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応急処置だと思ったら、蛇人とセックスしてました
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「あっ、蛇目さん!今日もお世話になります。」
「ああ、雨野さん。来てくれたんですね。今日も是非キャンプを楽しんでいってください!」
車から降りてすぐ、管理人の蛇目さんに会った。いつもは俺から挨拶に向かうので、ここで会うのはちょっと珍しい。
最低限の装備品を車に詰め込んで一時間半高速を走り、更に一時間ほど狭い山道を進み続ければ、美しく壮大な自然と澄んだ空気を堪能できる小さなキャンプ場、スネークビレッジに到着する。
このキャンプ場はいわば、知る人ぞ知る隠れた名所というやつだった。ネットには殆ど情報が出回っていなくて、営業時間やキャンプ場の正確な場所すら知っている人はほとんど知らなかった。たまたま知り合ったキャンプ仲間からここの噂を聞くことがなければ、きっと俺はスネークビレッジの名前すら知ることができなかっただろう。
知名度が極端に低いのには理由があった。
まず、交通がえらく不便な地方の山中にあるため、そもそも行った経験がある者自体が少ないこと。
加えて、スネークビレッジはある蛇人が個蛇(人)経営しているキャンプ場であり、その時点で行こうと思うやつがいないこと。
この条件が揃って、スネークビレッジは人からの噂伝手でなければ存在すら知ることができないほど無名のキャンプ場になっていた。
それでもこうしてキャンパーたちの噂になるのは、ひとえに管理人が蛇人だからだろう。
社会の様々な場面で多様な種族が活躍し、特定の種に対する偏見もほぼなくなってきた現代でさえ、蛇人は未だ冷徹で執念深い種族だと、根強いイメージが残っている。
実際のところ、スネークビレッジの管理人もかなり気難しい蛇人らしい。少しでも管理人の機嫌を損ねれば生きては帰れず、スネークビレッジに行ったっきり行方不明になった者は数知れない…などと、尾ひれがついた噂話は雑談の賑やかしになっていた。
今から半年ほど前、ソロキャンプにも慣れてきて調子に乗っていた当時の俺は、その噂の真偽を確かめてやろうと躍起になっていた。キャンプ仲間のツテを何人も頼り、なんとかスネークビレッジの場所を聞き出すことに成功して、一人でその場所に向かった。
確かに、スネークビレッジは恐ろしいほど分かりにくい場所にあった。
車のナビは途中から使い物にならなくなるし、かろうじて車一台が通れる狭い山道を何度も迷いそうになりながら必死に走って、予定より大幅に遅れて到着したことを覚えている。
やっとのことで辿り着いたスネークビレッジは、拍子抜けするほどなんの変哲もない普通のキャンプ場だった。
確かにキャンプにしては少し狭かったが、太陽光の差し込む緑の森林はどこまでも続き、近くには透明度の高い小川が流れ、キャンプの醍醐味とも言える理想的な大自然を味わえる場所だった。
管理人の蛇目さんも、勝手に頭の中で想像していた頑固な老蛇人とは全く違う優しそうな若い男性だった。
ブロンドの少し長い髪を軽く後ろで束ね、黒縁の眼鏡をかけた優しそうな目をした人で、腰からブロンドと紫のまだら模様をした蛇の胴体がなければ普通の大学生のような出で立ちをしていた。
蛇人は年齢が顔に出にくいから、実際のところ蛇目さんが何歳なのかは分からないけど。
蛇目さんは何の事前連絡もせずに(そもそも連絡する手段はなかったが)訪れた俺を優しくもてなしてくれて、噂なんて当てにならないなと思った。
帰る時も、交通の便が悪くて申し訳ないが、よければまた遊びに来て欲しいなんて優しく微笑まれて、いつしか俺は休日には定期的に訪れるようになっていた。
キャンプ仲間にはスネークビレッジに一人で行ってきたこと、噂とは全く違ってすごく良いキャンプ場だったことを素直に話したけど、俺の話をまともに聞いてくれる奴は一人もいなかった。
それどころか、「お前の話はおかしい。辻褄が合わないところが所々あるし、認知を歪められてないか?多分そこの蛇人に目をつけられてるから、もう二度と行かない方がいい」などという、俺に対する嫉妬?言いがかり?みたいなことを言われて、そこからキャンプ仲間とは自然と疎遠になった。
気のいい奴らだったけど、あんな変な文句をつけてくるなんて。あいつらも一度スネークビレッジに来てみれば俺の言っていることが嘘じゃないって分かるはずなのに。
最近は釣りをしたり、バーベキューをしたりしてソロキャンプを存分に楽しみ、時々こちらの様子を見に来てくれる蛇目さんと談笑しながら、穏やかな時間を楽しむことが休日のルーティンになっていた。
