連合航空艦隊

ypaaaaaaa

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航空艦隊実現に向けて

模擬戦

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1931年12月8日。
模擬戦の当日、山本は久々に赤城に居た。
「やはり赤城は変わらんな」
艦橋で山本はしみじみと言った。
「今は感傷にふけっている場合ではないぞ。そろそろ攻撃隊が発進するぞ」
「そうだな」
今回の模擬戦はあくまで”航空機、とりわけ艦載機で戦艦が沈められるのか?”という疑問を解消するための物であり、第一戦隊の位置は公開されていた。
第一戦隊は陸奥、山城、日向で構成されており、それを第13駆逐隊の若竹、呉竹、早苗、早蕨が護衛していた。
また航空攻撃の成否を判断するため陸奥には小沢治三郎大佐が乗艦していた。
つまり、この模擬戦での航空主兵主義と大艦巨砲主義の勝敗は小沢の判断で決まるのだ。


第一航空戦隊の攻撃隊は総勢64機であり、総隊長は源田実大尉だった。
「敵艦発見。全機、攻撃態勢に」
そすして攻撃隊は2つに分かれた。
第一戦隊を挟み撃ちにするためだ。
「全軍突撃!」
源田の命令に攻撃隊の各機は勇んで第一戦隊に突っ込んでいった。


「とーりかーじ!」
陸奥の艦長は必死に攻撃を回避しようとしていた。
(こりゃぁ、壮観だ)
小沢は心の中でそう思った。
攻撃隊がはきれいに2つの編隊に分かれた。
そして次々と低空に舞い降りていった。
(対空砲による撃墜を大げさに考えても10機もいかんだろうな)
そうしている内に攻撃隊が上昇する。
攻撃を行ったようだ
「右から5本来るぞ!」
小沢はたまらず叫ぶ。
これを見越して艦長は取り舵を取っていたわけだが、左からも4機が攻撃を仕掛けており避けるのは不可能だった。
結局、少なく見積もっても5本の魚雷が命中した。
これは陸奥だけだったが、山城と日向はもっと悲惨だった。
この2艦は陸奥程の速度を出せず、攻撃隊の思うがままとなった。
山城に8本、日向に7本の魚雷が命中(判定)となった。
これで山城は沈没、日向は大破と判断された。
そして小沢が思った通り、第一戦隊が撃墜できたのは僅か10機にとどまった。


「戦艦の時代は、終わったのかもしれんな」
報告を聞いた伏見宮はそうつぶやいた。
彼は駆逐艦若竹に密かに乗艦し、事の成り行きを見守っていた。
「これからは本当に航空機の時代なのでしょうな」
百武はしみじみ言った。
これに伏見宮も頷く。
「結果を見せられた以上、航空主兵主義、ひいては艦隊航空構想を否定することは不可能となった」
この2か月後、陸軍が参謀総長に閑院宮載仁親王を据えた関係で伏見宮は軍令部総長に就任した。
また軍令部次長にはかつての山本の上司であり、第一航空戦隊司令官でもあった高橋三吉中将が据えられた。
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