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マーシャル迎撃戦
第1次攻撃隊発艦
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「我々は包囲されています。」
戦艦ワシントンに臨時で召集された将校たちを前にレイトンは何の前置きもなく言い放つ。
「真珠湾が攻撃され最低限度の港の修復に2か月はかかるという報告がなされました。これにより我々は退路を失ています。3日前ならニューギニア方面からの撤退が可能でしたがすでにマーシャル諸島に突入しているため我々に残された選択肢はマーシャル諸島を突破しインドまで撤退することです。」
レイトンの作戦は単純明快であり、またこれしかなかった。
すぐに英米連合艦隊は針路を南西にとる。
これがインドへの最短距離だったからだ。
連合艦隊は4月20日にはマーシャル諸島の南西付近に展開していた。
敵艦隊が撤退するとなるとこの方面に来ることになると予想していたからだ。
この間、基地航空隊の攻撃隊は攻撃できなかった。
艦隊を見失ってしまったからだ。
だが20日になってようやく偵察に出ていた陸攻が敵艦隊を再発見した。
「これより、我々は報告にあった海域に向かう。」
井上は決意の固い声で言った。
これ以上基地航空隊にまかせっきりならば逃してしまう可能性があったからだ。
「我々からおよそ4000海里との報告です。ここは攻撃隊を送り出しては如何でしょうか?」
樋端の言葉に井上ばかりか源田も驚いた。
「航続距離が足りないと思われているかもしれませんが、航続距離というのは往復ですので単純計算で600海里は飛べることになります。つまり往路が400海里でも復路が200海里なら問題ないのです。それに敵艦隊はこちらに近づいています。ならば往路350海里、復路150海里になるでしょう。これなら問題ありません。」
井上と源田ははっとしてすぐに攻撃隊に出撃を命じた。
12隻の空母の飛行甲板では整備員が機体の最終確認を行い、搭乗員が艦橋にあった黒板で各艦の飛行隊長や艦長から作戦計画を聞かされていた。
「艦隊は諸君らを必ず向かいに行く!最後まで決してあきらめるな!」
各艦の艦長は説明の最後に必ずこう締めくくった。
午前11時34分には発艦準備が完了し、次々と空に舞い上がっていった。
星鷹の最後の艦攻が飛び立った12時12分に全機の発艦が完了し、編隊を組んで北東の空を時速350㎞で飛んでいく。
攻撃隊長に北支事変の撃墜王でもある赤松貞明少佐を据え、艦戦99機、艦爆106機、艦攻129機の合計324機を第1次攻撃隊とした。
またこれに共鳴し第3航空艦隊からも戦闘機67機、軽爆12機、陸攻43機が出撃。
この2つの攻撃隊は目標50海里で合流する予定となり、これで攻撃隊の総数は400機を超えた。
戦艦ワシントンに臨時で召集された将校たちを前にレイトンは何の前置きもなく言い放つ。
「真珠湾が攻撃され最低限度の港の修復に2か月はかかるという報告がなされました。これにより我々は退路を失ています。3日前ならニューギニア方面からの撤退が可能でしたがすでにマーシャル諸島に突入しているため我々に残された選択肢はマーシャル諸島を突破しインドまで撤退することです。」
レイトンの作戦は単純明快であり、またこれしかなかった。
すぐに英米連合艦隊は針路を南西にとる。
これがインドへの最短距離だったからだ。
連合艦隊は4月20日にはマーシャル諸島の南西付近に展開していた。
敵艦隊が撤退するとなるとこの方面に来ることになると予想していたからだ。
この間、基地航空隊の攻撃隊は攻撃できなかった。
艦隊を見失ってしまったからだ。
だが20日になってようやく偵察に出ていた陸攻が敵艦隊を再発見した。
「これより、我々は報告にあった海域に向かう。」
井上は決意の固い声で言った。
これ以上基地航空隊にまかせっきりならば逃してしまう可能性があったからだ。
「我々からおよそ4000海里との報告です。ここは攻撃隊を送り出しては如何でしょうか?」
樋端の言葉に井上ばかりか源田も驚いた。
「航続距離が足りないと思われているかもしれませんが、航続距離というのは往復ですので単純計算で600海里は飛べることになります。つまり往路が400海里でも復路が200海里なら問題ないのです。それに敵艦隊はこちらに近づいています。ならば往路350海里、復路150海里になるでしょう。これなら問題ありません。」
井上と源田ははっとしてすぐに攻撃隊に出撃を命じた。
12隻の空母の飛行甲板では整備員が機体の最終確認を行い、搭乗員が艦橋にあった黒板で各艦の飛行隊長や艦長から作戦計画を聞かされていた。
「艦隊は諸君らを必ず向かいに行く!最後まで決してあきらめるな!」
各艦の艦長は説明の最後に必ずこう締めくくった。
午前11時34分には発艦準備が完了し、次々と空に舞い上がっていった。
星鷹の最後の艦攻が飛び立った12時12分に全機の発艦が完了し、編隊を組んで北東の空を時速350㎞で飛んでいく。
攻撃隊長に北支事変の撃墜王でもある赤松貞明少佐を据え、艦戦99機、艦爆106機、艦攻129機の合計324機を第1次攻撃隊とした。
またこれに共鳴し第3航空艦隊からも戦闘機67機、軽爆12機、陸攻43機が出撃。
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