ふたりの私の消失点

阿部敏丈

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第二話 シャドウを飛び越えて

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第二話 シャドウを飛び越えて 

<前編> 
2025年8月6日 水曜日 22時30分 東京都江東区亀戸 三好家…

玲香は寺山 輪が心理学者の中では有名人と知って、臨床心理士のいる精神病院を探したが日本の医療制度は精神科医の指示が無ければ臨床心理士のカウンセリングを受けることは出来ない。しかも病院やクリニックが配置する臨床心理士のカウンセリングはネットによると予約制で2週間待ちだ。 
「いつ死ぬか分からないのに、2週間なんて待てない。真実を知らなきゃ死んでも死にきれないじゃないわ」玲香は病院の精神科受診を諦めた。しかし臨床心理士による別の相談方法をネットで見つけた。それはチャットを使った自費で臨床心理士による悩み相談サイトだ。
「24時間365日 臨床心理士のカウンセリング 10分1000円」と検索エンジンに表示されていた。保険適用ではないため高額になるが、30分以内に話をまとめれば3000円だ。高校生でも直ぐに払える金額だ。これに賭けるしかない。 玲香はサイトを開いた。
そこには姓名がしっかり書かれた臨床心理士達が並んでいて、ネット特有の奇抜な名前はない。理由は臨床心理士が日本社会において、信用されている資格者だからだ。匿名で無責任な発言をする輩とは違う。
臨床心理士は国家資格ではないが、『日本臨床心理士資格認定協会』によって認定された者だけが名乗れる専門職である。国家資格と同等以上の厳しい試験を通り、学会活動を常に行わなければならない資格だ。そして公認心理士という国家資格もあり、臨床心理士は公認心理士の資格も持つ者も多い。日本臨床心理士会の会員数は23040人だそうだ。
沢山の臨床心理士の名前が連なり混乱する利用者のために、チャットボットが相談内容を仕分けしてくれるらしい。しかし大手通販サイトのチャットボットはたらい回しだ。玲香はチャットボットを使わず、自分の目で一人ひとり臨床心理士のアピール文を閲覧していった。
「ドッペルゲンガーとは言わなくても、ユングに詳しい人だって探せば居るはずよ。20000人以上居るんだから…」玲香が一人ひとりの短いプロフィールに目を通すと、ドッペルゲンガーと書かれた文は無いのに「もうひとりの自分」という言葉が、予想よりも多く見られることが分かった。
「専門家は私が幻覚を見たとか、妄想でもうひとりの自分を作ったとか言ってくるのかしら?思えばあの子は私よりもノリの軽い感じだったよね…」
玲香は感情の起伏を表に出す前に、ある程度方向性を見極めてから活動することが同年代の女子高生よりも長けている。根気強く読み続けていると「もう一人の貴方に出会える」という短い紹介文だが、玲香にとってはタイムリーな臨床心理士を見つけた。その人物の名は濱田 紗子という。今の自分に必要なのは「恐怖への寄り添い」ではなく「身に起きた謎への探求」だ。しかし残念だが濱田 紗子は今は回線を開いていないらしく、翌日の8時00分から回線を開くらしい。

玲香は記載されていたオープンメールアドレスをタップし文章を入力し始めた。 

初めまして、私は三好 玲香という17歳の女子高生です。

ここで玲香は指を止めた。有料チャットの時間を有効活用するには、正しく分かりやすく纏めて記入しなくてはならない。

つまり、①いつ、②どこで、③何を見た、④何をした、⑤何を思ったか?だ。

“もう一人の私”が、どんな顔をして、どんな行動をしたか…これを玲香は自分と並列して書く事にした。つまり④に記入した。

①いつ:8月5日 火曜日 7時過ぎ
②どこで:東京を走る総武線の亀戸駅から5分ほど歩いて、亀戸梅屋敷を右手にした場所を左へ曲がった所のシャッター通り
③何を見た:自分と全く同じ顔つき、体形、髪型、制服、ビオラケース、スマホケースを持つ女の子
④何をした:私は驚いて何も出来なかったが、同じ姿の私はスマホで私を写真を撮った。そして「スゲー」と言ってどこかへ消えた。
驚くべき話だったからか、細部まで覚えている。記憶を整理すると、他にも写真を撮る時の音が同じピッという玲香と同じ電子音を使用し、スマホのライトをこちらへ向けていた事も思い出した。
⑤何を思ったか:自分がオカルト現象に会ったと思い”もうひとりの私“と検索したら「ドッペルゲンガー」「その姿を見た者は死ぬ」という言葉を拾って怖くなった。


そして翌日だ。
①いつ:8月6日 水曜日 6時ちょうど
②どこで:亀戸駅から5分ほど歩いて右手に亀戸梅屋敷がある場所、コンビニが右後ろにある場所
③何を見た:左側にあるはずのシャッター通りが無くて、シャッターが閉まった元美容室になっていた。
④何をした:私は”もうひとりの私“に会うために、昨日の時間よりも早く現地に来て待った。
⑤何を思ったか:自分で考えて、あり得ない事態だったので、第三者のアドバイスを貰おうと思った。

ここまで纏めた。時系列に纏めて行くうちに、自分の中で「死が怖い」よりも「真実が知りたい」という気持ちがより強くなった。自分でも驚く程、冷静になっている。

そして最後に玲香はひと言、書き加えた。
「この出来事がドッペルゲンガーだとしたら、私はもうすぐ死ぬかもしれません。でも、その前に“もうひとり私”が何だったのかを知りたいです。真実を知りたいです。宜しくお願いします」
そして送信した。
メールを受けたという通知が、バイブレーションとともに画面に現れた。

昨日は眠れなかったけど、今日は眠れそうだ。気を落ち着かせるために、玲香はリズ・ホワイトの動画もSNSも開かず部屋を暗くすると目を閉じた。

2025年8月7日 木曜日 8時30分
東京都江東区亀戸 三好家…
チャットの整理券が送られてきた。順番は13番だ。チャットで10分は普通の会話と変わらず、あっという間に過ぎてしまう。しかしひと言叫んで回線を閉じる人もいるかもしれない。皆、どれだけ話して、いくら払うのか?相場は順番の回り方で分かる。玲香は机に
9時00分
チャットのカウンセリングが始まった。番号が更新されていくペースを見る限り、9分で終わる者が多く、19分で終わる者は2人だ。ギリギリまで話すが、支払いは1000円が相場の様だ。順番のカウント表示によると、10時20分の時点で、7番の人の会話がスタートしている。
今日はオーケストラ部の練習も夏期講習も無い。フルに使える日だ。
順番が回ってくるのは12時近いだろう。玲香は机の上に置いてあるタブレットを開いて、マップを開いた。亀戸駅から亀戸梅屋敷まで拡大してスクリーンショットを撮る。そして画像加工ソフトで亀戸駅から明治通りを歩いていった経路、右側のコンビニを過ぎた所まで矢印を引いた。そこからシャッター通りがあった場所は点線を使い”もうひとりの私”の場所まで矢印で結んだ。

画像を保存してスマホと共有させた後に、マップに画面を戻して写真へ切り替えると、まだ運営していた頃のサロン・ミヤビがあったが、シャッター通りはもちろん無い。元々毎日通っている賑やかな通りに、寂れた道が交差しているわけが無い。
11時50分
ようやく順番が来た。玲香はスマホとタブレットを抱えて、濱田 紗子とのチャットに臨んだ。
「三好さま、おまたせしました。臨床心理士の濱田 紗子です。宜しくお願い致します」という挨拶文が届いた。玲香が挨拶を返す前に、
「事前に分かりやすいメールを下さり、有難う御座いました。お金が勿体ないので、さっそく本題に入りましょう。こちらからの質問です。”もうひとりの私”に出会う前に、何か嫌なことはありましたか?」心のストレスが原因で、無いものを見た可能性を、濱田 紗子は聞いてきた。

玲香はいつも感じる嫌な思いがひとつある。同じオーケストラ部のコンサートマスターをしている、坂口 由佐の振る舞いがいつも不愉快だった。
坂口 由佐は天才的なバイオリン奏者で、玲香と同い年なのに世界で通用する実力を既に持ち、コンクールにも出ている。しかしとても独裁的で計算高く、下町の楽団なのに演奏会では満席になるのは自分のバイオリンがあってと分かっている。だから運営側には強い権限を持ち、気に入らない楽団員は退団させている。

幸い玲香はビオラなので、直接的な被害はないがバイオンよりも格下に見られていた。本当なら由佐を引っ叩いてオーケストラを出ていきたいが、玲香の両親は娘が憧れるバイオリンを習わせる為に高額なものを買い、レッスン受講料も出していた。オーケストラに入る時にビオラへ転向したので、ビオラも
買ってくれた。親の愛情を投げ出すわけにもいかない。
ビオラをひとりで演奏している時、ビオラ仲間4人で演奏している時は楽しい。しかし全体練習で天才バイオリニストの坂口 由佐が指揮者でもないのに演奏の細かい指示を勝手に行う光景は不愉快だ。
あの日はオーケストラ部の全体練習後、プロのレッスンを受けて更に防音室でひとりで練習をした。苛立ちと疲労はあっただろう。
玲香は「嫌なことがありました」と回答した。そして坂口 由佐の事、親への感謝を説明した。
「ストレスが続いたわけですね。今まで眠れない夜や泣き出したい気持ちになる事はありますか?」濱田 紗子が質問してきた。玲香は全く逆だ。嫌なことがあると、入浴して気持ちを切り替えてパッパと寝てしまう。
「三好さんはストレスの対処法をちゃんと持っているのですね。安心しました。シャドウを含めて、もうひとりの私や、あるはずの無いシャッター通りが見える精神状態ではないと思われます。自分の出来事も整理できる人なので尚更です。では心の影が原因ではないとして、ドッペルゲンガーの正体は何か?私も直ぐに回答できませんので、お金の節約のためにここでお話を終了しましょう。その前に宿題を出します。”もうひとりの私”が何者だったのか?仮説を立ててから、また私とお話しましょう」時間は9分だ。
「分かりました。今後も宜しくお願いします」玲香は挨拶をしてチャットを終了した。濱田 紗子という女性はストレスが原因と簡単に決めつける人ではない事に、玲香は安心した。

