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若様は教えたい?
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「それは……」
瀧が蚊取り線香も買ってこいと言っていた。それだけのことだ。でも俺はたかがそれだけのことのためにここまで彩葉を追いかけてきたことになる。
まあたかがそれだけのことができないというのが嫌でここまで来たのは確かだが、いざこうしてみると俺が蚊取り線香を買って帰ればよかっただけの話だ。
「まさか、いろはねーちゃんが好きで追いかけてきたとかじゃねーよな?」
「そ、そんなわけあるか!」
そんなわけがない。断じてそんなわけがない。
「俺は!瀧に言われて彩葉に蚊取り線香も買って来るように伝えたかっただけだ!」
そうだ、これで役目は果たした。もう帰ってもいいだろ……って、どうして静かになるんだよ!
全員がぽかーんとしている。彩葉だけは懐からメモを取り出しておそらく「蚊取り線香」と書き込んでいた。
「え、それだけ?」
「何か文句でもあるのかよ」
「いや、別に……」
能天気な彩葉はメモを畳む前に一度顔を上げると、他には何かありますかと尋ねてくる。
「それだけだ。じゃあ俺は……」
「まって、わかさまってゆーしゅーなんでしょ?算数がわからないの」
「は?」
やけに輝いている目で、端に座っていた女子が俺を見ていた。
見た感じ低学年だ。わざわざ俺に尋ねなくても他のやつでもわかるだろ。神主のじいさんだっている。
「だって、カワくんとかテツくんの教え方はテキトーだし、いろはおねえちゃんは一緒に考えてくれるけどその間に他の子に声かけられちゃうもん」
俺は黙って神主のじいさんを見る。じいさんはすっと目を逸らした。
「わしはどうも数字は苦手でなぁ。あと老眼でこの頃めっきり文字が読めん」
つまり俺が教えろってことか?
……まあ小学校低学年の問題なんて九九とかだろ。
それに小学校低学年レベルの算数ができないなんて彩葉に思われたらどうする。
「……どの問題だ?」
仕方なく靴を脱いで縁側に上がる。女子は教科書らしきものを持って俺のところにやってきた。
「これ」
「ああ面積か……って、面積?」
「どうしたの?」
わからないのか、という顔をされる。
いや、見せられた問題はわかる。計算すれば答えも出せそうだ。でも円の面積の、しかも三角形と組み合わさったような問題をこんなところにいる低学年が解くだろうか。
「お前、何年だ?」
「学年?えっと、学校は行ってないからわかんない」
「は?それってどういう……」
「わ、若様、カヨちゃんはお……その、事情があって……」
「ここに来ている子には色々な事情で学校に通えていない子もいるんですよ。お話ししておくべきでしたね」
「いや……わかったからいい」
ここはもしかするとそういうやつらの受け皿なのかもしれない。組員の中にも中学を途中でやめたようなやつはいる。
神主のじいさんはならよかったと言ってカヨの頭を撫でた。
「で、どこがわからないんだ?」
よく見てみれば、カヨが使っていたのは教科書ではなく中学受験向けの参考書だった。確かにこれを教えるってのは難しいだろう。カワやテツの教え方がテキトーだったとか言ってたが、実際適当だったんじゃねーか?
とりあえず解説使って説明すればいいかと思っていたら、どうやら答えの数字が載っているだけで、別冊の解説はどこかに行ってしまっているらしい。
てことは、俺もこれ解くのかよ。
……まあこの問題はややこしいが難しいわけじゃない。
カヨは何度かうんうんと唸っていたが、やがて新しいの中で何かが繋がったのか迷いなく手を動かし始めた。
「……わかった!わかさますごーい!じゃあこれは?ああっ、こっちも、こっちも教えて!」
「そんな一気に言うな。てかこんなの解いてどうすんだよ」
「わかんない!でもわかると嬉しいの!」
俺にはそれがよくわからないんだが。
それにどうもカヨが嬉しそうにすると肺の下辺りが浮いてるみたいになってどうにも落ち着かない。
「あと一問だけだからな。それ以上は……」
「カヨばっかりずりーぞ!わかさまこれ、この問題解いてくれよ!」
「え、じゃあボクのこれも……」
「テツくんのは寝てて聞いてなかったからわかんないだけでしょ」
「わかさまー!これ、俺の書いた習字見てよ!」
気付けば全員に囲まれていた。
敵に囲まれた事はあってもガキに囲まれた経験はない。どうしてこうなった。
年長者だろどうにかしろと彩葉を見ると、彩葉は目を輝かせながら今にも飛び付きそうな勢いで俺を見ている。
「若様が、若様がすっかり大人気……!」
俺が人気になってどうすんだよ。
慣れないことをして落ち着かないしこう寄ってたかられるのも鬱陶しい。正直言って帰りたい。
帰るというのは簡単だ。でも、そうしたら彩葉は露骨にがっかりするんだろう。別に彩葉の期待に応える義理はない。それでも……
「一人一問ずつだ。あと囲むな並べ」
「はーい」
やけに素直に全員が壁に沿って一列に並ぶ。
聞かれる内容にもよるが、これ終わるのにどれだけかかるんだ?
