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第7段階⑤
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翌日、早朝に新さんから連絡があり、昼に病院に行けば榎木さんがそのままお屋敷に連れて行ってくれることになったそうだ。ありがたい。
午後からの講義はののかに後でノートを写させてもらうことにした。
「なんか美耶、最近忙しそうだけどどうしたの?イベント近かったっけ?」
ののかは私の顔を覗き込んで心配そうに声をかけてくれる。
「ちょっと知り合いが怪我して入院してて」
「お見舞いかぁ。大変だね」
そう言ってののかは持ってきたというおやつをひとつくれる。それを食べながら、ふと思い至って尋ねてみた。
「ののかはさ、もし明日死ぬとしたらコレクションどうする?」
「え?どうするって言われても、捨てられないし……ああでも片付けとかないと困るもんね。うーん、とりあえず本系は雑誌でサンドしてギッチギチに縛っておくかな」
確かにそこまでしてあれば捨てる気なのかと思われて捨ててもらえるか。でも深田さんの場合は中身確認されちゃうよね。
「アクスタとかは……プラスチック?いや~!想像するだけで悲しくてできない」
「だよねー」
ひとつひとつに買った時の思い出とか、一緒に撮った写真とか思い入れがとにかく詰まってる。欲しくてたまらないから買ったわけだし。
「気に入ってるのは棺桶に入れて一緒に燃やして欲しいんだけど、燃えるものならいいんだよね」
「たぶん、燃えて炭になるなら大丈夫じゃない?でも燃やすって本当に最終手段だよね」
「あっ、即座に燃やしてほしいものあるかも」
ののかは何か思い出したのか、頭を抱えていた。
「いや、昔ね、ちょっと色々あってそれが残ってるんだよね。見られるの怖くて机の奥底にしまってるの」
ああ、日記とかかな。私も実家の机漁ったら出てくるだろうな。あんまり上手じゃなかった頃の絵が……うっ、今度実家に帰ったら全部回収してこよう。
「あれ見られたら化けて出て見られる前に鬼火?とかで燃やすなぁ」
身に覚えがあるので、私はののかの言葉にうんうんと頷いた。やっぱり誰しもそういうのあるんだな。
「でも焚き火とかじゃ怪しまれるよね……あ、そろそろ行かなきゃ。ごめん、午後のノートとプリント今度見せて」
「いいよー」
ののかは軽い調子で返事をくれた。よかったほとんど同じ講義取ってて。
そうして大学を飛び出し、電車に乗って病院へ。
病室の前で榎木さんが待っていてくれたので、すんなりと中に入れてもらえた。
ベッドの上、深田さんの顔を覗き込むと、昨日と変わらない難しい顔のまま、目を閉じている。
「深田さん、起きなくていいんですか?」
「そうですよ頭、起きていただかないと組員が路頭に迷うんです」
「新さんも心配してますよ」
私と榎木さんが代わる代わる話しかけてみたけど、やっぱり深田さんの反応はなかった。
そのまましばらく病室の椅子に座って深田さんを眺めたり、生けられていたお花の水を換えたりしていた。
「榎木さん、そろそろ……」
しばらくすると交代だと別の組員の方がやってきた。
なのでその後は榎木さんに乗せてもらい、私はお屋敷へ。
お屋敷に着くなり、特に持ち物検査等もなく、すんなりと部屋に通してもらえた。これが榎木さん効果か。というか、榎木さんって組長補佐だもんね。今は1番偉いのか。
そんな人がなぜ私を信用してくれているんだろうか。まあ深田さんが私を信じてくれていたからか。どこまで忠実なんだ榎木さん……
忠実な部下、今度何か描く時絶対に出そう。
そんなことを考えながら、私は金庫を開けて中身を持ってきた袋に移していく。できるだけ曲がったりしないようにケースを持ってきたから装丁が繊細そうなもの優先で片付ける。
その中で……お、これは知らない先生だけど、ショタ化記憶喪失ものか。絵柄も好きだしストーリーもなかなか原作への造詣が。こっちはにゃの輪のなべしき先生が前にハマってたジャンルのやつ。懐かしい。この厚くて薄い本は有名絵師の再録オムニバス。欲しかったけど当時高くて手が出なかったんだよなこれ。再販してたのか。
やっぱりいい趣味してるな深田さん……
なんてうっかりパラパラ捲って楽しんでしまう。だって宝の山だよこれ。
パラパラ読んでは持ってきた袋に入れてを繰り返していたら、だんだん目が霞んで読めなく……って、単に外が暗くなってきただけだ!
