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本編
10 推しと恋って違かったりする?
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突然飛び出してきたクリスが男の剣を剣で受け止める。
ひび割れた隙間から照らされる彼の横顔が美しくて、こんな状況ながら不覚にもドキドキしてしまった。いつもとは違う感覚に戸惑いを隠せない。
「ク、クリス…どうしてここに」
「詳しい話は後ほど。まずは貴方様を私に護らせてください。」
「チッ!どこから出てきたんだ。」
構え直した男にクリスも一度後ろに下がる。次に二人が動いた瞬間、もう決着はついていた。男は気絶していたからだ。
僕が守りたい彼は強くて綺麗で、先程から心拍数が異常だ。恐怖からなのか、いやどこか違うものからきている気がする。
「すみません殿下…実はその香には何か御身に危険があったときに転移魔法が発動するようになってまして…。まさかすぐ使うことになるとは思ってませんでしたので説明もなしに勝手に申し訳ありません……」
弁明をするクリスの言葉なんか1つも耳に入らず、身体が勝手に僕は抱きしめていた。
「どうしようクリス。そんなことどうでもよくなってしまうくらいに何も思ってないし、むしろこんなことオメガである君に言ったら失礼かもしれないけど、かっこよすぎて心臓の鼓動が鳴り止まないんだ。クリスは本当に綺麗で自慢の婚約者だよ。」
「ッ…!」
そろっと腕がこちらに回ってきたことを確認したので、さらに強く抱きしめると一瞬ビクッとしてから肩に顔を埋めてきた。前言撤回。ちょーかわいい。
「…殿下、泣かれているのですか?」
「あ、あれ、嘘だ。」
安心したのか目から涙が溢れていた。いくら見た目が13歳だからといって、中身はおじさんなのに本当に情けない話だ。
「レオナルド殿下が無事で本当に良かったっで、す」
僕に釣られたのかクリスも一緒に泣いた。一瞬で涙をひっこませ、ここはおじさん精神を使って全力で慰めた。
ひび割れた隙間から照らされる彼の横顔が美しくて、こんな状況ながら不覚にもドキドキしてしまった。いつもとは違う感覚に戸惑いを隠せない。
「ク、クリス…どうしてここに」
「詳しい話は後ほど。まずは貴方様を私に護らせてください。」
「チッ!どこから出てきたんだ。」
構え直した男にクリスも一度後ろに下がる。次に二人が動いた瞬間、もう決着はついていた。男は気絶していたからだ。
僕が守りたい彼は強くて綺麗で、先程から心拍数が異常だ。恐怖からなのか、いやどこか違うものからきている気がする。
「すみません殿下…実はその香には何か御身に危険があったときに転移魔法が発動するようになってまして…。まさかすぐ使うことになるとは思ってませんでしたので説明もなしに勝手に申し訳ありません……」
弁明をするクリスの言葉なんか1つも耳に入らず、身体が勝手に僕は抱きしめていた。
「どうしようクリス。そんなことどうでもよくなってしまうくらいに何も思ってないし、むしろこんなことオメガである君に言ったら失礼かもしれないけど、かっこよすぎて心臓の鼓動が鳴り止まないんだ。クリスは本当に綺麗で自慢の婚約者だよ。」
「ッ…!」
そろっと腕がこちらに回ってきたことを確認したので、さらに強く抱きしめると一瞬ビクッとしてから肩に顔を埋めてきた。前言撤回。ちょーかわいい。
「…殿下、泣かれているのですか?」
「あ、あれ、嘘だ。」
安心したのか目から涙が溢れていた。いくら見た目が13歳だからといって、中身はおじさんなのに本当に情けない話だ。
「レオナルド殿下が無事で本当に良かったっで、す」
僕に釣られたのかクリスも一緒に泣いた。一瞬で涙をひっこませ、ここはおじさん精神を使って全力で慰めた。
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