7 / 28
電気溶接技術の向上
改蒼龍型空母
しおりを挟む
改蒼龍型空母の設計は1936年4月に完了した。
改蒼龍型空母
排水量:1万8000トン
全長:235m
全幅:27m
速力:33ノット
武装:12.7㎝連装高角砲8基、25㎜三連装機銃10基、同単装機銃4基
格納庫:2段
艦載機数:84機(補用込み)
艦橋:右側
エレベーター:3基
航続距離:16ノットで9800海里
蒼龍型の順当な拡大版であるが、艦影はかなり違っていた。
まずは格納庫の前部110mほどは開放型飛行甲板となっている。
開放型と言っても隙間が空いているだけのようなものではあるが、これで格納庫内で爆発が起きた場合でも衝撃を外に逃がすことが出来る。
また、消火装置なども一新されダメージコントロールの面もしっかりとしていた。
次に艦橋である。
艦橋は蒼龍型と同じく右舷側に置かれていたが、その上には煙突が勇ましくたっていた。
艦橋自体も大型化しており、これまでの空母とは似ても似つかない姿となる予定だった。
これは、一重に煙路の問題であった。
従来の海水シャワー方式では格納庫を煙路で分断してしまっている。
これを解決するために藤本や艦政本部の面々は協議を重ね、この煙突の配置となったのである。
最後に艦首部分である。
艦首部分はエンクローズド・バウを採用し、飛行甲板と船体を一体化した。
このおかげで飛行甲板が若干ではあるが延長することが出来、艦載機数も増大するのである。
これらとは別に電気溶接を使用したことで気密性が増し、魚雷をくらってもおいそれと沈むようなことは無くなった。
これまでの日本空母とはまるで違い、準姉妹艦であるはずの蒼龍と比べてもダメージコントロールから艦載機数、はては通信能力すら上回っていた。
もしこの設計通り完成すれば日本海軍の中で最強の空母になることは間違いなく、藤本は期待に胸を膨らませていたのだった。
これほどの新機軸を詰め込んでも、工期はおおよそ2年6カ月と言ったところだった。
いや、今回の建造ではこれまた新機軸を採用する。
それがブロック工法である。
簡単に言うと、船体を各ブロックに分け別々の造船所で建造。
最後にそれらを集めて溶接するという物だった。
0.1㎜の誤差も許されない精密な計算こそ必要であるが、これを考えても余りある利益があったのである。
もし、ブロック工法で問題なく建造が進んだ場合、この空母は1年8カ月で竣工に漕ぎつけることが出来ると試算されていた。
無論、電気溶接などの技術も使用しての話である。
改蒼龍型空母
排水量:1万8000トン
全長:235m
全幅:27m
速力:33ノット
武装:12.7㎝連装高角砲8基、25㎜三連装機銃10基、同単装機銃4基
格納庫:2段
艦載機数:84機(補用込み)
艦橋:右側
エレベーター:3基
航続距離:16ノットで9800海里
蒼龍型の順当な拡大版であるが、艦影はかなり違っていた。
まずは格納庫の前部110mほどは開放型飛行甲板となっている。
開放型と言っても隙間が空いているだけのようなものではあるが、これで格納庫内で爆発が起きた場合でも衝撃を外に逃がすことが出来る。
また、消火装置なども一新されダメージコントロールの面もしっかりとしていた。
次に艦橋である。
艦橋は蒼龍型と同じく右舷側に置かれていたが、その上には煙突が勇ましくたっていた。
艦橋自体も大型化しており、これまでの空母とは似ても似つかない姿となる予定だった。
これは、一重に煙路の問題であった。
従来の海水シャワー方式では格納庫を煙路で分断してしまっている。
これを解決するために藤本や艦政本部の面々は協議を重ね、この煙突の配置となったのである。
最後に艦首部分である。
艦首部分はエンクローズド・バウを採用し、飛行甲板と船体を一体化した。
このおかげで飛行甲板が若干ではあるが延長することが出来、艦載機数も増大するのである。
これらとは別に電気溶接を使用したことで気密性が増し、魚雷をくらってもおいそれと沈むようなことは無くなった。
これまでの日本空母とはまるで違い、準姉妹艦であるはずの蒼龍と比べてもダメージコントロールから艦載機数、はては通信能力すら上回っていた。
もしこの設計通り完成すれば日本海軍の中で最強の空母になることは間違いなく、藤本は期待に胸を膨らませていたのだった。
これほどの新機軸を詰め込んでも、工期はおおよそ2年6カ月と言ったところだった。
いや、今回の建造ではこれまた新機軸を採用する。
それがブロック工法である。
簡単に言うと、船体を各ブロックに分け別々の造船所で建造。
最後にそれらを集めて溶接するという物だった。
0.1㎜の誤差も許されない精密な計算こそ必要であるが、これを考えても余りある利益があったのである。
もし、ブロック工法で問題なく建造が進んだ場合、この空母は1年8カ月で竣工に漕ぎつけることが出来ると試算されていた。
無論、電気溶接などの技術も使用しての話である。
38
あなたにおすすめの小説
未来を見た山本五十六、帝国を勝利へ導く
たか
歴史・時代
1928年12月10日の空母赤城艦長の就任式終了後、赤城の甲板に立ち夕暮れを見てた時だった。ふと立ちくらみのような眩暈が起きた瞬間、山本五十六「それ」を見た。 燃え上がる広島と長崎、硫黄島で散る歩兵、ミッドウェーで沈む空母、そして1943年ブーゲンビル島上空で戦死した事…… あまりに酷い光景に五十六は倒れそうになった、「これは夢ではない……現実、いやこれは未来か」 その夜、山本五十六は日記に記した。 【我、帝国の敗北を見たり。未来を変えねば、祖国は滅ぶ】
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜
雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。
そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。
これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。
主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美
※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。
※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。
※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜
岩 大志
歴史・時代
ごくありふれた高校教師津久見裕太は、ひょんなことから頭を打ち、気を失う。
けたたましい轟音に気付き目を覚ますと多数の軍旗。
髭もじゃの男に「いよいよですな。」と、言われ混乱する津久見。
戦国時代の大きな分かれ道のド真ん中に転生した津久見はどうするのか!!???
そもそも現代人が生首とか無理なので、平和な世の中を目指そうと思います。
戦神の星・武神の翼 ~ もしも日本に2000馬力エンジンが最初からあったなら
もろこし
歴史・時代
架空戦記ファンが一生に一度は思うこと。
『もし日本に最初から2000馬力エンジンがあったなら……』
よろしい。ならば作りましょう!
史実では中途半端な馬力だった『火星エンジン』を太平洋戦争前に2000馬力エンジンとして登場させます。そのために達成すべき課題を一つ一つ潰していく開発ストーリーをお送りします。
そして火星エンジンと言えば、皆さんもうお分かりですね。はい『一式陸攻』の運命も大きく変わります。
しかも史実より遙かに強力になって、さらに1年早く登場します。それは戦争そのものにも大きな影響を与えていきます。
え?火星エンジンなら『雷電』だろうって?そんなヒコーキ知りませんw
お楽しみください。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる