とある少女の異世界奮闘記+α

輝国 飛鷹

文字の大きさ
45 / 69
『学生ラグナロク教』編

第42話《そして『負け組』は敵地へと向かう》

しおりを挟む


      10


 アヤノンは走る。
 瓦礫や亀裂の入った壁その他もろもろが視界に入り込むが、そんな事はお構いなしに。
 アヤノンは走る。
 途中でニュースの生中継があっていても、その撮影場をお構いなしに横切る。
 アヤノンは、走る、
 走る!
 ガタンと戸を開く音が盛大に鳴る。花崎女医はビクリと肩を震わせ音の鳴った方を振り向いた。
「なんだ…………貴方たちだったのね」アヤノン一行───アヤノン、マリナーラ、ジェンダー、カクテル刑事のメンバー───を見た女医は短く吐息をつくと、「急いで来たのは分かるけど、もう少し落ち着いて来てちょうだいな。一応、こんな建物でも病院やってるんだから」
 しかしそんな声は聞こえんと言わんばかりに、女医が扱ったに一行は駆け寄る。まるで遺言を聞くためだけに集まった一族のようにその患者の周りを囲んで、ギプスやら点滴やら酸素マスクやらが繋がれたツインテールの美少女の様子を伺った。
 患者の名前はセリア・マルコフというらしい。
 女医はカルテを見てようやくツインテール少女の名を知ったのだが、どうやら彼らとその患者は知り合いらしかった。
 見ていた刑事は悔し涙の代わりに歯を噛み締めた。

 ビルから落とされた、らしい。

 複数の証人によると、セリア・マルコフは黒いフードの集団によってビルから落とされたそうだ。それが一体どういう経緯でそんな事態に至ったのか。そんな事は所詮しょせん底辺のぺーぺーの刑事が知るはずもない。というか、知る由もないはずだった。
 だって当然だろう。なんで警察は早く動いてくれなかったのかとか言われても、警察だって全ての犯罪を確認できてる訳じゃないし、そもそも証拠すらないのであれば、動くことすら敵わないのだから。
 
 刑事はもう分かっていた。
 ラグナロク教の狙いは──グレー=ルイスの心深くに眠る、真の狙いは──。
「…………アイツら、なんだよな」福本アヤノンが震えた口を動かして言う。「………あのラグナロクとかいうイカれた連中がやったんだよな」
「…………そうだぜぇ」
 答えにくかった。それが己の心を知らずのうちに縄で締め付けてるようで。
 だが、刑事には答える義務があった。
「奴らの目的は最初からこれだったのさぁ」
 刑事は昏睡状態のセリアを見据える。
「狙いって…………どういうことですか」とジェンダーは尋ねる。
「………ラグナロク教創始者、グレー=ルイス。こいつは単に学生の自由とか、今の世の中に不満があるとか、そんな事でラグナロク教を開設したわけじゃねーってことよぉ」
「ま、まさか、セリアを殺すのが本来の目的とか言うんじゃあ───」
「わりぃが…………当たってるぜお嬢ちゃん」
 福本アヤノンはボケッとして回答の理解に苦しんだ。
「…………は?」
「その通りだって言ってんだぁ。ラグナロク教は学生の自由のためじゃねぇ。
「どういう…………ことだよ。なぁ、刑事さん」
 フラついたような声でアヤノンは尋ねる。

