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番外06-03 *※(3P)
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「だから無理しなくてもいいって言ったのに」
「……」
乗り込んできた人物、ゲブラーは図星と言った様子で顔を真っ赤にする。結局、二人が仲良く熱い夜を過ごしている事実に耐えられなくなったのだろう。
「ゼルス、その……」
思わずノイナは弁明しそうになるも、ゲブラーは小さく首を振った。そしてキッとスタールを睨みつけると、吐き捨てるように言う。
「お風呂入ってくるから待ってて!」
「分かったよ」
そのままバタバタと浴室に入って、数秒の後にシャワーの音が聞こえてくる。最低限身体を洗っただけなのか、カラスの行水がごとくものの数分で出てきた彼は、バスタオルで身体を拭きながら寝室に入ってくる。
ばっとタオルを放り捨てたゲブラーは、すぐにベッドに上がるとノイナを抱きしめる。不安を塗りつぶすように深くキスをして、ひと行為を終えてびしょびしょになった彼女の股間を優しく撫でさすった。
「ん、ノイナ……」
「ごめんねゼルス、やっぱり、つらい……?」
無理しなくてもいいと、ノイナもそう伝える。この三人の関係で、一番精神的な負荷がかかりそうなのは、嫉妬深くて寂しがり屋のゲブラーなのだ。
けれど彼は大きく息をついてノイナを抱きしめると、落ち着いた様子で言う。
「だいじょうぶ。……でも、二人っきりでしてるのは、まだちょっと不安」
「ん、そうだね」
「だから、しばらくは……俺が見てるところでして。邪魔しないし、次の二人のデートのときは大人しく、留守番してるから」
再度大丈夫かとノイナが問い掛ければ、深いキスで返事をされる。邪魔しないと言っても、してる間は触れていてほしいのだろう。
「もちろんだよ。僕は愛人だからね、本夫の言うことに従うよ」
(本夫って初めて聞いたな……)
素直に同意するスタールに、なぜかゲブラーは不満そうに眉を寄せている。なにか気に触るようなことを言っただろうかと思っていると、彼はノイナの耳元に口を寄せた。
「ね、ノイナ」
「なに?」
「ノイナは……たっぷり中出ししてもらうの、大好きだよね」
「ふぇっ」
あまりにも急で卑猥な質問に、ノイナは顔を真っ赤にする。けれど答えてと、甘えるような視線で見つめられれば、大人しく頷いてしまう。
「じゃあさ」
ノイナと顔を合わせて深く抱きしめると、ゲブラーは手で彼女の秘処を広げた。それはまるで、スタールに差し出すかのように。
「スタールにも、いっぱい注いでもらいなよ」
「えっ!?」
「ゲブラー、それは」
驚くノイナと同様に、スタールも目を丸くしている。なにせそれはつまり。
「いいの、だって、妊娠しちゃうかもだよ?」
「仕事あるからまだ薬飲むんでしょ」
「そうだけど……絶対じゃないんだから」
たとえ避妊薬があるとはいえ、絶対ではない。それはゲブラーも分かっているはずなのだが、彼は大丈夫だと続ける。
「俺だって、ノイナの子どもだったら、スタールの遺伝子が入ってようと愛せるよ」
「張り合わなくてもいいんだよ」
「張り合ってないよ。だってノイナは、俺の世界の全部だから、ノイナの全部が、俺は好きだから」
心底大事そうにノイナを抱きしめて、彼は目を閉じた。暖かくて柔らかいその感触に浸るかのように。
「いっぱい悩んだよ。想像してもみた。そしたら……スタールがいても、まぁ、いいかなって。子どもだって、いっぱいいたほうが、大変かもしれないけど、あったかい気がする」
「ゼルス……」
「俺も、あったかい家族が、賑やかな家が、ほしい……」
