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航空艦隊実現に向けて
軍令部殴り込み
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海軍ーとりわけ軍令部の上層部は近頃、その固まり切った頭を悩ませていた。
その原因は当然、すでに青年将校の間では主流になりつつある航空艦隊構想だった。
”ひょろひょろな航空機がどっしりとした戦艦を沈められることなどない!”
これが軍令部の考えだった。
ただなんの実績もない航空機より海軍建軍以来、実績がある戦艦を優先させるのはある意味で言うと堅実だった。
仮に航空艦隊構想を実現して”なんの役にも立ちませんでした”では世間の笑いものだ。
そんな軍令部にある男達が出向いてきた。
「もはや戦艦の時代は終わりつつあります!」
開口一番にそう主張する男こそ今の軍令部で最大の敵である山本五十六少将だった。
またその傍らには山本の親友である堀悌吉少将も居た。
「まぁ、そう焦るな」
応対したのは軍令部次長である百武源吾中将だった。
百武自身はどちらかと言えば山本らと同じ海軍左派に位置しており、航空艦隊構想も内心、”面白い!”と思っていた。
だが軍令部次長としてやはり部内の一致団結を為さねばならない。
なので今回の山本の”殴り込み”は百武にとって”本当にこれに国を懸けていいのか”という吟味でもあった。
「戦艦や重巡の主砲が敵艦を射程に収める間に、航空隊は幾度も魚雷や爆弾で攻撃することが出来ます!」
今度は堀が主張した。
(なるほどな…それは一理ある)
百武は”それならば”と提案した。
「一度、第一戦隊と第一航空戦隊で模擬戦を行ってみればよいではないか」
これを聞いた2人は”待ってました!”と言わんばかりの満面の笑みで頷いた。
「これで大砲屋は黙らせることが出来るやもしれん」
軍令部からの帰り道。
山本は堀に言った。
「あぁ、そうだな。もし黙らせることが出来たなら、次は水雷屋か」
これに山本は頷く。
「模擬戦で航空隊が圧倒的な勝利を飾れば、水雷屋も自ずと黙るかもしれん。それに水雷屋は大砲屋とは違い、ちゃんと駆逐艦や軽巡がある」
「確かに、それはそうだな」
堀はそこでふと思った。
「もし重巡も空母に改装するとしてだ。艦隊防空はどうする気だ?」
「それに関しては特型などの駆逐艦の主砲を両用砲に換装したり、既存の軽巡や新造の軽巡の対空火力を強化すればいい。それに空母自体も丸腰ではないだろう?」
堀は頷いた。
調整の結果、第一戦隊と第一航空戦隊の模擬戦は1931年12月8日と決定された。
場所は房総半島沖50海里で行われることとなった。
またこの模擬戦には伏見宮博恭王大将が秘密裏に見学する事が決まった。
その原因は当然、すでに青年将校の間では主流になりつつある航空艦隊構想だった。
”ひょろひょろな航空機がどっしりとした戦艦を沈められることなどない!”
これが軍令部の考えだった。
ただなんの実績もない航空機より海軍建軍以来、実績がある戦艦を優先させるのはある意味で言うと堅実だった。
仮に航空艦隊構想を実現して”なんの役にも立ちませんでした”では世間の笑いものだ。
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なので今回の山本の”殴り込み”は百武にとって”本当にこれに国を懸けていいのか”という吟味でもあった。
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今度は堀が主張した。
(なるほどな…それは一理ある)
百武は”それならば”と提案した。
「一度、第一戦隊と第一航空戦隊で模擬戦を行ってみればよいではないか」
これを聞いた2人は”待ってました!”と言わんばかりの満面の笑みで頷いた。
「これで大砲屋は黙らせることが出来るやもしれん」
軍令部からの帰り道。
山本は堀に言った。
「あぁ、そうだな。もし黙らせることが出来たなら、次は水雷屋か」
これに山本は頷く。
「模擬戦で航空隊が圧倒的な勝利を飾れば、水雷屋も自ずと黙るかもしれん。それに水雷屋は大砲屋とは違い、ちゃんと駆逐艦や軽巡がある」
「確かに、それはそうだな」
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「もし重巡も空母に改装するとしてだ。艦隊防空はどうする気だ?」
「それに関しては特型などの駆逐艦の主砲を両用砲に換装したり、既存の軽巡や新造の軽巡の対空火力を強化すればいい。それに空母自体も丸腰ではないだろう?」
堀は頷いた。
調整の結果、第一戦隊と第一航空戦隊の模擬戦は1931年12月8日と決定された。
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またこの模擬戦には伏見宮博恭王大将が秘密裏に見学する事が決まった。
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