空母鳳炎奮戦記

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第3航空艦隊

東洋艦隊壊滅

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第3航空艦隊の攻撃隊は東洋艦隊の直掩機であるシーファイアを鎧袖一触で葬り、12時頃に攻撃を開始した。
インドミタブルとフォーミタブルを攻撃目標に据えたが、戦艦ウォースパイトとラミリーズの重厚な対空砲火によってたちまち艦攻が6機、艦戦が5機、艦爆が5機撃墜されてしまう。
だが、いかに重厚と言えども100機近い攻撃隊の猛攻撃を防ぎきれなかった。
上空から3機の艦爆が急降下を敢行する。
投下された3発の内2発がフォーミタブルに命中。
飛行甲板を貫通し格納庫はたちまち火の海となった。
インドミタブルも同じ状況であり、こちらは3発すべてが命中し1発が艦橋を破壊した。
この攻撃でインドミタブルで指揮をとっていたサマヴィル長官も即死し、ウォースパイト艦長のパッカー大佐が指揮権を受け継いだ。
それでも状況は好転せず攻撃隊は目標を戦艦に変えた。
艦攻隊による雷撃と艦爆隊により急降下爆撃の飽和攻撃にさらされた戦艦2隻はあえなく沈没した。


「敵機接近!」
瑞鳳と祥鳳に合流した鳳炎の電探が敵機の襲来を知らせる。
「来たか…直掩機発艦!」
直掩機として風翔12機、零戦50機が発艦した。
その総指揮が鳳炎飛行隊長の笹井だった。
「敵の数は多くても90機、その中には当然攻撃機もいる。まともに戦えるのは少数だろう。」
そして案の定向かってくる敵機は少ない。
「各機、攻撃始め!」
笹井も戦果を求めて乱戦に身を投じていく。


直掩隊は次々と敵の攻撃隊を撃墜していった。
それはほとんど虐殺であり、第3航空隊の乗組員が東洋艦隊の攻撃隊を見ることはついになかった。
これにて東インド洋海戦は終結する。
東洋艦隊は空母1隻、戦艦2隻、重巡1隻が沈没し空母1隻と重巡3隻、軽巡1が中大破した。
これに対し、第3航空艦隊は艦攻19機、艦爆12機、艦戦23機を失うにとどまった。


1943年1月4日。
ポートモレスビーから移動してきた第5潜水戦隊の10隻が船団襲撃をここ3カ月間行っていた。
これを撃退するはずの東洋艦隊は昨年に壊滅してしまっていた。
まさにインド洋は日本の海と化したのである。


「ここ最近は平和だな。」
「ですね」
小沢と草鹿は茶をすする。
第3航空艦隊は訓練を行うだけでシンガポール近海からはあまり離れていなかった。
「昨年の終わりごろには第1航空艦隊と第2航空艦隊がパナマ運河を完全に破壊しましたし、今の内に勢力を広げるのが肝要でしょうね。」
「あぁ、時期に内地から扶桑型空母4隻の第5航空艦隊がインド洋に来る。その時だろうな。」
小沢はインド亜大陸を睨みながら言った。
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