そこにスタールがいるのも悪くない。これまでの生活を振り返って、彼はそう思ったのだろう。
ゲブラーの小さな願望に、ノイナは思わず涙ぐんでしまいそうになる。ぎゅっと彼を強く抱きしめれば、軽くキスをしてきた彼が聞いてくる。
「でも、ノイナ次第、だけど」
ノイナはスタールのほうを見た。手を伸ばせば彼の手が触れて、恋しそうに指が絡みついてくる。
――ノイナとの子どもが欲しいなって、想像しているうちに……
スタールの夢は、ノイナと温かい家庭を作ることだ。それはきっと、愛人としてただ愛を受け取るだけでは叶わない。
その選択をしたらどんな苦労が待っているのだろう。一瞬それを想像して、ノイナはすぐに首を横に振った。
「分かりました」
スタールの手を引いて、ノイナは二人をいっぺんに抱きしめた。どきどきと、緊張とわずかな不安で心臓が鼓動を速くする。
けれど、きっと大丈夫。幸せな家族になれる。そんな予感めいた確信があった。
「二人の子ども、私が産みましょう」
「っ、ノイナ……!」
声を震わせるスタールに微笑みかければ、すぐに唇が触れ合う。同じようにゲブラーの手もいやらしく臀部を撫で回して、下腹部に触れている彼のものがぐぐっと大きくなっていく。
「三人で、幸せな家族になりましょうね」
「うん……」
「って、もしかしてこのまま、三人プレイ……?」
ふにふにとスタールの手が胸を揉みしだいて、いつの間にかゲブラーの指が中をくちゅくちゅとかき回している。快感に身を捩るも、男二人に挟まれているノイナは身動きが取れず、そのまま快感に震えた。
「今から子作りするんでしょ? だったら、俺の精子もいっぱい受け止めてもらわないと」
「は……ノイナ、挿れるよ……生で」
ゴムを取っ払って、剥き出しのままの男根をスタールは押し付けてくる。ゲブラーが中から指を引き抜き、割れ目を広げるようにそこを引っ張れば、先走りが滴る先端がつぷっと入り込んでくる。
「……」
乗り込んできた人物、ゲブラーは図星と言った様子で顔を真っ赤にする。結局、二人が仲良く熱い夜を過ごしている事実に耐えられなくなったのだろう。
「ゼルス、その……」
思わずノイナは弁明しそうになるも、ゲブラーは小さく首を振った。そしてキッとスタールを睨みつけると、吐き捨てるように言う。
「お風呂入ってくるから待ってて!」
「分かったよ」
そのままバタバタと浴室に入って、数秒の後にシャワーの音が聞こえてくる。最低限身体を洗っただけなのか、カラスの行水がごとくものの数分で出てきた彼は、バスタオルで身体を拭きながら寝室に入ってくる。
ばっとタオルを放り捨てたゲブラーは、すぐにベッドに上がるとノイナを抱きしめる。不安を塗りつぶすように深くキスをして、ひと行為を終えてびしょびしょになった彼女の股間を優しく撫でさすった。
「ん、ノイナ……」
「ごめんねゼルス、やっぱり、つらい……?」
無理しなくてもいいと、ノイナもそう伝える。この三人の関係で、一番精神的な負荷がかかりそうなのは、嫉妬深くて寂しがり屋のゲブラーなのだ。
けれど彼は大きく息をついてノイナを抱きしめると、落ち着いた様子で言う。
「だいじょうぶ。……でも、二人っきりでしてるのは、まだちょっと不安」
「ん、そうだね」
「だから、しばらくは……俺が見てるところでして。邪魔しないし、次の二人のデートのときは大人しく、留守番してるから」
再度大丈夫かとノイナが問い掛ければ、深いキスで返事をされる。邪魔しないと言っても、してる間は触れていてほしいのだろう。
「もちろんだよ。僕は愛人だからね、本夫の言うことに従うよ」
(本夫って初めて聞いたな……)
