大和型重装甲空母

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装甲艦隊構想

装甲艦隊

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「先ほど、”装甲艦隊”なる言葉を発したが、それはなんだね」
伏見宮はまず1つの疑問を口にした。
「はい、装甲艦隊というのは”重”装甲空母1隻と高速戦艦1隻で戦隊を編成し、これを柔軟に運用する艦隊の事であります。この編成であれば思い切って敵に近づくことも出来き、また損害も局限化できます」
「なるほど…して、その重装甲空母とは何かね」
また自分の知らない単語が出てきたため伏見宮は重ね重ね問う。
「100㎜程度の装甲を飛行甲板に装備し、そして戦艦をも凌駕する対水雷防御と、他国の空母を大きく引き離す艦載機数を持つ空母の事であります」
これに伏見宮は少し驚く。
「もし、そんな空母があれば強力な艦隊が出来上がるに違いないが、そんな性能の空母を実現できるのかね」
ここで伏見宮は無意識ながらも”重装甲空母が強力な戦力”であることを認めていたのである。
これだけで山本にとっては大きな収穫に違いなかったが、伏見宮の心はかなり揺れ動いており、”ここで押し込めれば宮様をこちら側へ引き込めるに違いない!”と山本は用意していた資料をかばんから出した。
「こちら、艦政本部に設計させました。ご覧ください」
そこには全長275mになろうかと言う巨大空母があった。
艦幅も40mある。
艦橋はやや中央よりだが、その上には煙突が設置されており、これら艦上構造物の反対側には船舷エレベーターが設置されていた。
伏見宮は思わず、この設計図に目を奪われたのである。
「…排水量はどれほどだ」
「概ね5万トンから6万トンと試算されております」
「速力は?」
「16万馬力で30ノットと試算されております」
これらの補足を受けて、伏見宮は呟く。
「なるほど…この空母であればそう易々と沈まんだろう。戦艦と行動を共にするのには適している」
「その通りであります。この空母から多数の艦載機が出撃し、敵艦隊を攻撃するのです。ですが、この重装甲空母は1隻や2隻ではその性能を発揮することは出来ません。最低でも”4隻”は必要になるでしょう」
伏見宮は押し黙る。
つまり、山本は同時に4隻の重装甲空母を建造せよと言っているのである。
日本にはここまでの大型艦を建造できる船渠は4つしかない。
戦争はいつ起こるか分からないため、2隻づつ分けて建造するというのは少し危ないのである。
「工期は…どの程度だ」
「戦艦のように艤装に多大な時間を費やすわけではありませんので、ゆるりとやっても4年、急げば3年弱でものにできると考えております」
4年とするとこの空母が就航するのは概ね1941年ほどになる。
もし、これを戦艦4隻の建造に切り替えたとしたら1942年まで戦艦は戦力にならない。
このことを考えるとできるだけ早めに空母を建造しておいて、世界情勢に変わりなければ戦艦を建造するということで問題は無かった。
「…言いたいことは分かった。後日、決定を下す」
こうして伏見宮は思慮にふけることになる。

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