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大いなる誤解
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「その目で、わたしの力の事まで分かったの?」
そう聞くと、アストはちょっと眉をひそめた。
睨んでるというよりは……わたしの体の中を、探るような目だ。
否定されないということは、当たってる……んだと思う。
しばらくして、アストが呟くようにわたしへと聞いた。
「……魔力が、内側でだいぶ暴れてる。何があったんだ?」
「……そのことで、教会に来たの……」
と言っても、そのことだけではない。追放されたこと、婚約破棄をされたこと。
その辺りを……告げようとしたが、アストがまだ難しい目をして、わたしの事を見ていた。
「それと……何か、妙な気配の……残りがついてる」
「妙な……?」
「いくつか混ざってて……今は、はっきりとは」
いくつか!?一個ですらないだなんて。
思わずローブを握ってしまう。なんとなく胸が気持ち悪い。
「……悪い、立ったまま話し過ぎたな。座ってくれ」
わたしが怖気づいたのに気付いたのかもしれない、アストが椅子を進めてくれた。
ありがたく座ることにする。
「ありがと……ここ、あなたの部屋なの?」
「いや、叔父貴の部屋だ。そろそろ戻ってくるはず……あー、来たな」
バタンッ
「やあアスト、何か僕に用があるって……えぇっ……!?」
ドアが開いて、縁の細い丸眼鏡をかけた神官様が顔を出す。
……が、何か驚いたような顔と声をして、また顔は引っ込んでしまった。
「ご、ごめん!邪魔したねっ」
バタンッ!
「「…………??」」
アストとわたしは顔を見合わせる。
わたしは意味が分からなかったんだけど、アストは何かに気づいたみたいで、すごーく面倒そうな顔をしながらドアを開けに行った。
「おい、違う。変な誤解してないでさっさと入ってこい」
「違うの!?僕はてっきり、アストが初めて……女性を連れて来たんだと……!」
「だとしても、お前の部屋使ってる時点で邪魔な訳があるか!」
アストがぐいっとドアノブを内側に引っ張ると「うひゃあ」なんて言いながら神官様がドアにひっついて入ってきた。
あ、あぁーー。なるほど。逢引き現場にでも見えたのかな……?
あの時の、優しそうな神官様だ。あれからは数年経っているけど、穏やかな雰囲気が変わってない。
顔を見て気づいてもらえるかは分からないけど、フードをぱさっと外して神官様にお辞儀をする。
「あの……お邪魔してます」
以前、神官様に鑑定をしてもらった……そう続けようとしたのに、神官様は眼鏡の奥の目をまん丸にして、高揚に頬を赤くした。
「アスト!どこでこんな綺麗なお嬢さんと……」
「だーーーっっ、話が進まねー!!」
びっくりしてるわたしの前で、アストは神官様の口を塞ぐと無理やり部屋の中に連れ込んだ。
ドアを閉じ、鍵も閉めると神官様を無理やり、わたしの対面の椅子に座らせる。
「よく見ろ!ローズ・セスティアだ!」
「え?」
目を白黒させていた神官様は、その名前を聞いて急にまじめな顔になり、わたしの方へと向き直る。
「えっ!?」
その反応に、驚いて声を出したのはわたしの方だ。
まさか、中央にまで何か妙な話が出回ってる……!?
こっちの動揺はお構いなしに、神官様はじっとわたしの顔を見る。
そう聞くと、アストはちょっと眉をひそめた。
睨んでるというよりは……わたしの体の中を、探るような目だ。
否定されないということは、当たってる……んだと思う。
しばらくして、アストが呟くようにわたしへと聞いた。
「……魔力が、内側でだいぶ暴れてる。何があったんだ?」
「……そのことで、教会に来たの……」
と言っても、そのことだけではない。追放されたこと、婚約破棄をされたこと。
その辺りを……告げようとしたが、アストがまだ難しい目をして、わたしの事を見ていた。
「それと……何か、妙な気配の……残りがついてる」
「妙な……?」
「いくつか混ざってて……今は、はっきりとは」
いくつか!?一個ですらないだなんて。
思わずローブを握ってしまう。なんとなく胸が気持ち悪い。
「……悪い、立ったまま話し過ぎたな。座ってくれ」
わたしが怖気づいたのに気付いたのかもしれない、アストが椅子を進めてくれた。
ありがたく座ることにする。
「ありがと……ここ、あなたの部屋なの?」
「いや、叔父貴の部屋だ。そろそろ戻ってくるはず……あー、来たな」
バタンッ
「やあアスト、何か僕に用があるって……えぇっ……!?」
ドアが開いて、縁の細い丸眼鏡をかけた神官様が顔を出す。
……が、何か驚いたような顔と声をして、また顔は引っ込んでしまった。
「ご、ごめん!邪魔したねっ」
バタンッ!
「「…………??」」
アストとわたしは顔を見合わせる。
わたしは意味が分からなかったんだけど、アストは何かに気づいたみたいで、すごーく面倒そうな顔をしながらドアを開けに行った。
「おい、違う。変な誤解してないでさっさと入ってこい」
「違うの!?僕はてっきり、アストが初めて……女性を連れて来たんだと……!」
「だとしても、お前の部屋使ってる時点で邪魔な訳があるか!」
アストがぐいっとドアノブを内側に引っ張ると「うひゃあ」なんて言いながら神官様がドアにひっついて入ってきた。
あ、あぁーー。なるほど。逢引き現場にでも見えたのかな……?
あの時の、優しそうな神官様だ。あれからは数年経っているけど、穏やかな雰囲気が変わってない。
顔を見て気づいてもらえるかは分からないけど、フードをぱさっと外して神官様にお辞儀をする。
「あの……お邪魔してます」
以前、神官様に鑑定をしてもらった……そう続けようとしたのに、神官様は眼鏡の奥の目をまん丸にして、高揚に頬を赤くした。
「アスト!どこでこんな綺麗なお嬢さんと……」
「だーーーっっ、話が進まねー!!」
びっくりしてるわたしの前で、アストは神官様の口を塞ぐと無理やり部屋の中に連れ込んだ。
ドアを閉じ、鍵も閉めると神官様を無理やり、わたしの対面の椅子に座らせる。
「よく見ろ!ローズ・セスティアだ!」
「え?」
目を白黒させていた神官様は、その名前を聞いて急にまじめな顔になり、わたしの方へと向き直る。
「えっ!?」
その反応に、驚いて声を出したのはわたしの方だ。
まさか、中央にまで何か妙な話が出回ってる……!?
こっちの動揺はお構いなしに、神官様はじっとわたしの顔を見る。
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