 刑事は知り得た全ての『真実』を未熟な少年少女らに突きつけた。

「…………セリアが、グレー=ルイスの娘を自殺に追いやった?」
「当時の捜査情報はそうなってるぜぇ。俺の後輩が血眼に探したやつだろうから、当時『捜査ミス』とかいうのがなけりゃー事実だぁ」
「そんなっ……………」
 マリナーラが口許に両手を添え、涙目で嘆く。
 別に仲が良かったわけじゃない。むしろ敵対に近いような感覚だったはずだ。ドッチボールの時だってそうだったではないか。
 けれど、は信じられなかった。
 『セリアがとある少女を自殺に追いやった』だなんて───。
「…………それでも」アヤノンの声が渦巻く。「………だからってセリアをこんな目に遭わせたラグナロク教あいつらを、俺は許さない」
「アヤノンちゃん……………」
「マリナーラ。確かにこいつはどこかお嬢様感があって、少しイラついた奴だったけど、だからって人を苛めるような奴だとは、俺は思わない。仮にそれが真実だとしても、裏で何かあったはずだ。だから…………」
 続く言葉が重く沈んでいくのをアヤノンは感じた。
 自分がバカみたいな事を言っているのは分かっている。まだ出会って1週間しか経たないというのに、どこにセリアかのじょを信じる根拠があるのだと言われたら痛いところだが、
 ───そうじゃない。そんなものじゃないんだ。
 アヤノンはただ単にだけなのだ。
 自分と関わってきた人間がそうでない事を信じたいだけで、アニメやマンガで聞くようなカッコいい根拠なんてものは存在しないのだ。
 こんなの、ただの現実逃避げんじつとうひにすぎない。
 ───けど、現実逃避でもいい。
 アヤノンは信じている。
 セリア=マルコフという人間が、
 
「…………はぁ。お嬢ちゃんたちも中々頑固な奴らだねぇ」
 薄く笑みを浮かべた刑事は、目覚めのカクテルを一杯飲み干す。
「───ぷはぁ! ああ、目が覚めた! やっぱこんな重っ苦しい雰囲気は嫌いだぜぇ!」
「…………あんた、今はそんな雰囲気にもなれないわよ」と花崎女医からの忠告アドバイス
「うっせぇ! お嬢ちゃんたちがセリア=マルコフと知り合いだっていうから連れてきてみれば、こんな潰れた面子ばっかなんだぞぉ!? 全然盛り上がらねぇ!」
「盛り上がる時じゃないでしょ今は…………」
 バカバカしいのか刑事には声だけの対応で、女医はカルテをじっと目で読んでいる。
 すると刑事は、いよいよ酔いがまわったような威勢で、
「おいお前らぁぁ! なんでこんなところでしくしくお葬式みてぇな顔してんでぃ!」
「刑事さん……………」
 アヤノンは顔を上げる。と思うと、マリナーラもジェンダーもだった。
「おめぇら許せねえんだろ? ラグナロクとかいうヘンテコ集団が。ならここにいる暇はねえぞ!」
 ドン! と足を踏み鳴らす。
「やられたらやり返す、それが世の基本だろぉ? だから……………ぶっ飛ばしに行こうぜ、お嬢ちゃんたちよぉ」

「俺たちで、ラグナロク教をコテンパンをしてやんのさぁ!」

 ああ───そうか。
 信じたいならそうするのが当たり前だよな、とアヤノンは独りでに頷き、
「…………なんだよ、そうだよな」とアヤノンは納得したように、「迷う必要はないんだよな。俺たちにできることって…………今はそれしかねーんだよな」
「しょ、正気なのです!?」
「ん? なんだよマリナーラ。お前その気じゃないの?」
「た、だってなのですよ。相手は訳のわからない連中が山程いる集団なのですよね? 私たちみたいな『負け組』が行ったところで、勝てるわけ…………」
「…………僕は行くよ」
 その声の主は一体だれか。理解するのに、そう時間はかからなかった。
「ジェンダー……………くん?」
 小さな声でマリナーラが呼応する。
「だって…………僕もあいつらのこと許せないし、それに………あそこには、僕の友人がいるんだから…………」
 シーナ・ルートピア。
 アヤノンとラグナロク教が初めて出会った日に、彼女の前に現れた赤髪の少女がそれである。
 ラグナロク教の準リーダーに位置する人物であるのは明確だった。アヤノンと初めて交戦した際には、彼女を中心とした陣が展開されていたのだから。
「うん? そちらの新しいお嬢ちゃんも何かの関係者かぁ?」
「…………刑事さん」アヤノンは少々呆れたように、「………女じゃなくて男だよ、ジェンダーくんは」
「………………ん?」
 首をかしげ、薄く生えた髭に軽く触れながらジェンダーを観察する。
「えへへ……………僕、男なんですよ……………」
 ジェンダーはというと、軽く照れて頭を掻いている。
「…………こいつはたまげたなぁ」ようやく理解が追い付いた刑事は、花崎女医を振り向き、「なぁ花崎先生よぉ。これはあんたの人体実験で生まれた合成ミックス人間かぁ?」
「いつ私がそんな怪しげな実験したのよ?」
「いやだって………………………なぁ?」
「そう言われても私と結びつける理由が分かんないわ」
「ほら、医者ってみんながみんな頭イカれてるっていうだろぉ?」
「……………………………ふーん」