「おい彩葉、俺に全員の相手させるつもりか!?」
「いえ、そのようなつもりはありません。もちろん私も手伝います」
手伝うって、具体的に何をだよ。
そしてその手伝う内容とやらがわかったのはわりとすぐだった。
「ちょ、カワくん横入りしないでよ!」
「だってお前さっきめっちゃ長かったじゃねーか。俺なんて10秒くらいで終わりにされたんだぜ?」
それは単にお前の持ってきた問題がただの2桁の筆算でとりあえず並んでおこうってのが丸わかりだったからだ。あと単純にこいつが嫌いだから。
「てか間開けてるのが悪いんだろ」
「順番守れないカワくんが悪い!私が先だもん」
言い争いが続いて俺も教えるどころじゃなくなってきた。そこにガタンと机に何かが強く置かれる音がした。
「ケンカはダメだよ?」
笑顔の彩葉が麦茶を淹れたグラスの乗った盆を机に置いて、にこりと笑ったままカワの方に近付いた。
カワの表情が強張る。
「で、でもチビが俺の時だけテキトーだから……」
「俺を巻き込むな。あとチビじゃねぇ」
「カワくん?」
あ、まずいなこれは。
彩葉はカワの腰のあたりをがっしりと掴んだ。
そしてそのまま普段ののんびりとした雰囲気からは想像もつかない速さで外に出ると、腕をおもいきり振り上げた。
「わぁぁぁ!」
間抜けな悲鳴と共にカワは投げ飛ばされる。建物の周りの木の上くらいに到達して、投げ飛ばされた時と同じ速度で落ちてくる。
「ぎゃあああ!」
叫び声が近づいてくる。
彩葉は涼しい顔で自分で放り投げたカワを受け止めた。
「次は雲の上まで投げちゃいますよ?」
彩葉が言うと冗談に聞こえない。
カワは情けなく首をふるふると横に振っていた。
瀧が蚊取り線香も買ってこいと言っていた。それだけのことだ。でも俺はたかがそれだけのことのためにここまで彩葉を追いかけてきたことになる。
まあたかがそれだけのことができないというのが嫌でここまで来たのは確かだが、いざこうしてみると俺が蚊取り線香を買って帰ればよかっただけの話だ。
「まさか、いろはねーちゃんが好きで追いかけてきたとかじゃねーよな?」
「そ、そんなわけあるか!」
そんなわけがない。断じてそんなわけがない。
「俺は!瀧に言われて彩葉に蚊取り線香も買って来るように伝えたかっただけだ!」
そうだ、これで役目は果たした。もう帰ってもいいだろ……って、どうして静かになるんだよ!
全員がぽかーんとしている。彩葉だけは懐からメモを取り出しておそらく「蚊取り線香」と書き込んでいた。
「え、それだけ?」
「何か文句でもあるのかよ」
「いや、別に……」
能天気な彩葉はメモを畳む前に一度顔を上げると、他には何かありますかと尋ねてくる。
「それだけだ。じゃあ俺は……」
「まって、わかさまってゆーしゅーなんでしょ?算数がわからないの」
「は?」
やけに輝いている目で、端に座っていた女子が俺を見ていた。
見た感じ低学年だ。わざわざ俺に尋ねなくても他のやつでもわかるだろ。神主のじいさんだっている。
「だって、カワくんとかテツくんの教え方はテキトーだし、いろはおねえちゃんは一緒に考えてくれるけどその間に他の子に声かけられちゃうもん」
俺は黙って神主のじいさんを見る。じいさんはすっと目を逸らした。
「わしはどうも数字は苦手でなぁ。あと老眼でこの頃めっきり文字が読めん」
つまり俺が教えろってことか?
……まあ小学校低学年の問題なんて九九とかだろ。
それに小学校低学年レベルの算数ができないなんて彩葉に思われたらどうする。
「……どの問題だ?」
仕方なく靴を脱いで縁側に上がる。女子は教科書らしきものを持って俺のところにやってきた。
「これ」
「ああ面積か……って、面積?」
「どうしたの?」
わからないのか、という顔をされる。
いや、見せられた問題はわかる。計算すれば答えも出せそうだ。でも円の面積の、しかも三角形と組み合わさったような問題をこんなところにいる低学年が解くだろうか。
「お前、何年だ?」
「学年?えっと、学校は行ってないからわかんない」
「は?それってどういう……」
「わ、若様、カヨちゃんはお……その、事情があって……」
「ここに来ている子には色々な事情で学校に通えていない子もいるんですよ。お話ししておくべきでしたね」
「いや……わかったからいい」
ここはもしかするとそういうやつらの受け皿なのかもしれない。組員の中にも中学を途中でやめたようなやつはいる。
神主のじいさんはならよかったと言ってカヨの頭を撫でた。
「で、どこがわからないんだ?」
よく見てみれば、カヨが使っていたのは教科書ではなく中学受験向けの参考書だった。確かにこれを教えるってのは難しいだろう。カワやテツの教え方がテキトーだったとか言ってたが、実際適当だったんじゃねーか?
とりあえず解説使って説明すればいいかと思っていたら、どうやら答えの数字が載っているだけで、別冊の解説はどこかに行ってしまっているらしい。
てことは、俺もこれ解くのかよ。
……まあこの問題はややこしいが難しいわけじゃない。
カヨは何度かうんうんと唸っていたが、やがて新しいの中で何かが繋がったのか迷いなく手を動かし始めた。
「……わかった!わかさますごーい!じゃあこれは?ああっ、こっちも、こっちも教えて!」
「そんな一気に言うな。てかこんなの解いてどうすんだよ」
「わかんない!でもわかると嬉しいの!」
俺にはそれがよくわからないんだが。
それにどうもカヨが嬉しそうにすると肺の下辺りが浮いてるみたいになってどうにも落ち着かない。
「あと一問だけだからな。それ以上は……」
「カヨばっかりずりーぞ!わかさまこれ、この問題解いてくれよ!」
「え、じゃあボクのこれも……」
「テツくんのは寝てて聞いてなかったからわかんないだけでしょ」
「わかさまー!これ、俺の書いた習字見てよ!」
気付けば全員に囲まれていた。
敵に囲まれた事はあってもガキに囲まれた経験はない。どうしてこうなった。
年長者だろどうにかしろと彩葉を見ると、彩葉は目を輝かせながら今にも飛び付きそうな勢いで俺を見ている。
「若様が、若様がすっかり大人気……!」
俺が人気になってどうすんだよ。
慣れないことをして落ち着かないしこう寄ってたかられるのも鬱陶しい。正直言って帰りたい。
帰るというのは簡単だ。でも、そうしたら彩葉は露骨にがっかりするんだろう。別に彩葉の期待に応える義理はない。それでも……
「一人一問ずつだ。あと囲むな並べ」
「はーい」
やけに素直に全員が壁に沿って一列に並ぶ。
聞かれる内容にもよるが、これ終わるのにどれだけかかるんだ?
「おい彩葉、俺に全員の相手させるつもりか!?」
「いえ、そのようなつもりはありません。もちろん私も手伝います」
手伝うって、具体的に何をだよ。
そしてその手伝う内容とやらがわかったのはわりとすぐだった。
「ちょ、カワくん横入りしないでよ!」
「だってお前さっきめっちゃ長かったじゃねーか。俺なんて10秒くらいで終わりにされたんだぜ?」
それは単にお前の持ってきた問題がただの2桁の筆算でとりあえず並んでおこうってのが丸わかりだったからだ。あと単純にこいつが嫌いだから。
「てか間開けてるのが悪いんだろ」
「順番守れないカワくんが悪い!私が先だもん」
言い争いが続いて俺も教えるどころじゃなくなってきた。そこにガタンと机に何かが強く置かれる音がした。
「ケンカはダメだよ?」
笑顔の彩葉が麦茶を淹れたグラスの乗った盆を机に置いて、にこりと笑ったままカワの方に近付いた。
カワの表情が強張る。
「で、でもチビが俺の時だけテキトーだから……」
「俺を巻き込むな。あとチビじゃねぇ」
「カワくん?」
あ、まずいなこれは。
彩葉はカワの腰のあたりをがっしりと掴んだ。
そしてそのまま普段ののんびりとした雰囲気からは想像もつかない速さで外に出ると、腕をおもいきり振り上げた。
「わぁぁぁ!」
間抜けな悲鳴と共にカワは投げ飛ばされる。建物の周りの木の上くらいに到達して、投げ飛ばされた時と同じ速度で落ちてくる。
「ぎゃあああ!」
叫び声が近づいてくる。
彩葉は涼しい顔で自分で放り投げたカワを受け止めた。
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