都市伝説系ユーチューバーのリズ・ホワイトやその他科学雑誌を好む玲香は、日常的にパラレルワールドや平行世界と言われるもの、時間軸やマルチバースという考えを知っている。
そして“もうひとりの私”に会いに行った8月6日の18時に、シャッター通りが消えていて、自分はとっさに別世界の存在を考えた。
玲香はリズ・ホワイトの動画や生成AIで平行世界やマルチバースについて調べ直した。

「マルチバースってね、日本語で『多元宇宙』と訳された、私たちのいる宇宙、世界以外に別の世界が沢山あるって考え方なの。私の視聴者さん達なら分かると思うけど、宇宙はビッグバンによって色々な世界が無限に作り出されたのよね。私たちとそっくりな世界から、物理法則が全く違う世界など、私たちには行く事が出来ない世界が存在するのよ」イブ・ホワイトの解説は分かりやすい。
生成AIもそれぞれの世界にはそれぞれの時間の流れ、時間軸があり歴史の分岐点があれば、そこで2つ以上の時間軸に分かれる。人の人生も物理法則も、分岐点により変わる。

昔は人間がタイムマシンで歴史の改変というSF作品があったけど、変えようとする歴史はすぐ隣の別世界に存在する。あえて言うなら歴史の改変は他の世界の歴史との合流だろうか?しかし歴史が変わらない未来と、変わった未来もあるだろう。とにかくその分岐点、時間軸は無限大だ。
「物理的な解析は出来ないけど、世の中の研究者たちが皆、荒唐無稽な話をするはずは無い。私は別の時間軸の私に出会った」そう考えるのはアリだと、玲香は思った。
「ドッペルゲンガーを経験したものは死ぬって、お互いの存在をかけた戦いなのかしら?時間軸の統合?私が今出せた答えはこれ!」余りゆっくりは出来ないけど、1つ回答は出来た。それで良い。
21時に玲香は疲れたので入浴を済ませて寝った。



<後編> 
2025年8月6日 水曜日 23時30分
 東京都江東区亀戸 三善家… 

「とりあえず検索するかぁ」 麗華はリズ・ブラックのユーチューブで出た「もうひとりの私」に何となく興味を持ち、来週まで待てずに言葉通りに検索をかけた。食事も入浴も済ませて、ベッドでスマホの画面を動かしている。 すると「ドッペルゲンガー」という言葉にたどり着き、そこから「シャドウ」「死ぬ」などと気味の悪い言葉が付いてきた。 
「何これ?気持ち悪いよ…」麗華の声が急に低くなり、無料のAIを使用して更に検索した。ドッペルゲンガーを経験した人で死んだ人だ。
 「なんだ昔流行った怪談なのね。リンカーン、エリザベス1世、モーパッサン…死ぬとか言っても記録がいい加減すぎでしょ、リズと同じオカルトネタとかさぁ、ビックリさせないでよ~」
三善 麗華はベッドマットを右手でボンと叩くと眠ってしまった。


2025年8月7日 木曜日 10時00分
亀戸駅ビル8階 河野楽器 亀戸スタジオ…

麗華はレッスンプロから与えられた課題曲の練習の為に、親友の坂口 由佐の音楽センスを手本にスタジオに入った。バイオリンを持つ時の由佐は別人で真剣な表情で、自分の音に集中している。