今日も土曜の朝からスネークビレッジに訪れていた。今日は川で釣りをしようと思って、朝からウキウキで車を飛ばしてきたのだった。
「ああ、雨野さん。来てくれたんですね。今日も是非キャンプを楽しんでいってください!」
車から降りてすぐ、管理人の蛇目さんに会った。いつもは俺から挨拶に向かうので、ここで会うのはちょっと珍しい。
最低限の装備品を車に詰め込んで一時間半高速を走り、更に一時間ほど狭い山道を進み続ければ、美しく壮大な自然と澄んだ空気を堪能できる小さなキャンプ場、スネークビレッジに到着する。
このキャンプ場はいわば、知る人ぞ知る隠れた名所というやつだった。ネットには殆ど情報が出回っていなくて、営業時間やキャンプ場の正確な場所すら知っている人はほとんど知らなかった。たまたま知り合ったキャンプ仲間からここの噂を聞くことがなければ、きっと俺はスネークビレッジの名前すら知ることができなかっただろう。
知名度が極端に低いのには理由があった。
まず、交通がえらく不便な地方の山中にあるため、そもそも行った経験がある者自体が少ないこと。
加えて、スネークビレッジはある蛇人が個蛇(人)経営しているキャンプ場であり、その時点で行こうと思うやつがいないこと。
この条件が揃って、スネークビレッジは人からの噂伝手でなければ存在すら知ることができないほど無名のキャンプ場になっていた。
それでもこうしてキャンパーたちの噂になるのは、ひとえに管理人が蛇人だからだろう。
社会の様々な場面で多様な種族が活躍し、特定の種に対する偏見もほぼなくなってきた現代でさえ、蛇人は未だ冷徹で執念深い種族だと、根強いイメージが残っている。
実際のところ、スネークビレッジの管理人もかなり気難しい蛇人らしい。少しでも管理人の機嫌を損ねれば生きては帰れず、スネークビレッジに行ったっきり行方不明になった者は数知れない…などと、尾ひれがついた噂話は雑談の賑やかしになっていた。
今から半年ほど前、ソロキャンプにも慣れてきて調子に乗っていた当時の俺は、その噂の真偽を確かめてやろうと躍起になっていた。キャンプ仲間のツテを何人も頼り、なんとかスネークビレッジの場所を聞き出すことに成功して、一人でその場所に向かった。
確かに、スネークビレッジは恐ろしいほど分かりにくい場所にあった。
車のナビは途中から使い物にならなくなるし、かろうじて車一台が通れる狭い山道を何度も迷いそうになりながら必死に走って、予定より大幅に遅れて到着したことを覚えている。
やっとのことで辿り着いたスネークビレッジは、拍子抜けするほどなんの変哲もない普通のキャンプ場だった。
確かにキャンプにしては少し狭かったが、太陽光の差し込む緑の森林はどこまでも続き、近くには透明度の高い小川が流れ、キャンプの醍醐味とも言える理想的な大自然を味わえる場所だった。
管理人の蛇目さんも、勝手に頭の中で想像していた頑固な老蛇人とは全く違う優しそうな若い男性だった。
ブロンドの少し長い髪を軽く後ろで束ね、黒縁の眼鏡をかけた優しそうな目をした人で、腰からブロンドと紫のまだら模様をした蛇の胴体がなければ普通の大学生のような出で立ちをしていた。
蛇人は年齢が顔に出にくいから、実際のところ蛇目さんが何歳なのかは分からないけど。
蛇目さんは何の事前連絡もせずに(そもそも連絡する手段はなかったが)訪れた俺を優しくもてなしてくれて、噂なんて当てにならないなと思った。
帰る時も、交通の便が悪くて申し訳ないが、よければまた遊びに来て欲しいなんて優しく微笑まれて、いつしか俺は休日には定期的に訪れるようになっていた。
キャンプ仲間にはスネークビレッジに一人で行ってきたこと、噂とは全く違ってすごく良いキャンプ場だったことを素直に話したけど、俺の話をまともに聞いてくれる奴は一人もいなかった。
それどころか、「お前の話はおかしい。辻褄が合わないところが所々あるし、認知を歪められてないか?多分そこの蛇人に目をつけられてるから、もう二度と行かない方がいい」などという、俺に対する嫉妬?言いがかり?みたいなことを言われて、そこからキャンプ仲間とは自然と疎遠になった。
気のいい奴らだったけど、あんな変な文句をつけてくるなんて。あいつらも一度スネークビレッジに来てみれば俺の言っていることが嘘じゃないって分かるはずなのに。
最近は釣りをしたり、バーベキューをしたりしてソロキャンプを存分に楽しみ、時々こちらの様子を見に来てくれる蛇目さんと談笑しながら、穏やかな時間を楽しむことが休日のルーティンになっていた。
今日も土曜の朝からスネークビレッジに訪れていた。今日は川で釣りをしようと思って、朝からウキウキで車を飛ばしてきたのだった。
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