 *しばらくお待ち下さい。


「いだだだだだだっ!? やめろ、やめろマッドサイエンティスト! あ、ヤバいバカ、腕折れる、折れるぅぅぅぅぅぅ!」
「だれがマッドサイエンティストよ!?」
 刑事を床に足で押し付け、腕を反対方向にねじ曲げる花崎女医の顔は、例えるなら『マッドサイエンティスト』が妥当であろう。お湯を沸かしたかのように顔を真っ赤にする刑事に容赦なく女医の関節技が叩き込まれるが、その時都合よく刑事のケータイが呼び鈴を鳴らした。
 気分を弾ませてくれそうな心地よいリズムに、刑事の表情はパッと明るくなる。
「お、おい、電話電話! 出るから取り敢えず離せぇ!」
 張り付くように離れない女医を引き剥がすように遠ざけると、刑事はすぐに呼び出しに応答した。
「はい、もしもしぃ?」
『先輩! あかつき、やりましたよ、ついにやりましたよ!』
 相手は後輩のあかつき女性警官である。
「なんだおめぇか」
『むぅ…………なんですかその期待外れな反応はっ!』
「いや、今回ばかりはマジで助かったぞぃ。俺の命はおめぇに救われたわ」
『……………?』
 あと少し続いてたら入院間違いなしであったから。
「ま、それはおいといてだ。暁、何か用かえ?」
『ふふ…………そう聞いてくれるのを待ってたんですよ! 聞いて驚かないでください。なんと暁、例の《ラグナロク教》の本拠地を突き止めたんですよ!』
「ああ、それを待ってたぜぇ。にしてもよく突き止めたな?」
 暁刑事に昨日、手が空いてる時でいいから、ラグナロク教の本拠地を突き止めて欲しいと頼んだときは、長くて2週間はかかると計算を出していた。まさかこんな早く結果が出ようとは。
 暁刑事は嬉しそうな声で、
『だって暁、昨日から寝ず食わずで調査に出てましたからね! お陰ですぐに分かっちゃいました!』
「………………………………なんかぁ、すまん」
 暁刑事はバカ正直な努力家だ。何事にも手を抜かず、命令の為ならば自らの体を削ってでも事件解決に貢献しようとする。
 それが彼女、暁刑事の魅力であり弱点でもあった。
「…………おい暁、今日はもう帰って寝ろぉ。後は俺たちが何とかするぞい」
『ダ、ダメです先輩! 私も連れていってくださいよ!』
「お前今でも無理して電話してんだろい。ムチャはすんな。体調管理のできない奴は刑事失格だと思えぃ。だからそのためにもさっさ帰って寝ろ」
 あ、ちょっ────そこで電話は途切れた。
 刑事は電話を切っていた。
「刑事さん、どうしたんだよ」アヤノンが不安そうに尋ねる。「まさかラグナロク教に動きでもあったのか?」
「んいや、良い方プラスの情報だ。ラグナロク教の本拠地が判明したらしいぜぃ」
「マジか!?」
 少女たち(1人男子)の間でどよめきが充満する。
「これはもしかして、アヤノンちゃん…………」
「ああジェンダーくん。神様は俺たちにチャンスをくれたみたいだな」
「け、結局行っちゃうのです?」
 マリナーラはあくまで控えめだ。
「マリナーラ、俺たちはその気だけど…………お前はイヤなら来なくてもいいぞ? 今回ばかりはお前は関係ないしな」
「うぅ……………そう言われると胸が痛いのですぅー」
 マリナーラは自分だけ仲間外れのような環境が一番嫌いなのだ。それを打ち破るためならば、どんな危険事でも付き合うのが彼女である。
 だぁー、もう! と言わんばかりの地団駄を踏んで、
「分かったのですよ! 関係ないけど首を突っ込んでやりましゅ───」
 思わず下を噛んだ。
 それに気づいた頃には、マリナーラは顔を真っ赤にして両手で顔を覆った。