麗華の課題曲に合わせて弾いているのだが、麗華の音が間違うのではなく、自分の音に納得いかないと麗華の演奏も止めてしまう。普段は冗談を言い合う親友だが、バイオリンを持つ時の由佐にはそうはいかない。一切の妥協をせずに自分の感情、作曲家の思いがシンクロしなければ楽譜通りに弾いていても、中断してしまう。実力はプロとして十分に通用する程だが、本人は「音楽はトップ争いではなく、作品との調和」と言い地元の楽団に居続けている。
その生き方を親友として麗華は尊敬しているが、今日の由佐は怒っている。不安そうに見つめる麗華に気付き、由佐は口を開いた。
「なんかね…私の心の中の影、シャドウ由佐、なのかな?嫌なもうひとりの私が演奏を遮るのよ。同じ私なのに、私の手を振り払うみたいにさ…とってもワガママ、怖い」
「心の中に、もうひとりの自分がいるってこと?」麗華はビオラをゆっくり置いて、由佐に尋ねた。
「人って色々な顔、自分の世界がある光と影だけでなく、多面性だからね。私は自分の演奏に妥協しないんだけど、現にあなたの演奏を遮っているじゃん、身勝手なのかな?」
芸術で富と名声を得る者もいれば、それを追わずに自己実現を追求していく者もいる。由佐の生き方は後者で、麗華はそんな由佐の持つ理想の追求に付き合いたいと思っている。しかし今日の由佐は自己実現ではなく独裁的な行動なのかもしれない。理想から少しでもずれると、独裁者はエラーを消してしまう。
「由佐、あんたがバイオリニストとして、プロ級って皆が認めている。けど自分に厳しくて出世よりも、一般人には分からない音楽を見出そうとしている事は私しか知らない。とことんあんたの夢に付き合うわ」麗華は素直に言った。しかし由佐のもう一つの自分?理想のために、他を排除する感情がバイオリンの達人の意識を乗っ取ったら?その時、由佐を止められるか…

11時00分
麗華は集中してビオラを弾いた。由佐の訂正は厳しいが、とにかく集中した。
「キツイー、もう次の人が外にいるよ」麗華はガラス張りのドアの向こうでサックスを磨く男性をチラッと見て、由佐に知らせた。その時一瞬だけ由佐の目が鋭くなり、麗華は寒気がした。

しかし直ぐに由佐はバイオリンを置いて、和やかな表情になった。
「んー、今の時間なら亀戸中華は混んでないわ。行く?」
「うん、私は餃子を4皿イケるかも」親友の誘いに麗華は快く応えた。亀戸駅ビルの8階からエレベーターで1階に移動する時、エレベーターはふたりだけの空間だった。
「由佐、あんたの言うシャドウ由佐って、姿や形は見えたの?私なんかシャドウだかライトだか知らないけど、変なシャッター通りの向こうに居たんだよ」由佐はもうひとりの自分に対して、人間の多面性の1つと言ったが、麗華には感情で動かないレンズを通した証拠写真がある。まさにドッペルゲンガーだ。自分の幻覚や妄想などではない。
「オカルト話を笑うあなたが、わざわざ気持ちの悪いシャッター通りに自分の写真を加えるわけないか~まぁいい、食うぞ!!」1階に着きエレベーターの扉が開くと由佐は麗華の背中を押した。

18時00分
三善家…
麗華はシャッター通りの先に立つ、ポカンとしたもうひとりの自分の写真を勉強机の椅子に座りじっと見ていた。誰か検証してもらえないだろうか…いた。
リズ・ブラックが来週にもうひとりに自分に出会える場所に突撃すると宣言していたから、今すぐ彼女のSNSのポストにこの写真と、シャッター通りのあった、麗華自身が元美容室の前に立ちあの日の出来事を説明する動画を投函するのだ。リズには良いネタになるだろう。何かしらリアクションがある可能性はある。夏の東京はまだ明るい。明日まで待つ必要はない。麗華は母親に「ビオラのミュートをスタジオに忘れたから取りに行く」と言い、家を出て行った。あの場所は自宅から15分だ。

18時20分
「リズ、この前の動画でのコメントを書いた、『レイカー』です。ここは亀戸駅から歩いて5分、亀戸梅屋敷の斜向かいです。ご覧の通り店じまいしてシャッターを下ろした元美容室がありますが、8月5日の夜7時位はここにシャッター通りが現れて、その向こうにもうひとりの私がいました。ドッペルゲンガーなのかな~死んじゃうかも…」ネットの中で死を口にすると、人は過敏になる。麗華はわざと死を口にし、リズの気を引くか、誰か別の人からのコメントがあればと思った。しかし拡散されても身バレしないように、顔はぼかしておく。
そして投函。


家に戻りながら、麗華は考えた「昔ばなしが本当なら、死んだ人は”もうひとりの自分”は異世界人で彼らに殺されたのではないか?」と。ならば護身用の武器がいる。自分の机の引き出しには、美術の授業用のペンナイフがある。顔でも手の甲でもいい。
帰りながらナイフを持ったつもりで顔に斬りつけたり、手の甲を狙ったりして握り拳で2度ほど再現した。そして相手を止めるためカバンを投げる。イケるだろう。シャドウなんかやっつけちゃう。

10時00分
麗華は確信し食事を済まして風呂に入ると寝てしまった。リズからの反応は考えなかった。
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