5 / 7
第5話
しおりを挟む
小・中・高と普通に学校に通い、友達も多くいた。祖父と祖母が亡くなるまでは、祖父と祖母の家に月の何日か遊びに行っていた。一部は普通ではなかったけれど、それ以外はごくごく普通の人としての生活を送っていた。そんな生活が変わったのは、高校生の頃に祖父が亡くなり、そんな祖父を追いかけるように次いで祖母が亡くなり、大事な人を立て続けに失った頃からだろう。
友達と遊びに行ったりするには休日だけ変えて、平日は授業終わりに寄り道せずに家へと帰る様にした。少しでも多くの時間を、紗雪さんと一緒に過ごしたかったからだ。祖父と祖父が亡くなった時から、俺にとっての家族は紗雪さんだけとなった。それからは、育ててもらった恩を返すために、紗雪さんのために生きていこうと密かに決意した。
その日から、俺の世界は紗雪さんを中心とするものになり、紗雪さんがいる場所がが俺の生きる場所となった。
『お二人とも、思い当たる事がありそうですね』
「ええ、確かにその条件には当てはまりそうです」
「そうだな。私も色々と思い当たる事があった」
『一応の納得をしてもらえたという事で、話を先に進めたいと思います。まず最初に、凍夜さんと紗雪さんにお願いしたい事があります』
「お願いしたい事ですか?」
『はい、そうです。お願いしたい事とは、この子の事です。この子はまだ生まれたばかりの眷属で、神の眷属としての格も低く力も弱いです。なので貴方たち二人の傍に置いてもらい、この子を守護してほしいのです』
「…………それに対する対価は?」
「紗雪さん、引き受けるの?」
「神がわざわざ下手に出てお願いをしてくるんだ。その態度を取っている内に引き受けた方がいい」
「それも、日本の神々といろいろあった時の教訓?」
「そうだ。こいつらの様な存在を怒らせたりすると、非常に面倒な事になる事は間違いない。そうなった時の方が何倍も厄介な事になる」
『ふふふ、紗雪さんは私たちの様な存在について、よくご存じですね。それで、凍夜さんはどうしますか?』
紗雪さんが日本の神々との事を思い出したのか、苦々しい顔をしている。あんな顔をしてしまう程に、色々と面倒事とやらを押し付けられたりしたのだろう。それを自分の身でも体験したいかといえば、したくはないというのが本音だ。なので、変に逆らう事なく引き受ける事にした。
「……分かりました、引き受けます」
『快く引き受けてくださり、ありがとうございます』
「だが先程も言ったが、対価はしっかりともらうぞ」
『はい、それは勿論です。娘を守ってもらうのに、神としても親としても、お二人に何も与えないという選択肢はありません。なのでお二人には、私の加護を授けたいと思います。紗雪さんもそれで宜しいですか?』
「……十分すぎる程だ。加護に関して詳しく教えてくれ」
『分かりました。私の加護を授かった者は、自由自在に水を生みだす事が出来る様になり、水という存在を支配下に置いて、意のままに操る事が出来るようになります。それが例え、どんな相手であろうと、どんな場所であろうともです。勿論、私や娘たち以外のですけどね』
ネロさんはそう言って、ニコリと微笑む。流石は水を司る最高神と言うべきか、授けられる加護が強大過ぎるな。そして、その強大な加護による力がネロさんの力のほんの一端であるという事を理解し、紗雪さんが怒らせると面倒な事になると言った意味が、ようやく実感として湧いてきた。
友達と遊びに行ったりするには休日だけ変えて、平日は授業終わりに寄り道せずに家へと帰る様にした。少しでも多くの時間を、紗雪さんと一緒に過ごしたかったからだ。祖父と祖父が亡くなった時から、俺にとっての家族は紗雪さんだけとなった。それからは、育ててもらった恩を返すために、紗雪さんのために生きていこうと密かに決意した。
その日から、俺の世界は紗雪さんを中心とするものになり、紗雪さんがいる場所がが俺の生きる場所となった。
『お二人とも、思い当たる事がありそうですね』
「ええ、確かにその条件には当てはまりそうです」
「そうだな。私も色々と思い当たる事があった」
『一応の納得をしてもらえたという事で、話を先に進めたいと思います。まず最初に、凍夜さんと紗雪さんにお願いしたい事があります』
「お願いしたい事ですか?」
『はい、そうです。お願いしたい事とは、この子の事です。この子はまだ生まれたばかりの眷属で、神の眷属としての格も低く力も弱いです。なので貴方たち二人の傍に置いてもらい、この子を守護してほしいのです』
「…………それに対する対価は?」
「紗雪さん、引き受けるの?」
「神がわざわざ下手に出てお願いをしてくるんだ。その態度を取っている内に引き受けた方がいい」
「それも、日本の神々といろいろあった時の教訓?」
「そうだ。こいつらの様な存在を怒らせたりすると、非常に面倒な事になる事は間違いない。そうなった時の方が何倍も厄介な事になる」
『ふふふ、紗雪さんは私たちの様な存在について、よくご存じですね。それで、凍夜さんはどうしますか?』
紗雪さんが日本の神々との事を思い出したのか、苦々しい顔をしている。あんな顔をしてしまう程に、色々と面倒事とやらを押し付けられたりしたのだろう。それを自分の身でも体験したいかといえば、したくはないというのが本音だ。なので、変に逆らう事なく引き受ける事にした。
「……分かりました、引き受けます」
『快く引き受けてくださり、ありがとうございます』
「だが先程も言ったが、対価はしっかりともらうぞ」
『はい、それは勿論です。娘を守ってもらうのに、神としても親としても、お二人に何も与えないという選択肢はありません。なのでお二人には、私の加護を授けたいと思います。紗雪さんもそれで宜しいですか?』
「……十分すぎる程だ。加護に関して詳しく教えてくれ」
『分かりました。私の加護を授かった者は、自由自在に水を生みだす事が出来る様になり、水という存在を支配下に置いて、意のままに操る事が出来るようになります。それが例え、どんな相手であろうと、どんな場所であろうともです。勿論、私や娘たち以外のですけどね』
ネロさんはそう言って、ニコリと微笑む。流石は水を司る最高神と言うべきか、授けられる加護が強大過ぎるな。そして、その強大な加護による力がネロさんの力のほんの一端であるという事を理解し、紗雪さんが怒らせると面倒な事になると言った意味が、ようやく実感として湧いてきた。
0
あなたにおすすめの小説
東京ダンジョン物語
さきがけ
ファンタジー
10年前、世界中に突如として出現したダンジョン。
大学3年生の平山悠真は、幼馴染の綾瀬美琴と共に、新宿中央公園ダンジョンで探索者として活動していた。
ある日、ダンジョン10階層の隠し部屋で発見した七色に輝く特殊なスキルストーン。
絶体絶命の危機の中で発動したそれは、前代未聞のスキル『無限複製』だった。
あらゆる物を完全に複製できるこの力は、悠真たちの運命を大きく変えていく。
やがて妹の病を治すために孤独な戦いを続ける剣士・朝霧紗夜が仲間に加わり、3人は『無限複製』の真の可能性に気づき始める。
スキルを駆使して想像を超える強化を実現した彼らは、誰も到達できなかった未踏の階層へと挑んでいく。
無限の可能性を秘めた最強スキルを手に、若き探索者たちが紡ぐ現代ダンジョンファンタジー、ここに開幕!
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる