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Y組職業体験編
第61話《ハルトマンのスパルタ教育》
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「アイザック家は財界の5本指に入るほどの名家なのですが、現在はこの地にて隠居しています。もとは政府中央都市に一族お住みになっていたのですが」
歩きながらハルトマンは平然として簡単に説明を入れた。
「アイザック家の現在の当主、レイエス様がお体をお崩しなり、その治療のためということもあって、こうして都会から身を引いているのです。もちろん、仕事の方はしっかりなさっていますけど」
「は、はぁ…………」
アヤノンは曖昧な返事をする。
「ただしここは不便でございます。仕事に関しても、本社は政府中央都市にありますから、連絡などの手間が無駄にかかりますし、何より出来ることが限られてきますから。なのでレイエス様のお体が回復なさったら、わたくし達はこの屋敷はさっさと出払うつもりでいるのです」
「そうなんですか…………」
ハルトマンには悪いが、アヤノンには至極どうでもいいことだった。というか、聞く耳すら持てなかった。
そう、こんな洋館の中を見れば誰だって。
アヤノンとセリアはあの黒い洋館の中に招き入れられた。
玄関口から入ると、そこには赤いカーペットが敷かれ、黒い壁のみに囲まれた回廊が伸びていて、近くには2階へ上がる螺旋階段があった。
中は恐ろしいほど静まりかえっていた。アイザック家の人間がここで暮らしていると聞くが、はて生活感のある音すらしない。誰もいない廃墟に近かった。
今はまだ朝方であるはずなのに、黒い洋館の中では現実とは時間軸が異なるのか、既に蝋燭が隅から隅まで用意されていて、ほんのりと明かりを灯している。
ここまで現実離れした世界を目の当たりにして、落ち着いて人の話なんて聞けるわけがない。アヤノンは当然反応熱を出していた。
アヤノンはセリアを振り向いた。もとお嬢様の彼女ですら困惑した表情でいる。
3人が向かっているのは、アヤノンとセリアの2日間使っていく部屋らしい。どうやら一階にあるらしく、玄関口から真っ直ぐ行った所にそれはある。
真っ黒な壁に打ち込まれたかのように存在する木製の『扉』。それはボロボロで、表面はカサカサで剥がれている。
ハルトマンはその扉のドアノブを握り、回すと、扉は不安を誘い壊れていく道のように音を出して開かれた。
「こちらが、お二人様がこれから使われる部屋となります」
扉の向こうには、真っ黒な幻想世界が広がっていた。
「ここも真っ黒………………」
セリアが思わず口に出してしまうほど、黒の絵の具で塗りつぶしたかのようなところだった。部屋のスペースはとりあえず文句なしである。2人共有らしいが、下手したら5人は入れるのではないだろうか。
「先にお断りしておきますが」
眼帯メイドのハルトマンは黒い世界を見据えながら、
「アイザック家の屋敷が全て黒統一なのは、先代当主のホール様がこのような趣味趣向をお持ちだったからで、決して人を近寄らせないためではございません」
「は、はぁ………………」
アヤノンがとりあえず答える。
その先代当主というのは相当な変人だな、とアヤノンは思った。
「ホール様が変人だと、そう思われたようですが」
「なっ────」
心を読まれた!? とアヤノンは驚愕と同時に髪が逆立つ程の不気味さを覚えた。しかしハルトマンはそれでもお構いなしの雰囲気で、
「それもムリはありません。ホール様の趣味趣向には一族全員が理解を示しておりません。理解したくもないそうですが。ですが趣味趣向は人それぞれ。否定するのはいかがなものかと」
「す、す、すいません!!」
これはヤバいと直感的に警告が出ていた。下手をすればさっきの警備員みたく足蹴りを食らう羽目になってしまう───!
アヤノンは足蹴りを食らう前に素直に頭を下げ、謝罪した。このハルトマンというメイド、ただ者ではない。
「別に謝罪は求めておりません。それを批判するか否かも人それぞれですので」
ハルトマンは感情の起伏がまったく見られない。全て機械的に動いてるわけではなさそうだが、その割には言葉1つ1つが落ち着き過ぎている。あらゆる物事を客観的に捉えながら話をしている。これが完全完璧なメイドということか。
「それではお二人様に、これからのスケジュールを軽くご説明いたします」
頭を上げたアヤノン、それからセリアの顔が引き締まる。
「先ずこの部屋に荷物を置きましたら中庭の方へ赴きください。そこで朝方から夕方ごろまでしていただくことがございます」
「あの、『していただくこと』って何ですの?」
セリアが手を挙げて質問する。
「その時になってご説明いたします。それからアイザック家の当主、レイエス様にご挨拶をしていただき、それから夕食となります。夜からの動きはまたそこで指示いたします。それでは私は中庭でお待ちしておりますので」
ハルトマンは言うだけ言うと部屋をすぐに退出した。結構忙しい身分なのかな、とアヤノンは思った。
ハルトマン退出後には、何とも微妙な空気が漂う。本来ならここで、「ひゃー広いじゃねーかうひゃゃゃゃゃのはー!!」とかバカな男子学生は叫びそうだが、残念ながらそんな楽しい雰囲気は全てこの『黒い世界』によって塗りつぶされる。
どんなに明るい感情でも暗い感情でも、等しく染め上げてしまう『黒』。染め上げられた先にはどんな世界が広がっているのだろうか、とアヤノンは思う。加えてここの人間はその世界に身を置いて気が狂わないのだろうか、とも思った。
「…………あの、福本さん。ちょっといいかしら………」
「え!? ………あ、うん。どした?」
『黒い世界』を見据えていたアヤノンは突然の掛け声にドキッとしながら答えた。
声をかけてきたのはセリアである。この『黒い世界』ではセリアの黄色い髪は異彩を放っていて眩しい。
セリアは黒に染まった部屋をキョロキョロ見渡しながら、
「この部屋、一室だけみたいですけど…………ここはお互い共通部屋ですわよね?」
「ええっと……………まぁ、そうだな。ハルトマンさんがそんな事言ってたような………」
「と、と言うことは、ね、ね、寝るときも、お互い、お、ぉぉおなじ部屋ということでは…………?」
「あ、そっか…………そういう事になるな…………」
セリアはひっきりなしに顔を赤く染め上げ、手を覆い被せていた。
「……………なにやってんの?」
「べ、べつに! 何でもありませんわ!」
だがセリアの反応の変化が尋常ではなかった。今では頭を縦横に高速に振って、しゃがんでは床をずっと叩いている。
その際彼女は、何故か顔の様子を見せまいと必死であった。アヤノンにはその理由は分からない。本人のみぞ知る。
アヤノンはそんな奇行を目の当たりにして、1つの『考え』に行き着いた。
「セリア…………お前、まさか……………」
「え、ええええぇぇぇ!?」
───まさかバレた!? 一緒の部屋なのが、一緒の部屋で寝るのが恥ずかしいとバレた!?
アヤノンはじっと、呼吸を忘れたかのようにセリアだけを見つめる。
「…………………………」
「あ、あの、私は別に───」
「お前、1人部屋の方がよかったんだな」
「………………………………………………はぁ?」
間抜けた声が出る。もとお嬢様とは思えない、とても間抜けた声。
「でも仕方ないだろ? 1人それぞれ個室なんて贅沢はできねーよ。我慢しようぜ」
「いや、あの、そうじゃなくて────」
「そうだな…………寝るときは俺なるべく端に寄ってやるから。それでいいか?」
「…………………………」
「……………セリア?」
「この鈍感っ」
ハルトマンからではなくセリアから足蹴りを食らうアヤノンであった。
*
金持ちの中庭と聞いてみれば、想像するのはどういうものだろうか。
福本アヤノンの場合、中央には整備された美しい噴水に十分に緑が茂った草原の大地、日光浴に来たのかと言えるほど生暖かな太陽光線、そしてその中でパラソルを差し、紅茶片手に風景を静かに楽しむような───そんな夢物語のようなものしか想像できない。
現実はそんな夢を包含してはいなかった。
「これは…………………」
顔面に何故か赤いアザを残した福本アヤノンは呆気にとられていた。アザの犯人であるセリアも同様だ。
ハルトマンに言われた通り荷物を置き、どんな仕事を任されるのだろうかと気を引き締めて来てみれば、
目の前に広がっていたのは、多々の鋭利な装置が無限に行き交う訓練所だった。
「えー、それではこれからの指示をします」
メイド服のハルトマンは平然として、
「今から夕食時までの間、お二人様にはこの訓練所で訓練をしてもらいます」
「「…………………………………………………」」
二人は何も反応しない。目が死んでいた。顔が死んでいた。取り敢えず色々死んでいた。
ハルトマンは二人の死に様にはお構いなしに続ける。
「そちらの刀を携えた───確か福本様でしたか。福本様は向こうの奥の方にある『訓練所』で特訓を、セリア様はわたくしとここで足蹴りの特訓をいたしましょう。なに、大丈夫です。ここはそこまで厳しい所ではありませんので」
「「………………………………………………」」
返事はない。ただの屍のようだ。
「いやちょっと待ったあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
屍から蘇ったのは福本アヤノンだった。瞼を引きちぎれるぐらいに開き、声が枯れるくらいの大音量で叫んだ。
「『特訓をいたしましょう』じゃないんですよ、なんなんすかこれ!? 俺たち《警備員》の体験に来たんですよね!? アスレチックワールドに来た覚えはないんですけど!!」
「えぇ、お二人様は《警備員》の職業を体験に我がアイザック家へ赴いた。それはわたくしも十分理解しております」
本当に理解しているのか、ハルトマンは声からではその点の判別がまったく出来ない。
「ですがお二人様にはまだ、警備員としての適性が見られません」
「て、適性………ですの?」
「左様でございます。ここは名のある名家が住む屋敷。見かけがこのようであっても、やはり侵入者は尽きえません。ほとんどは黒の守護者によって制圧されますが、中には制圧の難しい凶悪な人間やモンスターも侵入してきます。つまり、警備員の役を務める者はそれなりの戦闘が出来なければ話になりません。失礼ですが、戦闘経験は?」
「わたくしは……………ありませんわ…………」
セリアが言った。当然の回答である。
「俺は…………一応数回ぐらいなら…………」
アヤノンは今まで戦ってきた敵を思い浮かべながら答えた。ハルトマンが「ほう」と意外そうに顔を和らげる。
「ではお尋ねしますが、それはすべて魔法なしで、ですか?」
「最初の頃はそうでしたけど…………今は魔法を使ってます」
「なるほど、戦闘経験はあるが魔法有りの条件下がほとんどだ、と…………」
「あの………それがどうかしたんですか?」
「いえ、お二人様の戦闘経験が違うのであれば、訓練内容が異なってきますので」
確かにある程度は動けるアヤノンと、運動音痴で魔法もそれほど使えないセリアとでは質が異なる。アヤノンが戦闘経験ありで、特訓内容は若干変わるかもしれない。
ハルトマンは今サラサラと頭の中で訓練内容を組み直している。目が右上を向いて、1人ゴニョゴニョ何かを呟いている。
「ふむ…………決まりました。先ずは福本様から参りましょう」
「え、参るって…………っ、ちょっと!?」
アヤノンを無視してハルトマンは彼女の手をガッチリ掴み、まるで引きずるかのように訓練所の奥へと連れていった。
連れていかれながら、セリアが遠くで苦笑しているのが見えた。
無理やり奥のジャングルのような所へ連れてこられたアヤノンは、そこでようやく手を振りほどいた。
「到着しました。ここが福本様の特訓場です」
太陽光線も入らない今日このごろ、ましてやジャングルのようなこの場所では暗すぎて周りの細かな地形は雲隠れしていた。あちこちには木々のツルが垂れ下がり、上を見上げれば数匹くらいは野生動物を見ることができる。
樹木が何本も立っている。それだけでここがまったく別の世界だという錯覚に捕らわれる。
周りばかりを見てないで、目先の光景に注目してみよう。
福本アヤノンは息を吸うのを忘れかけた。
目の前に広がる世界に目を疑う。
「……………ハルトマンさん」
「はい」
背後でメイド長、ハルトマン・アリーナが抑揚のない声で答える。
福本アヤノンの目には、薄暗くて見えないはずの世界がはっきりと見えていた。
厳重な鉄格子や電流網が有り巡らされた檻の向こう側に広がっているのは────
「…………あれは何ですか」
「シャプレです」
数万匹を超えるモンスター『シャプレ』の群れであった。
『ガルル………………ガアァァァァァァァァァ!』
忘れもしない、あの雄叫び。
忘れもしない、その凶悪な容姿。
背筋を凍らせるような鋭い牙、肉食獣としての宿命を背負った血の気のあるその瞳、その視線。筋肉質でムキムキと盛り上がった体。
間違いない。こいつは────
(こいつ、俺が初めて出会ったモンスターじゃねえか…………!)
肉食獣、『シャプレ』。
最も汎用性が高い生物とされ、時にその獣毛は毛皮のコートに、時にその牙は研ぎ石に、時にその肉体は調理に使われる。
だが汎用性が高い変わりに、シャプレは討伐が困難な生物でもある。最近は人間が捕獲しすぎたせいで、シャプレの中にも知能を有している者がいるとか。
どっちみち、アヤノンにとっては一番複雑な相手なのだ。
それがなんと目の前に数万匹もいるではないか。
「それでハルトマンさん」
アヤノンの顔は今、軽くひきつっている。目も軽く死んでいる。
「俺をこれからどうするつもりですか」
「この中に投下します」
「この中って?」
「その中です」
「その中って?」
「あの中です」
「あのなかっ───」
「正確に言えば、目前に広がる『地獄』の中へと強制投下させる、でしょうか」
とんでもないことを言っているのだが、このメイドは他人のことに興味がないのだろうか。心配する様子がまったく見られない。機械的な声だけが背後で聞こえてくるだけだ。
「福本様、今から特訓内容を説明します」
その時。突然辺りがピカッ! と明るく光った。アヤノンはとっさに手をかざす。眩しいくらいの光である。目が慣れてくると、どうやら近くに設置されたライトが作動したようである。最初からそれ使えよと思ったアヤノンだったが、
今自分の足元に巨大な穴が出来ていることに気づくには時間がかかった。
「……………………え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
アヤノンはそのまま暗い穴の奥へと飲まれていき、中をグルグルと回りながらさらに下へと落ちた。
そのうち勢いに乗じて体はある所へ飛び出した。尻餅をつく。これは痛い。頭から落ちるよりよっぽどましではあるが、地面が予想以上に固かった。
尻餅で痛めた尻を擦るアヤノンだったが、すぐにそんな事をしてる場合ではないことに気がついた。
今彼女は、シャプレが収容された檻のなかにいるのだ。
アヤノンの登場により、シャプレ数万体の視線は一気に彼女に注がれた。すると一瞬で極上のご馳走を目の前にしているかのような目付きに変わる。
「あ、あぁ…………は、ははははは…………」
『それでは福本様』スピーカーを介してハルトマンが言った。『ただいまからシャプレ討伐訓練を開始します。ルールは簡単です、ここにいるシャプレを全て討伐してください。1匹残らず、全てです』
「え」
『なお、福本様は魔法による戦いしか慣れていないご様子ですので、ここでは魔法の使用を禁止します』
「ええ?」
『腰に携えたその刀だけで、目の前のシャプレを討伐してください。なお先にお伝えしておきますが、この訓練を終えない限り、夕食はございません。また出ることも出来ません』
「えええ!?」
『それでは、訓練開始』
ビー! と開始音が鳴った。
アヤノンは無言で立ち上がる。
お尻の痛みはもう引いている。それに比例して血の気が引いていた。
牙を覗かせ、肉を引き裂く爪を研ぎ始めるモンスターたち。敵はもう襲いかかる気満々のようだ。
シャプレと目があった。
それが合図だったのか。シャプレたちは一斉にアヤノンに襲いかかる。
アヤノンは恐怖と絶望に堪えきれず唇を噛み締め、敵に背を向けて走りながら、そして叫んだ。
「ふざけんなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァ!!!」
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