待った”はない。何度でも失敗する事が出来る模擬戦や試合とは違い、真剣勝負での殺し合いには手加減などないし、仲良しこよしも暗黙の了解も存在しない。
その場にあるのは、ただただ相手の命を奪い取る事で、自分が勝って生き残るという結果のみ。
自分の命を掛金にした常に一発勝負の連続だからこそ、自分が命を奪い取られない様に、死にたくないからこそ戦う相手の戦力を把握する。それが出来ない者から順に、戦場や魔物との戦いで先に死んでいく。
死んだらそれで終わり。どれだけの後悔ややり残しがあったとしても、家族や友人たちなど親しい者たちが待っていても、命の灯が尽きれば二度と会う事も何かをする事も出来ない。
俺やイザベラ、クララの様な二度目の生を享けた転生者は、それをよく知っている。
「暗き闇に付き従っている者たちは、家族や親しい者たちを切り捨てたからこそ、自分の欲望や力に対する渇望しかないのかもね」
「そうかもしれんな。儂にはベイルトン辺境伯家がおり、可愛い孫同然のウォルターがおったから、何かあっても簡単には死ねんという気持ちがあった」
「私もそうだ。代々受け継いできた名に、自分の子や孫たち。そして、カトリーヌたち愛すべき一族の者たち。もし皆がおらなかったのならば、自分の事を最優先にして生きておったのかもしれんの」
ジャック爺とローザさんが、俺の言葉に納得しつつ自分の事を振り返っていた。もしもの人生を思い浮かべ、自分もそうなっていた可能性がある事と、そうならなかった事に感謝している。
「だからでしょうね。暗き闇に自分が選ばれて、魔力や力を授けられたという事が絶対の自信に繋がっているのは。その自信から自分の実力を過信して、努力する事を忘れて怠惰になり、自分以外の人を見下す様になったんでしょうね」
カトリーヌの言葉に、自分たちがそうならない様に気を付けようと、イザベラたちが気を引き締め直していた。俺もまた自分の力を過信して、周囲の人たちを見下す事がない様にと、改めて心に刻みつけて気を引き締め直した。
仲間内で争い合っているというのは、ミスリルゴーレムと融合した男や、グリフォンと融合した男との会話から分かっている。だからこそ、負けた者たちの事を弱かっただけだと貶し、俺たちの戦力を正しく把握しようとしないままに戦おうとする。
それがどれだけ危険な事だという事なのか、本当に戦闘経験が豊富な者ならば、絶対に分かっているんだかな。
「もはや、怒りよりも呆れが先にくるの」
「仕方なかろう。奴らは外法に手を染め、怠惰でいる事に慣れ切っている。今更相手の戦力を正しく把握しようなど、頭の片隅にでも浮かんでくるはずがない」
「戦場に身を置く者、戦闘経験が豊富な者ならば、相手の戦力把握は常識といってもいいんですが……。暗き闇の力や魔力を得た事で、慢心しすぎてしまったんですね」
戦場に長く身を置いている者や、高ランクの魔物と戦う事が多い高位冒険者など、戦闘経験が豊富な者たちは戦う相手の戦力把握を怠らない。
何故なら、それを怠る事は即ち死に繋がるからだ。
戦場での殺し合いや、魔物相手の命のやり合いに、模擬戦や試合の時の様な“待った”はない。何度でも失敗する事が出来る模擬戦や試合とは違い、真剣勝負での殺し合いには手加減などないし、仲良しこよしも暗黙の了解も存在しない。
その場にあるのは、ただただ相手の命を奪い取る事で、自分が勝って生き残るという結果のみ。
自分の命を掛金にした常に一発勝負の連続だからこそ、自分が命を奪い取られない様に、死にたくないからこそ戦う相手の戦力を把握する。それが出来ない者から順に、戦場や魔物との戦いで先に死んでいく。
死んだらそれで終わり。どれだけの後悔ややり残しがあったとしても、家族や友人たちなど親しい者たちが待っていても、命の灯が尽きれば二度と会う事も何かをする事も出来ない。
俺やイザベラ、クララの様な二度目の生を享けた転生者は、それをよく知っている。
「暗き闇に付き従っている者たちは、家族や親しい者たちを切り捨てたからこそ、自分の欲望や力に対する渇望しかないのかもね」
「そうかもしれんな。儂にはベイルトン辺境伯家がおり、可愛い孫同然のウォルターがおったから、何かあっても簡単には死ねんという気持ちがあった」
「私もそうだ。代々受け継いできた名に、自分の子や孫たち。そして、カトリーヌたち愛すべき一族の者たち。もし皆がおらなかったのならば、自分の事を最優先にして生きておったのかもしれんの」
ジャック爺とローザさんが、俺の言葉に納得しつつ自分の事を振り返っていた。もしもの人生を思い浮かべ、自分もそうなっていた可能性がある事と、そうならなかった事に感謝している。
「だからでしょうね。暗き闇に自分が選ばれて、魔力や力を授けられたという事が絶対の自信に繋がっているのは。その自信から自分の実力を過信して、努力する事を忘れて怠惰になり、自分以外の人を見下す様になったんでしょうね」
カトリーヌの言葉に、自分たちがそうならない様に気を付けようと、イザベラたちが気を引き締め直していた。俺もまた自分の力を過信して、周囲の人たちを見下す事がない様にと、改めて心に刻みつけて気を引き締め直した。
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