 病室に、どっと笑いが生まれた。


      *


 マリア・ルートピアのもとに電話がかかってきたのは、すでに午後5時を過ぎた当たりからである。
 今日は珍しくこの時間帯から帰路についていた。
 マリアちゃんいつもがむしゃらで働いてっから、今日はこれで切り上げていいよ───貫禄のついた中年の店長にそう言われ、こうして帰路についてみたは良いものの、帰っても姉のシーナ・ルートピアは『ラグナロク教』に打ち込んで帰って来ていないのを思いだし、仕方ないので近くのオシャレな喫茶店で時間を潰していたのだ。
 そんな彼女だからこそ、ケータイの電話鈴が鳴って彼女は今面食らっている。
 ───こんな一人ぼっちの自分に、一体だれが?
『もしもし、マリアちゃん?』
 この───女の子のような甘い声は───
「…………ジェンダー……………?」
『うん、僕だよ。久しぶりだね』
 家族ぐるみから仲の良かった、マリアの親友、ジェンダーからだった。
「どうしたの? そっちから電話してくるなんて珍しいわね、わね」
『マリアちゃん、今お姉さんどうしてる?』
「…………お姉ちゃんならどっか行ったわ」
『……………、』
「もしかして、心配してくれてるの? 大丈夫だよ、だよ。もう私たち姉妹の関係は───」


『お姉さんを助けに行かない? マリアちゃん』


 そこで少女の口は止まった。まるで時間が全てキレイに止まったかのように。

 







 
 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー
ファンタジー
 ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。  これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。 設定 この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。 その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。

九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

異世界きたのに、冒険者試験で詰みました。

アセチルサリチルさん
ファンタジー
【追放もざまぁも無双もない。あるのは借金と酒と笑いのみ!】 お父さん。お母さん。 あなたたちの可愛い息子は―― 異世界で、冒険者になれませんでした。 冒険者ギルドでのステータス鑑定。 結果は「普通」でも、 固有スキルは字面最強の《時間停止》 ……なのに。 筆記試験ではギルド創設以来の最低点。 そのまま養成所送りで学費は借金三十万。 異世界初日で、多重債務者です。 ……なめてんのか、異世界。 ここで俺たちパーティのイカれたメンバーを紹介するぜ! ケモミミ用スキルが初日で無駄になったバカ、タクヤ。 魔力制御が全くできない厄病神のバカ、リーシャ。 実は厨二病で呪い装備しか愛せないバカ、オルファ。 そして――スキルで時間を止めても動けないお茶目な俺、ユウヤ。 うーん! 前途多難! これは―― 最強でも無双でもない。 理不尽な世界で、借金と酒と事故にまみれながら、 なんだかんだで生き延びていく話。 追放? ざまぁ? 成り上がり? そんなものはございません。 あるのは、 愛すべバカどもが織りなすハートフルな冒険譚のみ。 そんな異世界ギャグファンタジーがここに開幕!

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

処理中です...