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笑っちゃダメと思っても
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ガラガラ崩れてくる塔から慌てて距離をとる。
にしても、魔石のことはわたしに全部おんぶにだっこしてるなと思ってたけど……まーさか、こんな基礎中の基礎を忘れちゃってるなんて思わなかった。脳みそは使ってないと鈍るっていうの、本当なんだろな。
まー、妹は一応魔力も人よりは持ってるほうだし致命傷にはならないと思うけどね。バカ子爵は知らん。
って言っても一応、あんなところで死なれて逆恨みをされちゃかなわないし……ってことで、塔からちょっと離れた場所でこっそりと物陰から二人の無事を確かめることにした。
ゴソゴソ……
どれどれ……
塔のほうからは見つかりにくい木の陰に隠れて様子をうかがう。
塔は結構上のほうが派手に吹っ飛ばされてしまっていて、あれじゃあしばらく月光を取り入れることは出来ないな…と思う。魔石の浄化には月光が最重要なんだ。
この辺って結構土地が低いか、山があっても険しくて登れないところだったりで、効率よく月の光を浴びられる場所が他にないのよね。
そんなことを考えてると、ガレキの中から二人が出てくる。
あーやっぱり生きてるわね、無事かどうかはともかく……
そう考えながら見ていたんだけど、出てきた格好にびっくりしちゃった。
「ブフ……ッ!」
思いっきり笑いそうになってしまって手で口を押える。ぐっ、苦しい~!
妹はさすがにというかなんて言うか、魔力をシールドにして体を守ったんだと思う。彼女がお気に入りのドレスはぼろぼろになっちゃってるし、顔や髪にもすす汚れがついちゃってるけど、体の方は大丈夫そうだ。
問題は子爵よ。妹がガレキから引っ張り出してあげてる。高価な服はズタズタに破れちゃってるし腕を擦りむいたのか血がちょっと滲んでいた。
それはまー、いい。なんだかんだ妹が守ってやったんだなと思った。
どーせ口だけの関係なんじゃない?とも思ってたんだけど、それなりに想いあってるのかな……?
ま、何にせよわたしにはもう何の関係もないことだけどねー。
じゃなくて、子爵。
髪がアフロになっていた。
ばっ、爆発でアフロって……喜劇か!
子爵を引っ張り出した妹は、最初のほうは煙とかで全然頭まで見えなかったんだろな。さらさらの輝くブロンドから髪がチリチリの失敗パーマみたいになってるのを見て、顔をひきつらせていた。
ヒクッ……
「し、子爵様ご無事ですか……とりあえず、家へ戻りましょう……」
「うむ……あの女、許せん…!必ず罰を食らわせてやるからな!……愛する君のために!」
ビシッと言ってますけどあんた今アフロヘアですから!
いや、いいよアフロは!アフロは魂の髪型っていうのは詩人が歌ってるから知ってるよ!
でも欲をかきすぎて起こした自業自得の爆発で、失敗パーマのアフロになっちゃってるのはダサいとしか言えないと思うんだ。
しかもそれに気付かずにかっこいいこと言おうとしてるしね。
「ぉ、おほほ……子爵様、行きましょ……」
「う、うむ……?あ、待ってくれ~~~リリア~~~!」
ほらー妹も微妙なリアクションしかできないでしょー。
いつもみたいにおめめうるうるの感動した表情がもらえなかった子爵様は、首を傾げながら家に向かっていった。
にしても、魔石のことはわたしに全部おんぶにだっこしてるなと思ってたけど……まーさか、こんな基礎中の基礎を忘れちゃってるなんて思わなかった。脳みそは使ってないと鈍るっていうの、本当なんだろな。
まー、妹は一応魔力も人よりは持ってるほうだし致命傷にはならないと思うけどね。バカ子爵は知らん。
って言っても一応、あんなところで死なれて逆恨みをされちゃかなわないし……ってことで、塔からちょっと離れた場所でこっそりと物陰から二人の無事を確かめることにした。
ゴソゴソ……
どれどれ……
塔のほうからは見つかりにくい木の陰に隠れて様子をうかがう。
塔は結構上のほうが派手に吹っ飛ばされてしまっていて、あれじゃあしばらく月光を取り入れることは出来ないな…と思う。魔石の浄化には月光が最重要なんだ。
この辺って結構土地が低いか、山があっても険しくて登れないところだったりで、効率よく月の光を浴びられる場所が他にないのよね。
そんなことを考えてると、ガレキの中から二人が出てくる。
あーやっぱり生きてるわね、無事かどうかはともかく……
そう考えながら見ていたんだけど、出てきた格好にびっくりしちゃった。
「ブフ……ッ!」
思いっきり笑いそうになってしまって手で口を押える。ぐっ、苦しい~!
妹はさすがにというかなんて言うか、魔力をシールドにして体を守ったんだと思う。彼女がお気に入りのドレスはぼろぼろになっちゃってるし、顔や髪にもすす汚れがついちゃってるけど、体の方は大丈夫そうだ。
問題は子爵よ。妹がガレキから引っ張り出してあげてる。高価な服はズタズタに破れちゃってるし腕を擦りむいたのか血がちょっと滲んでいた。
それはまー、いい。なんだかんだ妹が守ってやったんだなと思った。
どーせ口だけの関係なんじゃない?とも思ってたんだけど、それなりに想いあってるのかな……?
ま、何にせよわたしにはもう何の関係もないことだけどねー。
じゃなくて、子爵。
髪がアフロになっていた。
ばっ、爆発でアフロって……喜劇か!
子爵を引っ張り出した妹は、最初のほうは煙とかで全然頭まで見えなかったんだろな。さらさらの輝くブロンドから髪がチリチリの失敗パーマみたいになってるのを見て、顔をひきつらせていた。
ヒクッ……
「し、子爵様ご無事ですか……とりあえず、家へ戻りましょう……」
「うむ……あの女、許せん…!必ず罰を食らわせてやるからな!……愛する君のために!」
ビシッと言ってますけどあんた今アフロヘアですから!
いや、いいよアフロは!アフロは魂の髪型っていうのは詩人が歌ってるから知ってるよ!
でも欲をかきすぎて起こした自業自得の爆発で、失敗パーマのアフロになっちゃってるのはダサいとしか言えないと思うんだ。
しかもそれに気付かずにかっこいいこと言おうとしてるしね。
「ぉ、おほほ……子爵様、行きましょ……」
「う、うむ……?あ、待ってくれ~~~リリア~~~!」
ほらー妹も微妙なリアクションしかできないでしょー。
いつもみたいにおめめうるうるの感動した表情がもらえなかった子爵様は、首を傾げながら家に向かっていった。
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