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ブランの思惑4
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「……何を言い出すかと思えば……」
「やっぱ無理ですかね~?何か婚約決まってからのブラン様、ヤバいぐらいに力ないっつーか。ぐだぐだしてるし鬱々してるし。いやパワータイプじゃないのは元からですけど。かと言って立ち回りが上手いかと言われると~~、ですけど」
「慰めるのか貶すのかどっちかにしてくれ。というか後半何の話だ……」
「技巧はありますよ!間違いない」
へらっと笑うアルへ、ブランは小さくため息をついた。
「……両家の取り決めだ。教会からの証文にサインもした……簡単に解消できるわけもない」
「じゃ、一方的に破棄とか」
「解消が難しいのに破棄など出来るか。今度は教会の許可が下りないだろう」
アルはぽんぽんと考えを口に出していく。
元より、解決しようとするのではなく、ブランの気を紛らわすために喋っているのだろう。
ブランもそれと分かっていて、思うままの事を口に出していった。
「それに、破棄の理由はどうするんだ、雰囲気が異様だから、か?
見目の悪さだけでは破棄をするには足りない……まして、婚約を結んだ時、すでに彼女の見た目はああだったのだから……」
それが、今更嫌になったから取りやめてくれ、などと言えるはずもない。
アルは、主人の愚痴を聞きながら、ひょいっと茶菓子をつまんで口に入れた。
「そんなもんですか。いっそ、領地追放とかになってくれれば話は早いんですけどねぇ」
「何をバカな…………いや」
不意に、ブランの頭をひらめきが走る。
100%の冗談を口にしていたつもりが、主人がハッと動きを止めたため、アルはぎくっと肩を揺らした。
「えっ」
まさかの驚きを声に出すアルへ、ブランは立ち上がって決意を口にした。
「それだ!!」
「ええ~~~」
どうどうどう、とアルによって再びベッドに座らされたブラン。明らかに目の色が変わっている。
アルは、面倒なことになった……というような表情になる。
「いや、冗談に決まってるでしょ……そんなのどーやってするんですか」
「…………証文を偽造する」
「結構な罪!」
うわーーーっと頭を抱えるアル。
直属の主人が前科者になってしまう危機に顔を青くするが、ブランは首を横に振った。
「提出はしない、あの女に証拠として見せるだけだ。
領地から一度追い出し、対外的には自らの足で出て行ったように工作をし……
そして、僕は妹と婚約を結びなおす」
(父は確かに、セスティア家と縁を結べと言った……つまり、その相手は姉でなくとも構わないはずだ)
妹、と聞いてアルが思い出すように声をあげる。
「妹君……リリア様ですか」
「やっぱ無理ですかね~?何か婚約決まってからのブラン様、ヤバいぐらいに力ないっつーか。ぐだぐだしてるし鬱々してるし。いやパワータイプじゃないのは元からですけど。かと言って立ち回りが上手いかと言われると~~、ですけど」
「慰めるのか貶すのかどっちかにしてくれ。というか後半何の話だ……」
「技巧はありますよ!間違いない」
へらっと笑うアルへ、ブランは小さくため息をついた。
「……両家の取り決めだ。教会からの証文にサインもした……簡単に解消できるわけもない」
「じゃ、一方的に破棄とか」
「解消が難しいのに破棄など出来るか。今度は教会の許可が下りないだろう」
アルはぽんぽんと考えを口に出していく。
元より、解決しようとするのではなく、ブランの気を紛らわすために喋っているのだろう。
ブランもそれと分かっていて、思うままの事を口に出していった。
「それに、破棄の理由はどうするんだ、雰囲気が異様だから、か?
見目の悪さだけでは破棄をするには足りない……まして、婚約を結んだ時、すでに彼女の見た目はああだったのだから……」
それが、今更嫌になったから取りやめてくれ、などと言えるはずもない。
アルは、主人の愚痴を聞きながら、ひょいっと茶菓子をつまんで口に入れた。
「そんなもんですか。いっそ、領地追放とかになってくれれば話は早いんですけどねぇ」
「何をバカな…………いや」
不意に、ブランの頭をひらめきが走る。
100%の冗談を口にしていたつもりが、主人がハッと動きを止めたため、アルはぎくっと肩を揺らした。
「えっ」
まさかの驚きを声に出すアルへ、ブランは立ち上がって決意を口にした。
「それだ!!」
「ええ~~~」
どうどうどう、とアルによって再びベッドに座らされたブラン。明らかに目の色が変わっている。
アルは、面倒なことになった……というような表情になる。
「いや、冗談に決まってるでしょ……そんなのどーやってするんですか」
「…………証文を偽造する」
「結構な罪!」
うわーーーっと頭を抱えるアル。
直属の主人が前科者になってしまう危機に顔を青くするが、ブランは首を横に振った。
「提出はしない、あの女に証拠として見せるだけだ。
領地から一度追い出し、対外的には自らの足で出て行ったように工作をし……
そして、僕は妹と婚約を結びなおす」
(父は確かに、セスティア家と縁を結べと言った……つまり、その相手は姉でなくとも構わないはずだ)
妹、と聞いてアルが思い出すように声をあげる。
「妹君……リリア様ですか」
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