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装甲艦隊構想
模擬海戦
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1936年6月22日。
横須賀沖にて模擬海戦が行われた。
日本海軍はこれから装甲空母を建造することになっているが、そうなると戦艦と供に敵陣深くまで切り込むような戦術も取れる様になる。
と、すると戦艦は敵制空権下の中でもかなり自由に行動が出来るようになる。
だが、それは母艦航空隊の練度次第と言うこともあった。
そこに山本は目を付けた。
山本は”母艦航空隊の戦技向上並びに、戦艦乗組員の対空意識の向上”を表向きの目標として軍令部に模擬海戦に実施を提案したのだったが、実際は”上層部に航空機に真価を見せてやろう!”と腹の奥で考えていたのである。
上層部に航空機の脅威を植え付けることが出来れば大型戦艦建造を諦め、新型空母やその艦載機に資金を使えるようになる。
この山本の狙いは第一航空戦隊の皆に伝わっており、彼らは張り切って”戦艦撃滅!”を目標に攻撃機に乗って2隻の軽空母を発艦していった。
相手をするのは戦艦金剛である。
金剛は中速戦艦に分類されており、最高速26ノットを誇る。
これは現在の日本海軍が保有する中で最速であった。
(金剛を撃沈判定に出来れば上層部もかなり動揺するに違いない!)
山本はそう期待して鳳翔と龍驤から攻撃隊を送り出した。
攻撃隊は九二式艦攻45機。
現在、急降下爆撃機の研究も行っているがいまはまだ実用化に至っていない。
そのため、今回は艦攻だけが参戦することになる。
そして、その艦攻たちはすべてが模擬魚雷を装備していた。
金剛は目視で航空隊を捉えた。
すぐに艦長は対空戦闘と回避行動を命令する。
だが、金剛には軍縮条約の影響で今だ本格的な対空火器が装備されておらず撃墜できた機体は多めに見積もっても2機でしかなかった。
そのため、艦攻はなんら影響を受けずに冷静に魚雷を投下していく。
ほとんどが挟み撃ちで攻撃を仕掛けたが、攻撃は明らかに左舷に集中していた。
結果的に、金剛は右舷には2本の被雷だけにとどめたものの、左舷になんと18本もの魚雷を喰らった判定となったのである。
如何に堅牢な戦艦で、かつ比較的小さな魚雷であろうとも18本の被雷はもはや撃沈と言っても差し支えなかった。
この模擬海戦の結果はすぐに海軍全体に広まることになる。
ある物は”ただの模擬戦”と切り捨てたが、軍令部総長たる伏見宮は違った。
(…なぜこのような結果になったのか、奴に問い詰めなければならん)
奴とは山本の事で、伏見宮は早速山本を軍令部に呼びつけたのだった。
横須賀沖にて模擬海戦が行われた。
日本海軍はこれから装甲空母を建造することになっているが、そうなると戦艦と供に敵陣深くまで切り込むような戦術も取れる様になる。
と、すると戦艦は敵制空権下の中でもかなり自由に行動が出来るようになる。
だが、それは母艦航空隊の練度次第と言うこともあった。
そこに山本は目を付けた。
山本は”母艦航空隊の戦技向上並びに、戦艦乗組員の対空意識の向上”を表向きの目標として軍令部に模擬海戦に実施を提案したのだったが、実際は”上層部に航空機に真価を見せてやろう!”と腹の奥で考えていたのである。
上層部に航空機の脅威を植え付けることが出来れば大型戦艦建造を諦め、新型空母やその艦載機に資金を使えるようになる。
この山本の狙いは第一航空戦隊の皆に伝わっており、彼らは張り切って”戦艦撃滅!”を目標に攻撃機に乗って2隻の軽空母を発艦していった。
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山本はそう期待して鳳翔と龍驤から攻撃隊を送り出した。
攻撃隊は九二式艦攻45機。
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そのため、今回は艦攻だけが参戦することになる。
そして、その艦攻たちはすべてが模擬魚雷を装備していた。
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結果的に、金剛は右舷には2本の被雷だけにとどめたものの、左舷になんと18本もの魚雷を喰らった判定となったのである。
如何に堅牢な戦艦で、かつ比較的小さな魚雷であろうとも18本の被雷はもはや撃沈と言っても差し支えなかった。
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ある物は”ただの模擬戦”と切り捨てたが、軍令部総長たる伏見宮は違った。
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