「追川さん?まだいらっしゃるんですか?」
ちょうどそのタイミングで榎木さんが廊下から声をかけてきた。
私は慌てて出した冊子を袋に詰めて金庫を閉じる。
「す、すいません気付かなくて!そろそろ帰ります!」
それにしてもやはり多すぎて運び出すの終わらないな。今日のところはこれが限界だ。
でも薄いのなら数冊は入りそうなので、榎木さんが立ち去ったのを確認して、もう一度金庫を開けた。
薄そうで、自分なら見つかったら涙目になりそうなキツめのやつ……
とりあえず過激な表現で有名な先生の本を袋の中へ。とりあえずこんなものかとちょっとすっきりした金庫の奥を覗き込んだ時だった。
タイトルもイラストもない小さい本が、他の本に押されて金庫の奥の面に貼り付くように入っていた。
なんとなく気になって手に取ってみる。
「あれ?これ、もしかして……」
午後からの講義はののかに後でノートを写させてもらうことにした。
「なんか美耶、最近忙しそうだけどどうしたの?イベント近かったっけ?」
ののかは私の顔を覗き込んで心配そうに声をかけてくれる。
「ちょっと知り合いが怪我して入院してて」
「お見舞いかぁ。大変だね」
そう言ってののかは持ってきたというおやつをひとつくれる。それを食べながら、ふと思い至って尋ねてみた。
「ののかはさ、もし明日死ぬとしたらコレクションどうする?」
「え?どうするって言われても、捨てられないし……ああでも片付けとかないと困るもんね。うーん、とりあえず本系は雑誌でサンドしてギッチギチに縛っておくかな」
確かにそこまでしてあれば捨てる気なのかと思われて捨ててもらえるか。でも深田さんの場合は中身確認されちゃうよね。
「アクスタとかは……プラスチック?いや~!想像するだけで悲しくてできない」
「だよねー」
ひとつひとつに買った時の思い出とか、一緒に撮った写真とか思い入れがとにかく詰まってる。欲しくてたまらないから買ったわけだし。
「気に入ってるのは棺桶に入れて一緒に燃やして欲しいんだけど、燃えるものならいいんだよね」
「たぶん、燃えて炭になるなら大丈夫じゃない?でも燃やすって本当に最終手段だよね」
「あっ、即座に燃やしてほしいものあるかも」
ののかは何か思い出したのか、頭を抱えていた。
「いや、昔ね、ちょっと色々あってそれが残ってるんだよね。見られるの怖くて机の奥底にしまってるの」
ああ、日記とかかな。私も実家の机漁ったら出てくるだろうな。あんまり上手じゃなかった頃の絵が……うっ、今度実家に帰ったら全部回収してこよう。
「あれ見られたら化けて出て見られる前に鬼火?とかで燃やすなぁ」
身に覚えがあるので、私はののかの言葉にうんうんと頷いた。やっぱり誰しもそういうのあるんだな。
「でも焚き火とかじゃ怪しまれるよね……あ、そろそろ行かなきゃ。ごめん、午後のノートとプリント今度見せて」
「いいよー」
ののかは軽い調子で返事をくれた。よかったほとんど同じ講義取ってて。
そうして大学を飛び出し、電車に乗って病院へ。
病室の前で榎木さんが待っていてくれたので、すんなりと中に入れてもらえた。
ベッドの上、深田さんの顔を覗き込むと、昨日と変わらない難しい顔のまま、目を閉じている。
「深田さん、起きなくていいんですか?」
「そうですよ頭、起きていただかないと組員が路頭に迷うんです」
「新さんも心配してますよ」
私と榎木さんが代わる代わる話しかけてみたけど、やっぱり深田さんの反応はなかった。
そのまましばらく病室の椅子に座って深田さんを眺めたり、生けられていたお花の水を換えたりしていた。
「榎木さん、そろそろ……」
しばらくすると交代だと別の組員の方がやってきた。
なのでその後は榎木さんに乗せてもらい、私はお屋敷へ。
お屋敷に着くなり、特に持ち物検査等もなく、すんなりと部屋に通してもらえた。これが榎木さん効果か。というか、榎木さんって組長補佐だもんね。今は1番偉いのか。
そんな人がなぜ私を信用してくれているんだろうか。まあ深田さんが私を信じてくれていたからか。どこまで忠実なんだ榎木さん……
忠実な部下、今度何か描く時絶対に出そう。
そんなことを考えながら、私は金庫を開けて中身を持ってきた袋に移していく。できるだけ曲がったりしないようにケースを持ってきたから装丁が繊細そうなもの優先で片付ける。
その中で……お、これは知らない先生だけど、ショタ化記憶喪失ものか。絵柄も好きだしストーリーもなかなか原作への造詣が。こっちはにゃの輪のなべしき先生が前にハマってたジャンルのやつ。懐かしい。この厚くて薄い本は有名絵師の再録オムニバス。欲しかったけど当時高くて手が出なかったんだよなこれ。再販してたのか。
やっぱりいい趣味してるな深田さん……
なんてうっかりパラパラ捲って楽しんでしまう。だって宝の山だよこれ。
パラパラ読んでは持ってきた袋に入れてを繰り返していたら、だんだん目が霞んで読めなく……って、単に外が暗くなってきただけだ!
「追川さん?まだいらっしゃるんですか?」
ちょうどそのタイミングで榎木さんが廊下から声をかけてきた。
私は慌てて出した冊子を袋に詰めて金庫を閉じる。
「す、すいません気付かなくて!そろそろ帰ります!」
それにしてもやはり多すぎて運び出すの終わらないな。今日のところはこれが限界だ。
でも薄いのなら数冊は入りそうなので、榎木さんが立ち去ったのを確認して、もう一度金庫を開けた。
薄そうで、自分なら見つかったら涙目になりそうなキツめのやつ……
とりあえず過激な表現で有名な先生の本を袋の中へ。とりあえずこんなものかとちょっとすっきりした金庫の奥を覗き込んだ時だった。
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