素直に同意するスタールに、なぜかゲブラーは不満そうに眉を寄せている。なにか気に触るようなことを言っただろうかと思っていると、彼はノイナの耳元に口を寄せた。
「ね、ノイナ」
「なに?」
「ノイナは……たっぷり中出ししてもらうの、大好きだよね」
「ふぇっ」
あまりにも急で卑猥な質問に、ノイナは顔を真っ赤にする。けれど答えてと、甘えるような視線で見つめられれば、大人しく頷いてしまう。
「じゃあさ」
ノイナと顔を合わせて深く抱きしめると、ゲブラーは手で彼女の秘処を広げた。それはまるで、スタールに差し出すかのように。
「スタールにも、いっぱい注いでもらいなよ」
「えっ!?」
「ゲブラー、それは」
驚くノイナと同様に、スタールも目を丸くしている。なにせそれはつまり。
「いいの、だって、妊娠しちゃうかもだよ?」
「仕事あるからまだ薬飲むんでしょ」
「そうだけど……絶対じゃないんだから」
たとえ避妊薬があるとはいえ、絶対ではない。それはゲブラーも分かっているはずなのだが、彼は大丈夫だと続ける。
「俺だって、ノイナの子どもだったら、スタールの遺伝子が入ってようと愛せるよ」
「張り合わなくてもいいんだよ」
「張り合ってないよ。だってノイナは、俺の世界の全部だから、ノイナの全部が、俺は好きだから」
心底大事そうにノイナを抱きしめて、彼は目を閉じた。暖かくて柔らかいその感触に浸るかのように。
「いっぱい悩んだよ。想像してもみた。そしたら……スタールがいても、まぁ、いいかなって。子どもだって、いっぱいいたほうが、大変かもしれないけど、あったかい気がする」
「ゼルス……」
「俺も、あったかい家族が、賑やかな家が、ほしい……」
そこにスタールがいるのも悪くない。これまでの生活を振り返って、彼はそう思ったのだろう。
ゲブラーの小さな願望に、ノイナは思わず涙ぐんでしまいそうになる。ぎゅっと彼を強く抱きしめれば、軽くキスをしてきた彼が聞いてくる。
「でも、ノイナ次第、だけど」
ノイナはスタールのほうを見た。手を伸ばせば彼の手が触れて、恋しそうに指が絡みついてくる。
――ノイナとの子どもが欲しいなって、想像しているうちに……
スタールの夢は、ノイナと温かい家庭を作ることだ。それはきっと、愛人としてただ愛を受け取るだけでは叶わない。
その選択をしたらどんな苦労が待っているのだろう。一瞬それを想像して、ノイナはすぐに首を横に振った。
「分かりました」
スタールの手を引いて、ノイナは二人をいっぺんに抱きしめた。どきどきと、緊張とわずかな不安で心臓が鼓動を速くする。
けれど、きっと大丈夫。幸せな家族になれる。そんな予感めいた確信があった。
「二人の子ども、私が産みましょう」
「っ、ノイナ……!」
声を震わせるスタールに微笑みかければ、すぐに唇が触れ合う。同じようにゲブラーの手もいやらしく臀部を撫で回して、下腹部に触れている彼のものがぐぐっと大きくなっていく。
「三人で、幸せな家族になりましょうね」
「うん……」
「って、もしかしてこのまま、三人プレイ……?」
ふにふにとスタールの手が胸を揉みしだいて、いつの間にかゲブラーの指が中をくちゅくちゅとかき回している。快感に身を捩るも、男二人に挟まれているノイナは身動きが取れず、そのまま快感に震えた。
「今から子作りするんでしょ? だったら、俺の精子もいっぱい受け止めてもらわないと」
「は……ノイナ、挿れるよ……生で」
ゴムを取っ払って、剥き出しのままの男根をスタールは押し付けてくる。ゲブラーが中から指を引き抜き、割れ目を広げるようにそこを引っ張れば、先走りが滴る先端がつぷっと入り込んでくる。
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