大和型重装甲空母

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装甲艦隊構想

古賀の説得

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伏見宮が重装甲空母の事を考えている頃、山本は後輩の古賀峰一と会っていた。
理由は単純で、古賀にも重装甲空母建造に理解を示してもらおうというのである。
古賀は軍令部次長就任もささやかれており、大砲屋でもあった。
山本はまず、伏見宮に話した通りの説明をした。
「理屈ではそうでしょうが、総長がおっしゃった様に対空火器の命中率が100%となれば、航空機は無用の長物になるのではないでしょうか?」
「100%が可能ならな。陸上基地ならいざ知らず、艦は動揺する。だからこそ砲撃の命中率はかなり低い」
「確かに、それはそうです。ですが、対空火器が狙う目標は10㎞圏内の敵です。艦の動揺の影響はそこまで受けないと思いますが…」
「だが、対空火器の狙う相手は高速で動き回る。それに、当たったからと言ってそれで敵機を撃墜できるとは限らんのだ。結局、艦隊防空は空母に頼ることになる」
「それならば軽空母を量産すれば良いではないですか。戦艦をないがしろにしてまで空母を建造するというのは如何なものかと…」
「君は戦艦、戦艦と言うが対空火器の命中率が100%となればこそ、戦艦は必要ないだろう。対空火器の命中率が100%ということはそれだけ未来が予測できるということ。ならば、水雷戦隊によって敵戦艦に雷撃を行えば、戦艦による砲撃より早く、安く撃沈できるだろう」
これには古賀も言葉が詰まった。
たしかに、対空火器の命中率が100%ということは他の兵器の命中率も自ずと上昇しているに違いない。
となると、戦艦ばかりにこだわる必要はなく、巡洋艦と駆逐艦による艦隊だけで問題ないのである。
古賀が押し黙っているのを見て、山本は続ける。
「航空機は近いうちに時速500㎞を超えるに違いない。これの未来を予測するというのはかなり難しいだろう。私は、対空火器の命中率はどれだけ高く見積もっても50%と見ている。半数の艦載機の攻撃が通るのだから遠くからうじうじ砲撃する戦艦より命中率は格段に高い。となると、戦艦などより空母を建造した方が我が国のような貧乏国家には合っていると考えている」
これで古賀の心は決定的となった。
「残念ながら、山本さんのおっしゃる通りです…。すでに航空機は時速500㎞を超える機体が開発中という情報もあります。やはり、戦艦などより空母とその艦載機の方が有意義な兵器になるというのは間違いないでしょう」
これに山本は満足したが、古賀は続ける。
「ですが、空母の攻撃力は艦載機に依存します。これからは艦載機に多額の金を費やさなけなければなりません」
「分かってくれたようだな。無論だ」
こうして山本は古賀峰一という心強い味方を得たのである。

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