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八章 ほころび
夏の風吹く
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一人で遊ぶ夢。
一人で夜を過ごす夢。
一人でご飯を食べる夢。
一人で公園に行こうとして、怒られる夢。
最近、変な夢を見る。
変と言うか、自分がチビだった頃の事が断片的に出てくる、言わば走馬灯に近い夢。
幼稚園だったり家だったり、公園で遊んでいたりただテレビを眺めているだけの夢も。
だけどだんだん、だんだん夢の僕が大きくなっている気がして……それが少し怖い。
起きたときにはそれが気分悪く頭に残るけど、昼にもなればその内容も忘れる。
なんてことのない、些細な事……。
些細な事……だけど。
「はぁ~……」
今日で一週間、こうも毎日毎日続くとだるくなる。
夢以上悪夢未満の内容、なんて事の無いようで、致命的で僕にとっては二度と見たくないもの。
ぐっすりと寝ているのにまるで徹夜した後のように頭が重い……。
あぁやだやだ。
「ため息なんてついてどうしたんだ? 」
ピカピカに磨かれた冷たいテーブルに突っ伏していると、仕事をしていた王様が手を止めて顔を上げた。
あ、ここ王様の執務室ね。
「んー? 暑いなぁって」
「今日は涼しいと思うんだがな」
「暑がりなのよ」
「そうか」
そう言って納得した王様は仕事に戻る。
書類提出しなかったアルさんは王様とミネルスさんに雷落とされて現在僕を没収されております。僕。没収……なんか納得できないけどいいや。
特にすることのない僕はだらだらと王様の部屋にいるわけだけど………んんー。
「…………」
適度な広さの執務室、王様の机には束になった書類のタワー、聞こえるのはペンを走らせ紙をめくる音、大きな窓から入るそよ風。
オークちゃんは隣の部屋にいる。
二つ尻尾のあるねこちゃんはどっか行った。
「ねぇ王様~」
「なんだー? 」
「なんか手伝う事ある? 」
「んー? 」
ひょこひょこと王様のいる机まで歩いていった僕は目を丸くした王様と目が合う。
「……手伝ってくれるのか?」
「うん」
「いきなりどうした」
「いきなり……て訳じゃないけど……」
「熱でもあるのか」
「ないよ」
「じゃあ何か嫌な事でも? 」
「ないったら」
「………アルギスに何かされたか? 」
「されてないって」
なんでそんな食い気味に言うの、そんな驚くこと?
「んん……だがな~」
「手伝う事無いならいいけど」
「いや、人手が増えるのはありがたい……が、イム」
「何なりと」
「ラグーンに何か出来ることはないか、お前の意見を聞きたい」
眉間が寄って難しい顔をしている王様は近くにいる執事さんに声をかけた。
「そうですね……」
白髪一色の髪の毛をきれいに整え、背筋がピンと伸びた渋い雰囲気の執事さんは優しげな表情で僕を見る。
「ご友人様、質問を幾つかよろしいですか? 」
「………………あ、ぼく? 」
「お前しかいないだろう」
「いや呼び方が初耳でね」
「俺の友達だからご友人様、簡単だろ? 」
「あぁ、なるほど……質問、だけどいいよ」
「ありがとうございます」
疑問が解決した僕は執事さんを見る。
「ご友人様は何か得意としている事は? 」
「特に無いです」
「では、勉学で何か得意なものは」
「特に無いです」
「…………」
「…………」
「好きなスポーツや教科は」
「無いです」
「………………」
「無い無い尽くしだな………」
「悪いねパッとしないちびっこで」
「そんな事はないが………」
勉強も運動も大嫌いでゲーム大好き読書大好き土日は部活か家でごろごろしてますよーだ、へっ、これぞ現代人。
「それでは………えー、計算は何処まで出来ますか? 」
計算? 数学かな?
「因数分解とか全然わかんないかな」
理解が及ばん、やだあれ。
「………………ん? 」
「三平方の定理はギリギリわかるけど、二次方程式が未だにわかんない」
「………ラグーン? 」
「なに? 」
「イムが聞いているの帳簿や予算の計算が出来るかどうかだぞ? 」
「あぁ成る程、……できるよ」
「……………ありがとうございます」
最後に長い間があったけどあれなーに……?
何か考えている執事さんをじっと見ているとちょいちょいと王様に肩を叩かれる。
「なあラグーン」
「んー? 」
「書類の整理とか書類に目を通して簡単な意見をくれたりとか、出来るか? 」
「やってみなくちゃ分からないけど……多分出来るよ」
「ほんとか!? よし!! 」
にかっと嬉しそうに笑う王様はとても爽やかだけど……目にちょっと隈が浮いててちょっと………。
王様ちゃんと寝てる?
★★★
一応すべての話の調整が終わったので、これからまたぼちぼちと連載再開します。
追加したエピソード等がございますのでよければみてください
一人で夜を過ごす夢。
一人でご飯を食べる夢。
一人で公園に行こうとして、怒られる夢。
最近、変な夢を見る。
変と言うか、自分がチビだった頃の事が断片的に出てくる、言わば走馬灯に近い夢。
幼稚園だったり家だったり、公園で遊んでいたりただテレビを眺めているだけの夢も。
だけどだんだん、だんだん夢の僕が大きくなっている気がして……それが少し怖い。
起きたときにはそれが気分悪く頭に残るけど、昼にもなればその内容も忘れる。
なんてことのない、些細な事……。
些細な事……だけど。
「はぁ~……」
今日で一週間、こうも毎日毎日続くとだるくなる。
夢以上悪夢未満の内容、なんて事の無いようで、致命的で僕にとっては二度と見たくないもの。
ぐっすりと寝ているのにまるで徹夜した後のように頭が重い……。
あぁやだやだ。
「ため息なんてついてどうしたんだ? 」
ピカピカに磨かれた冷たいテーブルに突っ伏していると、仕事をしていた王様が手を止めて顔を上げた。
あ、ここ王様の執務室ね。
「んー? 暑いなぁって」
「今日は涼しいと思うんだがな」
「暑がりなのよ」
「そうか」
そう言って納得した王様は仕事に戻る。
書類提出しなかったアルさんは王様とミネルスさんに雷落とされて現在僕を没収されております。僕。没収……なんか納得できないけどいいや。
特にすることのない僕はだらだらと王様の部屋にいるわけだけど………んんー。
「…………」
適度な広さの執務室、王様の机には束になった書類のタワー、聞こえるのはペンを走らせ紙をめくる音、大きな窓から入るそよ風。
オークちゃんは隣の部屋にいる。
二つ尻尾のあるねこちゃんはどっか行った。
「ねぇ王様~」
「なんだー? 」
「なんか手伝う事ある? 」
「んー? 」
ひょこひょこと王様のいる机まで歩いていった僕は目を丸くした王様と目が合う。
「……手伝ってくれるのか?」
「うん」
「いきなりどうした」
「いきなり……て訳じゃないけど……」
「熱でもあるのか」
「ないよ」
「じゃあ何か嫌な事でも? 」
「ないったら」
「………アルギスに何かされたか? 」
「されてないって」
なんでそんな食い気味に言うの、そんな驚くこと?
「んん……だがな~」
「手伝う事無いならいいけど」
「いや、人手が増えるのはありがたい……が、イム」
「何なりと」
「ラグーンに何か出来ることはないか、お前の意見を聞きたい」
眉間が寄って難しい顔をしている王様は近くにいる執事さんに声をかけた。
「そうですね……」
白髪一色の髪の毛をきれいに整え、背筋がピンと伸びた渋い雰囲気の執事さんは優しげな表情で僕を見る。
「ご友人様、質問を幾つかよろしいですか? 」
「………………あ、ぼく? 」
「お前しかいないだろう」
「いや呼び方が初耳でね」
「俺の友達だからご友人様、簡単だろ? 」
「あぁ、なるほど……質問、だけどいいよ」
「ありがとうございます」
疑問が解決した僕は執事さんを見る。
「ご友人様は何か得意としている事は? 」
「特に無いです」
「では、勉学で何か得意なものは」
「特に無いです」
「…………」
「…………」
「好きなスポーツや教科は」
「無いです」
「………………」
「無い無い尽くしだな………」
「悪いねパッとしないちびっこで」
「そんな事はないが………」
勉強も運動も大嫌いでゲーム大好き読書大好き土日は部活か家でごろごろしてますよーだ、へっ、これぞ現代人。
「それでは………えー、計算は何処まで出来ますか? 」
計算? 数学かな?
「因数分解とか全然わかんないかな」
理解が及ばん、やだあれ。
「………………ん? 」
「三平方の定理はギリギリわかるけど、二次方程式が未だにわかんない」
「………ラグーン? 」
「なに? 」
「イムが聞いているの帳簿や予算の計算が出来るかどうかだぞ? 」
「あぁ成る程、……できるよ」
「……………ありがとうございます」
最後に長い間があったけどあれなーに……?
何か考えている執事さんをじっと見ているとちょいちょいと王様に肩を叩かれる。
「なあラグーン」
「んー? 」
「書類の整理とか書類に目を通して簡単な意見をくれたりとか、出来るか? 」
「やってみなくちゃ分からないけど……多分出来るよ」
「ほんとか!? よし!! 」
にかっと嬉しそうに笑う王様はとても爽やかだけど……目にちょっと隈が浮いててちょっと………。
王様ちゃんと寝てる?
★★★
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―――
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