ひまわり～この夏、君がくれたもの～

水樹ゆう

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プロローグ　揺れる向日葵の中で

０１　

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――澄み渡る青空の下、揺れる、一面の向日葵。

　まっすぐ太陽を目指して凛と咲く、大輪の花。

　それは、真夏の強い日差しに焼かれても、けっして負けない、強い花――。

『向日葵の花って、いつだってまっすぐ太陽を見つめているでしょ？　なんだか、太陽に恋しているみたいだって、いつも思ってた。どんなに眩しくても、どんなに暑くても、太陽を目を逸らさずにまっすぐ見つめ続ける、あの凛とした姿が好き。だから、だから、私は――』

　今も鮮やかに甦る、澄んだハイトーンの甘やかな声。

　向けられた、零れるような笑顔。

　その残像を胸に、俺は、静かに、構えていたカメラのシャッターを切った。