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戦間期
新型戦艦
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1937年1月12日。
この日、新型重巡洋艦もとい利根型重巡洋艦の一番艦である利根が横須賀海軍工廠にて進水した。
すぐに各種耐久試験が行われ、そのすべてで合格した。
これを受け、軍令部や艦政本部では新型戦艦に電気溶接を使用することを決定したのだった。
「…どうやら私の間違いだったようだな」
平賀は少し寂し気に言う。
彼は艦政本部を去ろうとしていた。
(あれだけ藤本に言っておいて、自分には甘いとなると日本男児の名が廃る…ここは潔く身を引こう)
彼はそう思って艦政本部を出ようとした時、呼び止める声が聞こえた。
「平賀中将!」
息を切らしながらやってきたのは藤本だった。
「何の用かね」
平賀は少し怪訝そうに尋ねた。
「中将のお力をこれからもお借りしたのです!」
藤本はいたって真面目に言った。
「…私は君の敵だったのだぞ?」
だが、藤本の決意は固かった。
「敵だったのはもう前の事です!私だけではこの国の海軍を支えきれません!ですので、どうか!」
藤本は頭を下げる。
(ここまでしてくれているのだ。ここで拒絶ずればそれこそ日本男児の名が廃る!)
平賀はおもむろに口を開く。
「…分かった。ともにこの海軍を支えて行こうぞ!」
この日、2人の天才は手を取り合った。
2人が真っ先に取り掛かったのは新型戦艦であった。
既に設計はほぼ完了しているが、電気溶接を使用するとなると少し余裕が生まれるのである。
「最高速30ノットを目指しましょう」
藤本の言葉に平賀は驚きつつも頷く。
「30ノットもあれば敵弾を回避しやすい。それに空母部隊についていくことも可能だ」
藤本や平賀は大艦巨砲主義か航空主兵主義者かと言われると、大艦巨砲主義者に属する。
そのため、この30ノットと言うのは”護衛の”空母に置いていかれないようにするためであった。
「後は、この艦にも10機ほどの水上機を積めるようにしてはどうだろうか」
今度は平賀が意見した。
「偵察機は多いほどいいし、対潜任務にも使用できる」
藤本も頷いた。
「排水量にも余裕がありますから、可能です」
こうして新型戦艦の骨子は定まっていった。
新型戦艦
排水量:60000トン
全長:265m
全幅:38m
速力:30ノット
武装:45口径46㎝三連装砲3基、60口径15.5㎝三連装砲4基、12.7㎝連装高角砲10基、25㎜三連装機銃10基
艦載機:水上機10機
最大装甲:舷側410㎜、甲板250㎜(集中防御方式)
航続距離:18ノットで10000海里
この日、新型重巡洋艦もとい利根型重巡洋艦の一番艦である利根が横須賀海軍工廠にて進水した。
すぐに各種耐久試験が行われ、そのすべてで合格した。
これを受け、軍令部や艦政本部では新型戦艦に電気溶接を使用することを決定したのだった。
「…どうやら私の間違いだったようだな」
平賀は少し寂し気に言う。
彼は艦政本部を去ろうとしていた。
(あれだけ藤本に言っておいて、自分には甘いとなると日本男児の名が廃る…ここは潔く身を引こう)
彼はそう思って艦政本部を出ようとした時、呼び止める声が聞こえた。
「平賀中将!」
息を切らしながらやってきたのは藤本だった。
「何の用かね」
平賀は少し怪訝そうに尋ねた。
「中将のお力をこれからもお借りしたのです!」
藤本はいたって真面目に言った。
「…私は君の敵だったのだぞ?」
だが、藤本の決意は固かった。
「敵だったのはもう前の事です!私だけではこの国の海軍を支えきれません!ですので、どうか!」
藤本は頭を下げる。
(ここまでしてくれているのだ。ここで拒絶ずればそれこそ日本男児の名が廃る!)
平賀はおもむろに口を開く。
「…分かった。ともにこの海軍を支えて行こうぞ!」
この日、2人の天才は手を取り合った。
2人が真っ先に取り掛かったのは新型戦艦であった。
既に設計はほぼ完了しているが、電気溶接を使用するとなると少し余裕が生まれるのである。
「最高速30ノットを目指しましょう」
藤本の言葉に平賀は驚きつつも頷く。
「30ノットもあれば敵弾を回避しやすい。それに空母部隊についていくことも可能だ」
藤本や平賀は大艦巨砲主義か航空主兵主義者かと言われると、大艦巨砲主義者に属する。
そのため、この30ノットと言うのは”護衛の”空母に置いていかれないようにするためであった。
「後は、この艦にも10機ほどの水上機を積めるようにしてはどうだろうか」
今度は平賀が意見した。
「偵察機は多いほどいいし、対潜任務にも使用できる」
藤本も頷いた。
「排水量にも余裕がありますから、可能です」
こうして新型戦艦の骨子は定まっていった。
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排水量:60000トン
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速力:30ノット
武装:45口径46㎝三連装砲3基、60口径15.5㎝三連装砲4基、12.7㎝連装高角砲10基、25㎜三連装機銃10基
艦載機:水上機10機
最大装甲:舷側410㎜、甲板250㎜(集中防御方式)
航続距離:18ノットで10000海里
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